2013年4月29日月曜日

GLOBASE Guatemala 2013体験記(前編)

皆さん、こんにちは!
Class of 2014のH.Mです。
ブルーミントンにもようやく春が訪れ、街にはちらほら桜らしき木が先週ぐらいまで花をつけておりました。こちらの人たちは服装が極端なため、暖かくなるとすぐに半袖Tシャツ、短パン、サンダルといった日本では夏が近づかないと見かけないような服装にチェンジします。

さて、気温も暖かくなり、気持ちの良い時期でもあるので、少しまったりとしたゆる~いブログを書きたかったのですが、その前に書くべき内容があるのでそのようなブログはまた次回とさせていただきたいと思います。

今回は春休みに参加してきたGLOBASE Guatemalaの体験記をご紹介したいと思います。
まずGLOBASEとは何ぞや?という方は、こちらのブログをご参照ください。

今年はGLOBASEはインドとグアテマラの2カ国のみの開催でした。(ちなみに来年はガーナが復活して3カ国になる予定です!!)

GLOBASEは間違いなくKelleyの目玉プログラムであり、是非Kelleyに入学された暁には参加されることを強く強くオススメいたします。

もうすぐKelleyでのMBA1年目が終わろうとしていますが、私のBest memory in Kelleyになること間違いなしです。

私が考えるGLOBASEに参加することの利点としては、
1.なんといっても実際の企業相手にコンサルティングを行うことが出来る
2.新興国のカルチャー、ビジネスがどんなものかを学ぶことが出来る
3.プロジェクトごとにチームを組んでの取り組みとなるので、長期チームプロジェクト経験にもなる
4.何より参加する他のクラスメートととても仲良くなれる
5.とにかく楽しい

などなど、まあこれでもかというぐらいお得なことがたくさんあります。
このような新興国にフォーカスした国際コンサルプロジェクトを持っているのもKelleyの強みですね。

そのほか、GLOBASEの特徴をいくつかご紹介しますと,

1.生徒主体のプログラムである

もちろんプロジェクトを通してfaculty memberがleadをするのですが、GLOBASEはfaculty member以外にも2年生のリーダーシップチームが構成されます。このリーダーシップチームがクライアントがBloomingtonに訪問されたときの送迎から、Guatemalaでの滞在スケジュール、観光スケジュール、クライアントとの窓口、そして我々のアドバイザーになるなど、大きな役目を担っており、faculty memberはどちらかというと何かあった時のサポート役という感じでした。
Guatemalaに行くまでの前半7週間(1月の春セメfirst 7 weekから春休みまで)は毎週GLOBASEのclassがあるのですが、そのうち1コマはこのリーダーシップチームが担当して、「真のリーダーシップとは何か?」というトピックで授業を行いました。
今年GLOBASEに参加したメンバーの多くが、来年のGLOBASEのリーダーシップポジションに応募しており、とてもいい循環になっていると思います。

2.クライアントもある程度厳選されている

GLOBASEは、GuatemalaにあるAMCHAMというAmerica Chamber of Commerceという組織とKelleyがタッグを組んでクライアントを選んでいます。Kelley側からクライアントに打診するのではなく、Kelleyにコンサルプロジェクトを依頼したい企業がAMCHAMに応募をして、最終的にGLOBASEのクライアントになるかが決定されます。
従って、クライアント側も非常にコンサルプロジェクトにとても熱心に向き合って下さり、Case competitionでは体験できないような実際のコンサルティングを体験することができます。
私が担当したクライアントも、GLOBASEが終わったあとも我々の提案した内容のimplementationについて質問を送ってくるなど、引き続き現在もクライアントとの関係は続いています。

