2012年3月24日土曜日

Music is my life!


Class of 2012M.O.です。今回は再びカリキュラムを離れて、私がどっぷりはまっているIndiana university音楽環境についてご紹介したいと思います。

Jacobs School of Music
何と年間1100公演! そのほとんどが無料です(オペラ・バレエのみ有料ですが、それでも1025ドル)。Jacobsの教授やゲスト、学生による質の高いコンサートを満喫する事が出来ます。ジャンルもオペラ、バレエ、オーケストラ、室内楽、ピアノ、合唱、Jazz、現代音楽と多彩で、初演であったりマニアックなコンサート(”Octuber Fest”といってチューバだけ10人のコンサートなど)やワークショップもあって楽しめます。オペラやJazzなど幾つかの公演はこちらでライブストリーミングしています。

Jacobsはアメリカでも名門の音楽学部でレベルの高い学生が集まっていて、日本人の教授や学生も在籍しています。有名なチェリストの堤 剛さん(桐朋学園大学学長)も学生時代にIUで学び、その後Indianaで教授もされていました。
昨年4月には、Jacobsの豪華教授陣による東日本大震災のチャリティーコンサートが開催され、入場料全額が寄付されました。


基本的に事前のチケット手配は不要で、コンサート情報をこちらで調べて、直接ホールに向かうだけです。コンサートはキャンパス内に複数ある大小のホールで開催されます。個人的には音響が良いAuerHallでのコンサートがお気に入りで、ここではパイプオルガンのコンサートも開かれます。

【年間イベント】

<6>
IEP参加のためBloomington に到着する時期です。この時期は夏休みでコンサートのオフシーズンですが、吹奏楽のサマーコンサートがオープンエアで開催されます。MACホールという大ホールの前の芝生に寝転がりながら吹奏楽を堪能することができます。子連れでも気楽に行けます。
<7>
キャンパス内のIU Art MuseumのテラスでJazz in Julyが開催されます。地ビールのUpland beerを飲みながら夜9時まで明るい夕涼みJazzを堪能できます。2011年夏は美術館改装工事のため残念ながら中止でしたが今年は再開されると思います。これも無料コンサートです。
<9月~4>
いよいよオペラ・バレエのシーズン開幕です。月に1回程度、オペラとバレエが交互に開催されます。年間シートを購入すると120ドル程度で9公演を堪能できます。
 月曜日、火曜日の夜にはBig band Jazzコンサートも開催されます。

【子供向けプログラム】
IU Jacobs school of musicで子供向け(主に5歳以上)にピアノ、バイオリン、チェロ、ギター、ハープ、リコーダー、合唱、ミュージカルのレッスンを開講しています。例えばチェロのビギナーコースでは毎週、30分の個人レッスン+60分のグループレッスン(Jacobs学生による追加レッスン30分がつく場合あり)があり、セメスター中に発表会が12回あります。日本よりも格安に本格的なレッスンを受ける事ができます。

以上、とりとめなくご紹介してきましたが最後に強引にまとめますと(笑)、Bloomingtonではご家族も含めて充実した生活を送る事が出来ます。今回は音楽関係の情報だけをお伝えしましたが、演劇やスポーツも含めてイベントには事欠かきません。ビジットされる際に時間と気持ちに少し余裕があれば、コンサートに立ち寄ってみては如何でしょうか。

2012年3月22日木曜日

クラブ活動報告

こんにちは、2年生のN.K.です。MBAプログラムは先週まで春休みで、僕自身もMBA生活最後の長期休暇を欧州にて満喫してきました。そして帰国してみると・・・Bloomingtonは夏になっていました(笑。3月半ばで最高気温29℃!)これも地球温暖化による異常気象でしょうか。さて、そんな僕のトピックは、温暖化とも少し関係がある話です。今日はKelleyにおけるクラブ活動について、私がクラスメートとともに立ち上げたKelley Energy  Clubの活動の話を中心にご紹介します。

MBAにはいわゆるStudent Organizationと称する、様々な学生間クラブがありますが、ここKelley School of Businessにおいても同様です。KelleyにはStudent Organizationを下記のようなクラブがあります。

  1. Professional Clubs … Consulting ClubInvestment ClubKelley Marketing Club
  2. Networking Clubs … Kelley Association of Women MBAs Kelley High Tech Club
  3. Support Clubs … Kelley Partners ClubWine ClubGolf Club

Kelleyのオフィシャルサイト→ http://kelley.iu.edu/mba/kelleyLife/studentClubs.cfm

クラブにおける活動内容はまちまちで、ターゲットとする業界からのJob Offer獲得を目指し、業界研究や情報交換、企業の工場・技術センター等のビジットを行う本格的なものから、純粋なエンターテイメント系のクラブまであります。(KelleyにはMBAにお馴染みのクラブが一通り揃っていると思います。)

ここで、冒頭に書いたKelley Energy Clubについてお話します。

昨年11月のある日、あるクラスメートが話しかけてきました。「N.K. 俺これからKelley Energy Clubっていう、再生可能エネルギー業界を対象にしたStudent Clubを作ろうと思うんだけど、NKも一緒にやらない?俺も含め再生可能エネルギー業界へに興味がある学生のネットワーク作りの場として活用できるクラブを作りたいんだ。将来的にはIndiana大学構内にソーラーパネルや小型風力発電機等を設置していくことで、Indiana州における再生可能エネルギー導入のモデルケースになるようなプロジェクトを始めたいとも考えているんだ。」

