2014年3月21日金曜日

M&A Week!

皆さんこんにちは、class of 2015AHです。Kelley MBAは現在2週間の春休み期間です。当地はやっと雪も溶け、日も長くなってきたので、ようやく過ごしやすくなってきました。学生の中にはこの春休み期間を利用して新興国でのコンサルティングプロジェクトに参加したり、ワシントンDCで開催されるプログラムに参加したりと、充実した日々を送っています。

さて今回は、アカデミー(ゼミのようなもの)での経験についてご紹介したいと思います。Kelley MBA では学生はファイナンス・マーケティング・コンサルティング・オペレーションの各アカデミーに所属して単位を取得することが必修とされており、これを通じて特定の業界や業種に関する知識や就職に向けた人的ネットワークを構築していきます。私の所属しているStrategic Finance アカデミーはコーポレートファイナンスを対象としたものであり、所属している学生たちは日本風に言えば金融機関や事業会社の財務・経理を軸としたキャリアを目指しています。

Kelley MBAでは年に数回、アカデミーウィークと呼ばれる期間があり、この期間は通常の授業はお休みで、代わりに各アカデミーでの活動を行います。私の所属するアカデミーでは前回のアカデミーウィークではシカゴ/西海岸の企業訪問を主に行いました。そして今回の活動内容は、タイトルの通りM&Aに関するものでした。事前に発表されたM&Aのケースについて、数名のチームで一週間かけて適正価格を検討し、プレゼンを行うというものです。今回のケースはごく最近行われたハイテク業界の買収事案であり、被買収企業(A)を買収したB社が支払った価格について、その妥当性を検討するというものです。ここまでであれば通常のケースと大きく違わないと思いますが、今回はさらにB社の競合であるC社について、「C社にとってのB社買収の適正価格」を検討するというものです。プレゼンの相手は何とC社のCFOであり、この時点で緊張感はmaxに高まります。

まず月曜日・火曜日は外部講師によるExcelを使った財務モデリングのプログラムでした。さすが金融大国アメリカというべきか、キャリア教育の一環としてこの種のプログラムを専門に提供する企業があるようです。講師は投資銀行出身であり、実際に投資銀行で使用されるものと同様のモデルを使って、実際の企業の価値評価を行っていくという内容でした。自分はモデルそのものよりも、講師が紹介する各種のショートカット・テクニックに大変シビれました。Excelについては前職で日常的に使用しており、それなりに知識はありましたが、さすがはプロ、マニアックなテクニックを駆使して、マウスを使わずにモデルを仕上げていきます。「こんなテクニックを覚えたところで人生は豊かにならない。ただし、早く帰るのには役立つ」というコメントが印象的でした。

水曜日・木曜日はアカデミーを主宰するProfessor Smartの人脈による、複数社の企業幹部によるスピーチがありましたが、学生たちは皆金曜のプレゼンの準備に集中しており、教授からスピーチ中のノートパソコンの使用禁止のお達し(当然といえば当然ですが・・・)が出されました。

そして迎えた金曜日、時間の都合上全てのチームが発表するわけではなく、抽選によって選ばれた数チームによるプレゼンが行われました。プレゼンの相手は前述のCCFOの他に、ベンチャーキャピタリストとハイテク大手でファイナンスの部長ポジションを務めるバリバリの実務家が揃いました。これまでProf. Smartについては授業があまりイケてないことからそれほどいいイメージを持っていませんでしたが、聞けばこの日のゲストたちは以前にProf.がシリコンバレーのハイテク大手のM&Aチームで働いていた際の人脈によるものということで、やはりビジネススクールの教授ともなるとそれなりにすごいバックグラウンドを持っているんだなーと素直に感心しました。肝心のプレゼンについてはやはり実務家の血が騒ぐのか、スライド1枚につき質問(詰問?)がたっぷりという、大炎上状態でした。幸いにしてというべきか、自分のチームはプレゼンを行う機会はなかったのですが、この一週間は非常に刺激的な学びがあったと感じています。Kelley MBA は中西部に位置しており、普段の授業でウォール街やシリコンバレーからゲストスピーカーが来る機会は非常に少ないですが、今回のアカデミーウィークのようにある程度まとまった時間がありますので、その際には現役の実務家の話を聞く機会は大いにあると思います。