3.単なるコンサルプロジェクトではなく、それに必要な知識の習得もセットになったプログラムである

GLOBASEは1月中旬にクライアントがBloomingtonを訪問されてからが実質的なスタートとなり、3月の春休みに現地を訪れるまではKelleyでメールやSkypeなどを通じてクライアントとやり取りをし、作業を進めていきます。その間、毎週GLOBASEのclassがあるのですが、2コマ連続なので、かなりハードです。しかしながら、毎週違ったトピックを学び、コンサルティングに必要な知識を習得できるので、実体験だけでなく、知識面からも得るものは多いです。
今年のケースですと、前7回のclassはコンサルティングの基礎知識、ラテンアメリカの文化、マーケティングの基礎知識、Guatemalaの経済状況、オペレーティングの基礎知識、リーダーシップについて、効果的なコミュニケーション方法などなど、非常に幅広い分野を効率よく学ぶことができました。
しかも毎回のClassは、それぞれの分野のprofessorがGLOBASEだけのために授業をしてくれます。これもKelleyの教授陣のチームワークと熱心さ故に実現できるものだと思います。

最後に、私が担当したクライアントとプロジェクト内容を簡単に記して(秘密保持契約のため、詳細は記載できませんが)、実際の現地での活動等については次回後半編でご紹介したいと思います。

私が担当したクライアントは自動車部品やパーツ、修理サービスを行っているファミリー企業です。カスタマーは個人客の他、自動車修理を行っている修理業者がメインであり、また卸業も行っています。当初我々に依頼された内容は、
「いかにして我々のビジネスを拡大すべきか、その拡大戦略を考えて欲しい」というものでした。
最初のヒアリングで色々な問題点が浮かび上がってきました。
彼らが依頼してきた背景には、売上が近年低下している、という問題があり、その要因を探っていくと色々な事実がわかってきました。
・競合他社の市場参入
・中古自動車の輸入規制と販売規制
・自動車保険の新制度
・従業員のモチベーション低下
・ブラックマーケット(いわゆる闇市場を通じての別ルートでの製品販売網)の存在
・Guatemalaの経済状況
・在庫の滞留

まさに問題山積みといった感じですが、ではこれらの問題をどのように考え、どのような拡大戦略を提供するのが良いのか?

続きは近日中に更新いたします。

2013年4月20日土曜日

Business Marketing Academy のコンサル体験

こんにちは。Class of 2014N.K.です。

今回は、私が所属するBusiness Marketing Academy (BMA) のコンサルティングプロジェクトについて投稿させていただきたいと思います。

総括:
1月下旬にKick-off4月上旬に最終プレゼン報告を行ったので、約3ヶ月近くこのプロジェクトに取り組んでいたことになります。(もちろん単位ももらえます。) 非常に内容が濃く時間と労力が求められるプロジェクトでしたが、実際にアメリカのFortune500企業を相手にコンサルティングができ、ソフト面・ハード面ともにMBAならではの実践的な経験を得ることが出来たと思います。


背景:

1月初旬にAcademyの教授から、クライアント企業とプロジェクト案件の発表がありました。今年はEli Lilly, Du Pont, General Electric, Ecolab, Carlisle, Direct Supply6社が協賛し、各社から9つのプロジェクトが提示されました。
各プロジェクトともに、背景と課題が説明され、私は総合化学メーカーDu Pont社のプロジェクトに立候補しました。立候補者の中から、教授によってチームメイトが選ばれ、私のグループは、私とアメリカ人1名、インド人4名、という6名の構成になりました。 もともとBMAにはインド人学生が多く所属しているので、このアンバランスさは仕方ないですが、チームキャプテンを決める段階で既にインド人同士で揉めています。結局は投票で決めたのですが、落選したインド人の女の子が既にものすごく不満そうで、この先チーム内で揉め事が起きないか少し心配です。。


課題認識:

DuPont Performance Polymers (DPP) は、Du Pont社が持つ13つの戦略ビジネスユニットの1つで、エンジリアリングポリマーやナイロンといった高性能合成繊維を製造・販売しています。DPPが取り扱う製品だけでも1000種類を超え、カバーする市場セグメントは自動車、エレクトロニクス、ヘルスケア、など多岐に渡っています。現在DPPは、Large Account向けの直販とSmall Middle Business向けのディストリビューターの2つの主な販売経路を活用しており、クライアントからの要望は『北米市場において、DuPont高性能ナイロンの売上拡大のために、適切な販売チャネルの選択と販売促進活動・ツールを提案して欲しい』というものでした。


