2016年4月30日土曜日

アメリカ/Kelleyで学ぶ意義

Class of 2016S.T.です。


前回のM.I.さんの投稿に続き、私も卒業を控えた身としてこの2年間を「アメリカ/Kelleyで学ぶメリット」に焦点を当てて振り返ってみたいと思います。


1.アメリカで学ぶ意義

日本ではなく、わざわざアメリカで勉強するメリットって何でしょう。正直なところ、授業内容の中で「アメリカのMBAでしか学べない知識」はまずありません。やろうと思えば、日本で仕事をしながらでも必要な本を買ったりオンラインプログラムを利用することで得られるものが大半です。また、日本国内でもMBAを提供している学校はあるので、ただ「勉強したい」だけなら30歳前後の貴重な2年間と多大なコストをかけてまでアメリカにくる必要は無い気がします。

では、MBAをアメリカで取得する価値とは何か。個人的には以下の2点が大きいかなと思います。

1) 自分が少数派の環境に身を置くことができる

国籍や価値観、文化が違う人に囲まれ、その中で議論する。これは日本で仕事をしている限りそうそう経験できるものではありません。
MBAを目指される人は相応の能力があり仕事でも認められていると思いますが、アメリカに来るとその能力を発揮する以前に(よほど英語が達者でない限り)言葉の壁にぶつかります。特に私はスピーキングもリスニングも苦手だったので、プログラムが始まって早々に想像以上の言葉の壁これまで築いてきた自信やプライドが粉々に砕かれました。これは結構辛かったですし、その中でチームメイトに認めてもらうために自分の強みを出して貢献していくプロセスは大変でしたが、そのぶん自分をストレッチすることができたと思います。
また、多様性があるといってもアメリカの多くのMBAスクールは半分以上がアメリカ籍なので、言葉の力もありどうしても主導権は彼らが握ることが多いです。その中で自分の意見を通すためには、数字や合理的な仮説などに基づいた論理的な主張が必要になってきます。自分を振り返って完璧にできたとは到底思えませんが、それでも何度もチャレンジする中で気質やスタンスの違うチームメイトを説得する術を身に付けることができたことは、実践的な学びだったと思います。

2) 仕事から一度離れることができる

学生の身分に戻って過ごす2年間は本当に貴重だと思います。
私はKelleyにくるまで同じ仕事を6年間続けていましたが、(その時は気付きませんでしたが)今振り返るとしだいに思考が一方向に向きがちになっていました。会社独自の文化や慣習に浸り続けたことで視野が狭くなっていたように思います。そんな中、いったん会社の外に出ることで一歩引いた立場から客観的にこれまでの仕事を振り返ることができました。私は社費なのでまた同じ会社に戻りますが、この2年間で培われた会社に対する批判的な視点は大事にしていきたいなと思っています。
また、日本で仕事してたときよりもスケジュール調整がしやすいので、自分の自由に使える時間が大幅に増えます。興味のある分野の研究、資格の勉強、旅行、趣味、なんでもいいですが、30歳前後のタイミングで「自分のやりたいこと」や「今しかできないこと」にしっかり時間をかけられることは魅力的ですよね。
加えて、仕事を通さず、利害関係のない友人関係を世界各地から集まった学生仲間と築けたことも、価値あることだったと思います。


2.Kelleyで学ぶ意義

次に、数あるMBAプログラムの中でKelleyを選ぶポイントについてですが、ここのところアプリカントの皆さんの対応をしていて感じるところを書こうと思います。

Kelleyに限らず、各MBAプログラムは特色をアピールしたり、オリジナリティのあるプログラムを打ち出して差別化を図っており、アプリカントの皆さんもこの部分に関してはしっかりと研究しておられると思います。Kelleyも特色としてCorporative cultureHigh teaching qualityなどが挙げられ、Core programGlobaseなど独自色のあるプログラムを提供しています。

しかしここでは、見落としがちだけど重要なポイントとして、生活環境を挙げたいと思います。かく言う私もアプリカントの時はプログラム内容ばかりに目が行っていましたが、2年間異国の地で生活してきて、住環境は学校選びにおいてプログラム内容に並んでとても大事なポイントだと感じてます。「住めば都」なんてことわざもありますが、やはり進学先を決めるにあたって生活全般も含めて環境が自分やご家族にフィットしているか吟味してもらいたいなと思います。

1) スモールタウン&カレッジタウン

インディアナ大学が立地するブルーミントンはインディアナポリスから車で1時間のローカルタウンです。そのため、街の特色としては安全、安心、自然が多い、物価が安いなどが挙げられます。大都市またはその近隣に立地するMBAスクールが多いなか、こののどかな環境は際立っている気がします。

2) 日本人が少ない

ブルーミントンに住む日本人のほとんどはインディアナ大学関連の留学生や研究者で、日系の進出企業も無いので、日本人は街の人口に比べて非常に少ないです。もちろんその中で日本人コミュニティもありますが、必然的にプライベートでも英語を話したり他国の人と交流する機会が増えます。


3.まとめ

MBAを取得するにあたって学習する内容は、国やスクールが違っても大きな差はないと思います。勉強して新たな知識やスキルを獲得することはもちろん大切ですが、人間性を磨いたり、価値観を広げることに目を向けることがより重要な気がします。
私にとってこのKelley Schoolでの2年間は、学習内容だけでなく、日常生活でも日本で仕事をしていては到底経験できないことに溢れた非常に有意義な時間だったと思います。しかし、これが誰にでも当てはまることでもないと思います。学校選択の際はついついプログラム内容やランキングなどに引っ張られがちですが、一歩引いて、生活全般も含めてどのプログラムが自分に合っているか考えることが、後悔しない学校選びのポイントだと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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