そのクラスメートとは、New Venture Business Planningという文字通り起業に際してのビジネスプランの立て方を学ぶ授業で一緒だったのが縁でした。同じチームで太陽光発電に関係するビジネスプランを企画・立案したのですが、そこで僕がこれまでのキャリアで電力ビジネスに携わり、授業内プロジェクトで業界分析やCF予測等を行っていたのを覚えてくれていたのでした。(余談ながら、これって小規模スクールの長所の一つではないかなと思います。MBA2年目ともなれば、クラスメートの顔と名前、キャリアバックグラウンド等について大方把握できるようになってきます。それが学生間で自然に協働しやすい状況を創るのです)。

友人の問いかけに僕は二つ返事でOKしていました。理由は、「面白そうだ!」これにつきます。直感的な判断でしたがあえて付け加えれば、再生可能エネルギーの「後進州」ここIndianaで、どのような事業機会があるのかということに興味があったからです(僕自身はMBA前のキャリアにおいて、プロジェクトファイナンス等を通しアジアにおける電力ビジネスに関わったことがありましたが、電力業界は基本的に内需産業・規制業種なので、国が違えばビジネス環境も大きく異なってきます。米国そしてIndiana州の事情についても知りたかったのです)。

米国といえば連邦レベルで再生可能エネルギーの導入を促進しているイメージがありますが、TexasCalifornia州等では、総発電量に対する再生可能エネルギーによる発電比率を法律で設定する等、州レベルでも導入を奨励する制度を設けています。

しかし、われらがIndiana州は上記のような制度を設けておらず、他州に比べ設備容量ベースで少量に留まっています。そして、奨励制度が無いのは日照時間や風力の強度・安定性といった再生可能エネルギー発電に必要な気象条件が整っていないからではなく、既存の石炭焚火力発電所から非常に安価な価格で電力が購入できることや、保守的といわれるIndiana州民の気質が関係していると言われています。Kelley School of BusinessのあるここBloomington市においても、一部の大学寮・講義施設等でソーラーパネルが設置されている例はありますが、これらは「環境アピール」的な要素から設置されたもので(関係者談)、経済合理性の観点から導入されたわけではないのが実情です。

こうした点を踏まえ、僕たちが最初に行き着いたのは、既存の安価な電力価格に対して、再生可能エネルギーの経済合理性が証明できれば、導入について懐疑的な人々の考えを変えていけるのではないか、ということでした。そのために、大学構内に設置可能な再生可能エネルギーの発電設備が既存の石炭焚き発電所に対して投資対効果の点で上回ることができるかを詳細に検討しようと、ここにKelley Energy Clubの活動がはじまりました。

まだ、実働3ヶ月弱と短い期間ですが、授業やミーティングの合間を縫っては関係者とのテレカンファレンスや現地ヒアリングを行ったりしています。これまでコンタクトをとった例としては、Indiana大学のSustainability Program Director、大学内の施設管理責任者、SPEA(行政環境大学院)でエネルギーポリシーの授業を受け持っている教授、NYSolar Energy関連事業に投資しているPEファーム、再生可能エネルギープロジェクトに関する税制・法制を専門とするアカウンタントやコンサルティングファーム、ソーラーパネルメーカー、ディベロッパー、Feasibility Studyを行う風力コンサルティングファームや、インディアナ州のエネルギー政策委員会等々、既に数多くの人々からヒアリングをしています。設定する条件によって、CF予測から導き出される発電価格は変わってくるので、なるべく信用度の高い情報を把握していく必要があるからです。

また、他の大学との情報交換・ネットワーク構築の為に、毎年Michigan大で開かれる全米最大のエネルギーケースコンペにも、Kelley Schoolとして初めて参加しました。既にPrinceton大など一部の大学では、学生が主体となってソーラーパネルの設置に成功している学校もあり、彼らからの情報は貴重なベンチマークとなっています。

これらのリサーチを元に、再生可能エネルギー発電のIndiana大学への導入是非に関する報告書をまとめ、最終的には大学のVice Chairにプレゼンすることが当面のゴールです。

…と、長々と書きすぎてしまった感もあるのでそろそろまとめを。

未だプロジェクトの真っ只中にありますが、このクラブ活動を通して一番のTakeaway(と、現時点で個人考えているのは)、学生自らイニシアティブをとってゼロからClubを設立し、必要な人・組織とのネットワークを広げ活用していく過程、また、このプロジェクトの経済性を検討しその投資是非を判断するという過程の中で、自分が専攻してきたEntrepreneurshipFinanceで学んだことを、ある種疑似体験する機会を得ているのではないか、ということです。MBA留学の集大成というと大げさですが、もしかしたら、これが「面白そう!」と閃いた直感の招待だったのかもしれません。

2年弱に亘ったMBA留学生活も残すところあとわずか、暑さに負けず悔いのない日々を送りたいものです。