最終報告までのプロセス:

1月末にDu Pontの北米地区Marketing ManagerChannel ManagerKelleyに招待し、Kick-off Meetingを行いました。クライアントからプロジェクトの概要が説明され、我々も不明点をQ&Aにて確認し、プロジェクトの骨子を掴みます。以後、毎週金曜日にクライアントと電話会議を行い、進捗を報告していきます。
初回の報告では、Projectを進めるにあたり、Letter of Engagement (クライアントの期待値、フォーカスする/しないポイント、タイムライン、などクライアントとの合意文章)を作成。その後、DuPontや彼らのディストリビューターのSales DirectorSegment Leaderなど様々なファンクションの方と電話会議を設定し、問題点のヒアリングなどを行い、理解を深めていきます。集まった情報をベースに、問題点に関して仮説を持ち、Opportunityを模索、RiskMitigationを考え、戦略を構築してくというプロセスを繰り返し、徐々に我々の提案内容を固めていきます。

 Non-disclosure agreementを結んでいるため、あまり詳細に渡ってご報告できませんが、徐々に以下の問題点が見えてきました。

チャネルの問題:

付加価値を生まない単なる”Box Mover”としてのDistributor
Distributorにとって、DuPontの商品を積極的に販売するインセンティブの欠如
DistributorSales Forceへの教育体制が不十分

プライシングの問題
製品のリストプライスが高すぎる (ディストリビューターからの値下げ要求を毎回飲んでおり、リストプライスが意味をなしていない。)

DuPont内部の問題
・R&DMarketingのコミュニケーション不足
Product Life Cycle上の管理ミス (1000を超える製品群を管理するにあたり、取引量の少ない製品をEOLするタイミングやスキームの決定が困難)
ディストリビューターを管理統制する機能が弱い

2月下旬のAcademy WeekChicagoB2B企業数社を
訪問した際に、ディストリビューターとの関係をヒアリングを行い、彼らも似たような課題を抱えていることが分かり、このTripで得たinsightはプロジェクトを進める上で大きな助けとなりました。

2月のAcademy TripではChicagoのB2B企業数社を訪問
Industrial Supply大手のWW Grainger本社にて

3月初旬に中間報告という形で今までの調査に基づく提案内容をプレゼンしました。クライアント側も我々の提案内容を概ね好意的に捉えてくれ、方向性がほぼ固まったところでさらにリサーチや資料の作成を続けていきました。 

4月中旬になり、クライアントをDuPontの本社があるDelawareWilmingtonからKelleyに招き、最終報告を行いました。最終報告の前夜には、クライアントの方にディナーをご馳走してもらい、その後チームメイトと再び学校に戻りプレゼンの最終リハーサルを行うなど直前は非常に慌しかったですが、プレゼン終了後クライアントに我々の報告を高評価していただき、労いの言葉をいただいた時は今までの苦労が全て報われた気がしました。

練習を重ねただけあって、自分の担当パートのプレゼンはほぼ完璧にこなせたと思うのですが、Q&Aの部分がうまくさばけずチームメイトからの助けを借りてなんとか回答できた状態でしたのでそこは反省したいと思います。プレゼンの途中で急な質問をされても冷静に相手の質問の意図を汲み取り、なるべくシンプルな英語で回答するにはもう少し訓練が必要だと思いました。


Takeaways
B2Bの世界は非常に深く、今回は化学メーカーのマニアックな世界にどっぷりと漬かることができました。コンサルタントの視点でクライアント企業の経営課題を客観的に捉えることで、彼らが抱えている経営課題 (組織体、販売チャネル、プライシング、プロダクトライフサイクル管理など) は、本質的には私の派遣先企業のビジネスユニットが抱えている問題とも重なる、と発見できたのは興味深かったです。