2014年3月11日火曜日

非FinanceメジャーによるFinance科目の履修

こんにちは。Class of 2015のDTです。3月に入り、Bloomingtonも少しずつ暖かい日が増えてきました。春セメスター(1月~5月)の前半期間が終わり、ほっと一息を付いているところです。

通常、各セメスターの前半・後半で、それぞれ4科目を選択します。私は、ファイナンスの専攻ではないのですが、今回はファイナンス系のクラスを2つ受講しました。ファイナンスはマーケティングやオペレーションのクラスに比べて、より専門的な科目を取る前に、事前に特定クラスの履修を課すケースが多く、先々を考えて、早めに基本的なファイナンス系の科目を履修することにしました。

私は日系コンサルティングファームの社費派遣なのですが、コーポレートファイナンスでは、現場に復帰した後も役に立つ知識を学べました。例えば、授業ではEVAを取り扱っており、細かい計算方法やロジックも学習しています。以前に、あるクライアントの中計策定の一タスクで、事業別のEVAを試算して事業評価をしたことがあるのですが、事業別の投下資本の計算方法に自信が持てず先方の担当者と頭を悩ましたことがあります。今回のクラスで、筋の通った考え方が持てるようになりました。日本語のファイナンス系の本も大まかな理論や単純化した計算例は説明しても、細かい計算方法までは触れていないことが多いので、卒業後も重宝しそうです。

もう一つのCapital Marketのクラスは、さすがにコンサルティングからは遠い感じがします。例えば、チーム毎の宿題では、適当な会社の株式を20社くらい選んで、最適ポートフォリオを組んだり期待利回りとリスク(標準偏差)はどうなるか、みたいなことを学習しています。チームは韓国人2人と中国人1人と計4人のチームを組みました。
少し脱線しますが、ある日、韓国人1人と中国人1人と計3人で机を囲んで作業をしていたら、韓国人の同級生から政治ネタの話題を振られました。年も近く仲良くしているので、多少、デリケートな話を振っても大丈夫だと思ってくれた様子でしたが、やはり少し面喰らいしました。斜め向かいの中国人同級生も苦笑いしています。最終的には、後から振り返っても、無難な回答ができたのではと思いましたが、やはり海外に来たからには、政治ネタにも、ある程度の知識と考え方、スタンスを準備した方が良いと実感しました。

両クラスを受講して、改めて感じるのは、チームとして取り組む課題の難しさです。Kelleyでは、大半のクラスがチーム課題を課してきます。そのため、大半の学生が、各クラスのチーム課題、テスト勉強や予復習、Globaseやアカデミーのプロジェクト、その他の課外活動、就職活動を掛け持ちしており、忙しいです。ケースを一読する程度で、準備不足でチームミーティングに臨まざるを得ないこともあります。(チームメンバーによっては、全く読んでいないことも。。)
コーポレートファイナンスのクラスでは、チームとしての提出物の出来が悪く、教授から呼び出しも食らってしまいました。自分自身のパフォーマンスもイマイチでした。原因は2つで、一つ目は英語力の問題です。各メンバーが内容を未消化の状態で、あまり頭が整理されていない状態で、あいまいな議論が巻き起こることがあります。この時点で、リスニング・スピーキングの問題で議論に入りこめないうちに、不本意な合意形成がされてしまうことがありました。後で、チームで決めた方針に則って、細かい計算をすると矛盾点を見つけても、長期のプロジェクトと異なり、時間的な制約もあるため大きな方針変更は難しく、なんとかつじつまを合わせるという、とっても辛い状況になってしまいました。改めて、卒業後にインターナショナルなチームをリードできるようなビジネスマンになりたいという自分の目標から距離があることを思い知らされました。
二つ目は、ファイナンスに対する現場感覚の乏しさです。テストでは高得点を取れていても、ケーススタディで、多くの文字情報や数字情報を与えられると、どの情報を使って、どう解釈して良いか疑問だらけになることが多々ありました。時間に余裕があるときは、チームミーティング前に、自分で回答を作りこむのですが、確信が持てないままチームで共有して、結局、皆で確信を持てないまま多数決で決めるみたいなこともありました。自分自身がファイナンスメジャーでない状態で、ファイナンス業界経験のあるメンバーがいないチームを作ったことも失敗だったかもしれません。実際のビジネスシーンでも、起こりうる失敗かもしれません。

残り1年と数か月、英語力、チームビルディング、ファシリテートについて、プロジェクトに加えて、こうした各授業のチーム課題を通しても、自分がどこまで成長できているか常に意識していきたいと思います。