また、今回のプロジェクトはビジネススクールの仲間達と取り組みましたが、もし自分がリーダーとしてプロジェクトを引っ張る立場になったら?、もし海外現法で多国籍なメンバーと仕事を進めることになったら?と仮定し、そのような状況下で仕事をどのように進めていけばよいのかを疑似体験できたことは1番の収穫だったと思います。


最終報告を終えた後チームメンバーとの1枚

2013年4月15日月曜日

Takeaways



Class of 2013TYです。4月も残り半月となり卒業までついに3週間弱となりました。あと1ヵ月もすると約2年間離れた日本(そして職場)に舞い戻ると思うと不思議な気持ちになります。

なお、卒業式を目前に控えすっかり春めいてきたBloomingtonには今週、Dean’s Council(日本流に言うと、学部長の諮問会議でしょうか) メンバーの伊藤様が日本からブルーミントンに年1回の会議のために来訪されました。この会議は来年以降のKelley School of Businessの大きな運営方針(入学定員、カリキュラム、重点施策など)についてKelleyDeanCouncilがディスカッションする場のようで、いまこのブログを読んでいただいている受験生の方にも大いに影響のある会議です。その公式会議の終了後、伊藤様には在校生の自分たちとも意見交換の場を設けていただきました。伊藤様は、ケリーにてMBAを取得後、派遣元企業(日本の某大手電機メーカー)の米国法人代表まで勤めあげられた方で、同じく社費派遣MBAである自分にとっては卒業後のキャリアとして目標とするべき方の一人だと思うのですが、そのような方がケリーの諮問会議メンバーに参画して、日本とケリーとの架け橋を務めていただいていることに在校生として非常に心強く思いますし、自分自身も卒業後にKelleyとのネットワークを何らかの形で保ち続けていきたいと改めて認識をした次第です。

 意見交換会での記念写真




さて、若干前置きが長くなりましたが、前回の私の本ブログ投稿ではこれからMBAに入学される新入生の方がKelleyMBASurviveできるかという入口の視点で話をしましたので、今回はいま私がまさに立っている出口(卒業時)の視点でケリーで何を得ることができたのかという話をしたいと思います。すでに何人かの同級生がそれぞれの視点でMBAプログラムのTakeawaysを語っていますし、それらは必ずしも一致するものではありませんが、あくまで私なりの意見として読んでいただければ幸いです。

Full-time MBA2年間のTakeaways
前提条件として私のバックグランドを簡単に説明しますと、学士では経営を専攻、入社後10年で社費留学、会社でのキャリアは営業3年、経営企画5年、マーケティング2年という感じなので、ある程度ビジネススクールで学ぶことは留学前に知っている(いた)という状況と考えてください。

·         ビジネスを分析するための引き出しが増える
マーケティングを専攻して感じたのが、日本でマーケティングを大学で学び、実務で取り扱っているときよりも圧倒的に定量的(数的)にマーケティング効果を分析し、施策の絞込みをするための手法を学ぶことができたと思います。日本では調査会社などに任せっぱなしだったマーケット調査結果の分析なども、その分析手法の持つ意味をきちんと理解してより適切な分析ができるようになったと思います。とはいえ、ビジネススクールでは多くの手法を網羅的に学ぶため、ひとつひとつの分析手法への掘り下げは実務とは比べものにならないくらい浅いので、そこは自分なりに実践を通じて深めていく必要があります。それ故に「引き出し」と書かせていただきました。

·         外国人に対するリーダーシップの取り方
そして、アカデミックなこと以上に大きな収穫だったのはやはり、日常的に外国人と英語でコミュニケーション(グループワーク)をし、リーダーシップをとる訓練がたくさんできたことだと思います。詳しくは後述しますが、社会人経験が10年の自分に比較すると周りの同級生はどうしてもビジネス経験が少なめなため、グループワークでも自分が積極的にリーダーシップをとらないといつまでもゴールにたどり着かない(結果、家族と過ごす時間が削られる!)という局面が多々あります。一方で前回のブログの投稿でもコメントしたように、私を含め純ドメスティックな日本人学生は強烈(といっても過言ではない)な英語力のハンディキャップをもっているので、いかに他のチームメイトに自分の意見に共感してもらい、彼らの強みを生かして最終的なアウトプット(プレゼンやレポート)をいいものに仕上げるかということも決して生易しい作業ではありません。自分なりにも少しでも上手くグループワークを進めようと事前準備も含めて試行錯誤を重ねた結果、チームメートの国籍・人種に応じたパーソナリティも把握した上で、上手くリーダーシップを取るテクニックが2年間でだいぶ身についたように思います。このことは、特に社費MBAの場合、卒業後に海外拠点で現地社員をまとめるマネージャーとしてアサインされることもあるかと思うとても重要なスキルではないかと思います。(私の場合はまだ卒業後の職務は分かりませんが。。。)

·         国際的な人的ネットワーク
これに関しては今の時点で「人脈」といえるほど強固なものかは少し疑問ものこりますが、少なくとも卒業後に世界中に散らばった友人から現地の生の情報をゲットできるだけのネットワークは構築できたと思います。これからは、お互いが切磋琢磨してキャリアアップをしていくなかで、そのネットワークが貴重な「人脈」に成長を遂げるのを期待したいと思います。また、今後は実務で困ったことがあった時にKelleyの教授陣にちょっとしたアドバイスをもらうこともできるだろうと思います。

·         外国での暮らし方
タイトルに書くと若干当たり前すぎますが、海外旅行程度しか海外経験のない人間にとってはとても重要なことだと思います。海外MBAに来るまでは、海外赴任といわれたら果たして外国で暮らしていけるか精神的に不安な部分はぬぐえなかったと思いますが、2年間の海外生活でとりあえず、明日、海外で働けといわれても「何とかなる」という自信が身についたと思います。

·         バイリンガルな娘、日本語がしゃべれない息子
これは多分にプライベートなTakeawayかと思いますが、5歳になる愛娘がしっかり英語と日本語を理解できるようになったのはとても良かったと思います。卒業後、日本に帰ってもなんとかその力を維持してあげたいものです。(緒先輩の話を聞いているとなかなか難しいみたいですが。とりあえず娘の大好きなディズニー映画は英語縛りかなと妻と話しています。)一方で1歳の渡米時から日本語と英語をどっちつかずに浴び続けた3歳の息子はなかなかしっかりした言葉を話し始めないので若干心配ではありますが。。。

(注意点)海外のビジネススクールに来る前に知っておくべきこと
一方で渡米前にMBAに抱いていた希望と現実にギャップがある部分も少なからずあります。これからMBA留学(特に入社10年前後で社費派遣)を希望する方はぜひご一読いただいて、渡航の是非(!?)を再考していただけると幸いです。

·         日本でも学べること(すでに知っていること)は少なからずある
これは自分自身のバックグランド(経営学)を考慮するといたし方ない部分もあるのですが、MBAそのものが全く経営のバックグランドがない人も卒業後にはマネージャー候補に育て上げることを意図したプログラムであるため、すでに日本で学んで来たこと、実務で使っていた知識などを再度学習するといったロスが少なからずあったという印象です。とはいえ新たに学んだことも沢山ありますし、そもそも英語で学ぶことにより、英語圏の人とビジネスをする際には再学習した知識(英語での用語)が生きると思いますので、完全に無駄な作業というわけではないですが。

·         ビジネススクールの大きな要素は就職活動
当たり前のことですが、ビジネススクールにくる学生の大半(9割方)は私費学生です。故にビジネススクールは就職支援に非常に大きなリソースを割いていますし、他校のことはあまり分かりませんがKelleyでは実際に参加を必須とされる就職関連のアクティビティも少なからずあります。これらのアクテビティは私費の学生にとっては大変すばらしいリソースなのですが、一方で社費の学生にとっては就職活動は縁がない(むしろ数年間、転職を禁止されるケースが大半かと思います)です。また、アクテビティへの参加が免除されるケースもありますが、私費学生の日ごろの大きな関心後とは就職活動なので、彼らの話題の蚊帳の外にいることに居心地の悪さを覚えることが時としてあることも否定できません。

·         社費MBAはキャリアアップの機会ロスにも注意
私費の学生にとってはMBA留学は大きな支出(リスク)がある一方で卒業後に新たなポジションを得る大きなチャンス(リターン)かと思います。一方で社費の学生にとっては仕事が見つからないリスクはないものの、MBA留学をしたからと言って即座にキャリアアップが果たせるわけではないケースが大半ではないかと思います。さらには30歳前後の一番仕事に油が乗った時期にラインから外れて留学をすることは、同じ職場で働き続けていたら得られたかもしれないキャリアアップ(昇進)の機会を逃すことになるかも知れません。しかも、留学候補生に選ばれたタイミングから留学開始までの約1年半についても、テスト勉強・出願エッセイの作成などに忙殺されることになりますので、本来の業務に100%コミットすることはなかなか難しいと考えるとキャリア的には実質3年半の空白が生じる可能性もあります。もちろん、これはそれぞれの会社の社風、ビジネス内容、社内制度、個々人の準備状況によっても状況は異なると思いますが、社費留学を志望する方は社内で過去に留学をされた方などから、ご自身の会社での情報収集を積極的にされたほうがいいと思います。

·         社費MBAは年寄り。。。
私の場合(入社10年)は特になのですが、日本人(+韓国人)社費留学生は総じて他の同級生と比較して年齢が高めです。これは、ある程度職務経験を積んだ人材を留学候補生に選んでいる場合、どうしても避けられないことかも知れませんが、一方でアメリカ人学生には職務経験3年程度という学生がゴロゴロしていますので、いやが応にもジェネレーションギャップを感じることになります(笑)。もちろん、彼らを将来の部下(現地法人に赴任した場合など)に見立ててリーダーシップの取り方を学ぶにはとてもいい教材ともいえるのですが、EMBAなどを選択すればより年齢層の近い(すなわち職務経験が近い)人と刺激を与え合う機会があるようにも思えますので、その点は学校/プログラム選びをする際に考慮してもいいかもしれません。

以上、決していいことばかりではないということも書かせていただきましたが、それでも海外留学の2年間で得られたもの、経験したことはこの先もきっと同じ経験はできない、貴重で、濃密な2年間でした。今後、社費・私費の別を問わず、MBAでの海外留学をお考えの方はぜひ、身近に留学をされた方や、MBAフェアーなどに参加して何が得られるのか、何をあきらめなくてはいけないのかを少しでも多くの方から情報収集することをお勧めします。また、Kelleyに関する質問・キャンパスビジットなどを予定される場合には、Kelley日本人在校生ホームページを通じてコンタクトをしていただければと思います。在校生(私はもうすぐ卒業生ですが)一同、ご連絡をお待ちしております。

2013年4月7日日曜日

ハンズオン! ハンズオン!! ハンズオン!!!


お疲れ様です。 Class of 2013Takaです。
新年度に入り、卒業まで1ヶ月を切りました。 時が経つのははやいですね。
20118月にMBAプログラムが始まってからIntegrated Coreや選択科目を通じてハードスキルからソフトスキルまで多くのことを学んできたと思います。
MBAの価値やMBAで学んだことについては、10人いれば10通りの答えがありますが、今回は私なりの「MBAの価値」についてお話しします。

私は、ハンズオンプロジェクトこそがMBAでしか体験できない価値のあるプロジェクト・授業だと思っており、このブログの読者の中でMBA留学を志願されている方にはMBA留学期間中に是非とも積極的に取組んでいただきたいです。
もちろん自身のキャリアバックグラウンドや将来的な志向とは全く関係ない業界・企業についてのプロジェクトがアサインされることもあり、必ずしも直接的に自分のキャリアに結びつくとは言えませんが、全く経験の無い業界に関するプロジェクトに携わったほうがチャレンジングでありTakeawayは多く、Business PersonとしてのSkillは向上すると言えます。
ハンズオンプロジェクトでは、まったくの知識ゼロの状況から、情報の収集・分析→問題点の発見・解決というプロセスを繰り返し行なうことで最終提案を企業向けにプレゼンするわけですが、この作業が辛いのです。
情報収集においても無料で入手できるリソースは限られてきますし、会社員時代に得ていたような有料(優良)情報が手に入らないので、どの情報を入手するかというスコープを明確にしておかないと非常にぼんやりとした一般的な情報しか集まりません。そんな情報をもとに業種・企業分析をしても有益なコンサルティングサービスの提供は困難でしょう。
プレゼンにはコンサルティング対象企業の他に、地元のベンチャーキャピタリスト、Indiana Universityのインキュベーターが来たりしますので、幅広い視野から見て実行可能であると判断できる解決案をひねり出さなければいけません。企業側がやりたいと思っていることも、ベンチャーキャピタリストやインキュベーターの観点から否定することも時には必要になってきますので、如何にステークホルダーたちを説得させるかということも重要になってきます。
私がKelleyで携わってきたハンズオンプロジェクトは3つあり、概要は以下の通りです。
    末梢神経間距離計測電極、およびそのアルゴリズム解析技術の商業化プロジェクト
    コスメティクスファミリービジネスの拡大戦略考案と必要資金獲得のためのInvestment Pitch
    メディアバーター企業の中国進出戦略考案
上記のうちいくつかは既にこのブログで記載していますので、今回は詳細についての記述は避けますが、どのプロジェクトも情報はほとんど無かったですし、時間も労力もかかり肉体的・精神的にも大変だったことをよく覚えています。
ただし、「喉もと過ぎれば暑さを忘れる」とは正にこの通りで、今となってはこの3つのプロジェクトは良い思い出ですし、会社復帰した後、「ハンズオンの経験が活きてるな」と実感できる日が来るでしょう。S.Mさんもブログで書いているとおり、自分のComfortable zone以外の分野で苦行を課すことで人間は成長できるのだと思います。
冒頭で申し上げたとおり、MBAの意義や目的は人それぞれですので、唯一絶対の正解というものはありません。MBA留学よりも2年間の実務経験で得られる知識や人間関係のほうを重要視する人も大勢いると思いますが、私は2年間の社内での実務経験と引き換えにMBA留学に来たことは正しい選択だったと信じています。

2013年4月4日木曜日

七転び八起き


こんにちは。Class of 2013S.Mです。いよいよ今回が最後の投稿なので寂しさが募ります。今日は、自分のMBA生活での大きな二つの失敗を振り返りつつKelleyをご紹介したいと思います。

1. 30代にして半べそで帰宅
なんかいきなり情けない出来事ですが、これが私のMBAのスタートでした。ご存じの方も多いと思いますが、Kelleyではコアが始まる直前にケースコンペがあります。そこでいきなり英語の壁が私に大きく立ちはだかりました。プレゼン前日に一日議論の時間があるのですが、周りの英語が全く分からず、ほぼ意見を発することができなかったのです。最初のうちはチームメートも気を使って話を振ってくれたのですが、歯切れの悪い私に最後は呆れ顔。私も何か言おうという焦りから逆に委縮してしまい、地獄の無限ループ。結局何も貢献できないまま、半べそで帰宅し、あまりの疲労からそのままベッドに直行しました。

この出来事はかなりの衝撃でしたが、今にして思えば本当によい経験でした。なぜなら最初の段階で自分の立ち位置が把握できた(どん底からのスタート)からです。その後はとにかく英語ができないながらも、どうすればチームに貢献できるのかということを常に考え、がむしゃらに事前準備をしてチームミーティングに臨み、徐々に周囲の信頼を獲得することができました。コアの間は同じメンバでチームを組むので、汚名返上のチャンスがたくさんあったのも良かったと思います。そして、学期末のケースコンペのプレゼン練習時に英語で苦戦する私に対し、チームメートが「We trust you!」と勇気づけてくれた時は国や文化を超えて信頼を獲得することができたという達成感を肌で感じた瞬間でした。

海外MBAの醍醐味の一つは、チーム活動を通じて国籍も文化も異なる人々からどうすれば信頼を獲得できるかということを体験的に学べることだと思います。これまで多くの人が投稿しているように、Kelleyでは選択科目に入ってからも全ての科目でチーム活動を課せられるので、その機会には事欠きません。これは個人の志向にもよりますが、私は多様なチームに対する柔軟性を強化したかったので、出来るだけ色々な人(特にネイティブ)とチームを組むことを心がけていました。ある時ふと自分がどれだけの人とチーム活動をしたか数えたところ、のべ76人で重複を除くと実に64人に上りました。チーム活動に際しては、コアの間に身に着けた自分なりのスタイルで臨み、大体どんなメンバとチームを組んでもそのスタイルが通用することが分かり、これは大きな自信となりました。

2. 大企業の重役の前でのプレゼン大失敗
これも失敗談としては外せません。Kelleyにはアカデミー(日本の大学でいうゼミのようなもの)というものがあり、実企業へのコンサルプロジェクト等を行います。私はサプライチェーンアカデミーに所属しており、超大手物流会社のプロジェクトに携わりました。Kelleyはその会社とのパイプが強く、プレゼンの際にはCOOも駆けつけるほどの熱の入りようでした。それだけ一大イベントなので、プレゼンのリハーサルも念入りに行いました。しかし、最終リハーサルの際に、「こんなんじゃ全くあかん!やり直しや(当時の空気を再現しやすいので関西弁にしています)」と叱責され、前日で大幅修正を余儀なくされてしまいました。そして、突貫工事で修正し、当日を迎えることとなり、私のプレゼンは散々でした。COOを含め50人以上の前でプレゼンをしましたが、私が話している間、多くの人が「???」という顔をしていた光景を今でも鮮明に覚えています。

この失敗の後は、とにかくプレゼン力を鍛えようと思い、弁論クラブに積極的に参加して自分の苦手分野の克服に努めました。何度もプレゼンを重ね、ついには学内のスピーチコンテストにも参加し、幸運ながらも準優勝することもできました。その過程で改めて気が付いたのは、事前準備こそがプレゼンの成否の90%以上を占めるということです。特に英語でのプレゼンの場合、なおさらだと思います。

COOの前で大失敗をしたのは苦い思い出ですが、このようなハンズオンの経験こそが今後の財産となるし、そういう意味でアカデミーの存在は非常に大きかったです。また、自分の課題を克服するための機会(授業・クラブ活動等)、さらには支えてくれる仲間がいるというのも非常に助かりました。Kelleyには助け合いの文化が根付いています。例えば、弁論クラブ内で、私が英語のリスニング力が弱いので、英語でQ&Aをするのは不可能と嘆いていたら、すぐに私のプレゼンの後には必ずQ&Aをしてくれるようになりました。初めのうちはたどたどしい回答しかできませんでしたが、仲間が私の発言に一生懸命耳を傾けて、助言をくれるうちに、随分と自信がついたものです。

今回は、私の失敗談を元にKelleyを紹介してきましたが、それは失敗から学ぶことが非常に大きいと思うからです。私は、海外MBAの根本的な意義は「精神修行」だと公言しており、これは渡米前も今も全く変わりません。留学を通じて自分を成長させたいという思いは皆さん同じでしょうが、「いかに自分を追い込み、コンフォートゾーンから抜け出しチャレンジするか」ということなくしてヒトは成長できません。当然チャレンジには失敗がつきものですが、いくら失敗してもそこから這い上がればいいだけだと思います。その一連の経験はきっと今後の人生の大きな糧となるはずです。

最後に、自分はこの二年間色々なことに想いを持ってチャレンジをしてきました。それゆえ、最高の二年間だったと胸を張って言えます。これもひとえにKelleyのプログラム、周りの友人たちや教授陣、そしてBloomingtonという街のおかげです。もし生まれ変わってもう一度MBAにチャレンジすることがあれば、私は迷わずKelleyを選びますし、それだけ魅力的な学校だと皆さんにもおススメすることができます。私の投稿はこれが最後ですが、皆さんに少しでもKelleyの魅力が伝われば幸いです。帰国後にMBAフェア等で皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。