2021年12月25日土曜日

Integrated Core (後半)

 Class of 2023T.Oです。今回はIntegrated Coreの後半7週間で学習する科目について紹介します。

n Finance

株式や債券の現在価値や将来価値の計算、簡単なポートフォリオ分析などを学びます。基本的な公式から一つずつ教えてくれるため、ファイナンスの基礎を学ぶにはとても良い機会ではないかと思います。

n Marketing

ブランド戦略やターゲティング、価格戦略等について学習します。理論的な学習だけでなく、多くのケーススタディを通じてマーケティングにおける意思決定プロセスを学びます。

n Operations Management

経済的発注量(EOQ)やシックスシグマ等、オペレーションの最適化に求められる考え方や実際の分析手法を学びます。「クラスで基本知識を学習→宿題で理解度チェック→実践的なケースアサインメントで応用力を養成」というステップで学習を進めていく構成となっており、オペレーションの基本を段階的に学ぶことができました。

n Strategic Management

STEEP分析、SWOT分析といったコンサルティングにおける基本的なフレームワークについて学習します。Marketing同様に様々なケーススタディを取り扱うため、知識面の習得に留まらず、ケースを通じてコンサル特有の思考プロセスを理解することができます。

n Business Communication

プレゼンテーション手法をメインにアウトプットスキルについて学びます。私がこれまでの職務経験を通じて理解していたアウトプットとは定義や認識に相違があり戸惑うことが最も多かった授業でしたが、グローバルな環境においていかに正しく伝えるかという点について考える良いきっかけになったように思います。

以上が後半7週間のCoreカリキュラムの紹介になります。Coreカリキュラムでは自身の専門と異なる科目も学ぶため、バックグラウンドに応じて各科目から得られる学びは異なると思います。私の場合、MarketingOperationなどは実務経験だけでは間違いなく触れることのなかった科目だと思います。そのような科目についての基本的な概念や機能について理解することは、自身の専門領域(財務会計)に閉ざすことなく、ビジネスの全体像を捉えるに際して非常に有意義であるように思います。また、専門とする科目についても座学で学ぶことで初めて得られる気づきもあり、全体を通じて非常に学びの多い時間でした。

また、知識面だけに留まらず、チームアサインメントを通じての定性的な課題が浮き彫りになったことも大きな収穫であったように思います。KelleyCoreでは約4か月間に渡って同じチームで様々なアサインメントを進めていくわけですが、メンバー全員が異なるバックグラウンドを持ち、かつ英語でその集団の一員として意思決定に関与するということには当然ながら日本人に囲まれて仕事をしていた時には考えられなかった多くのチャレンジがありました。今まで当たり前のようにできていたことが全くできなくなってしまうことに打ちひしがれる思いもしましたが、それもまた海外MBAで学ぶ醍醐味ではないかと思います。

2022年入学を目指されている方はエッセイの提出やインタビューの準備など、いよいよ大詰めといったところかと思います。出願準備の際に自身のキャリアパスについてどれだけ深く考え抜けるかが、その後のMBAライフを通じての学びの深さにそのまま影響すると思いますので、ぜひ後悔のないよう最後までやりきって頂けたらと思います。何かKelleyについてご質問等ありましたらいつでもご相談ください。それでは皆さん、良いお年を。

 

最終日にクラスのメンバーと記念撮影。とても刺激的で充実した4か月間でした。

2021年11月28日日曜日

Business Marketing Academy 1年次 秋学期を振り返って

 Class of 2023Y.T.です。今回は私の所属するBusiness Marketing AcademyBMA)について、社費生の私が入学からの3か月で経験し、感じた内容の一部をご紹介します。Academyとは日本の大学でいうゼミのような扱いで、1年生は専門性を高めたい分野に応じ以下7つのいずれかに所属する必要があります。

  • Business Marketing Academy (BMA)
  • Consumer Marketing Academy (CMA)
  • Capital Market Academy (CAPM)
  • Strategic Finance Academy (SFA)
  • Consulting Academy
  • Supply Chain and Digital Enterprise AcademySCADE
  • PLUS Life Science Academy

 Academyの基本的な目的は就活支援です。BMAにはB2B企業での主にMarketing職への就職を目指す学生が集まります。本Academyでは毎回さまざまな業界、職種からゲストスピーカーを招き、それらの業界や業務内容についてレクチャーやQ&Aを行うとともに、就職に向けて各学生は各社の方々と関係構築をしていきます。業界はGeneral Electricといった重電系、3MDupontなどの化学系、Eli LillyCook MedicalMedtronicといったヘルスケア系、その他AmazonGoogleSAP CONCURなどのTech/Digital業界から、そして職種としては基本的にはMarketing部署の方が中心で、B2B Marketingの知識を活かしながらProduct ManagerCorporate Strategistをされている方、また自らスタートアップを起こしCEOをされている方などが招待されます。私は社費生であるため就職目的はありませんが、各業界の方々のお話を聞けるメリットを感じ毎回参加しています。Kelleyの就活支援内容については別の機会に譲り、今回はBMAにおける私の経験や感想をお伝えしたいと思います。

               Business Marketing Academy Director: Joshua S. Gildea

 元は私自身、B2B MarketingCorporate Entrepreneurshipを深く学びたいと思ったことが留学背景であり、これら領域に強みを持つKelleyを志望しました。しかし本Academyを通じて卒業生や各業界で経営に携わる方々のお話を聞くにつれ自身のキャリアに対する考え方も変わり、Marketingを主としつつもFinanceやAccountingも深く学びたいと思うようになりました。例えば、とある会社のCEOの方は、会社やビジネスの仕組み、そして自社や他社の実態を正しくかつ腹に落とし込んで理解できるようにすべく、経営に携わる幹部に対しては必ずAccountingに関する深い知識を求めるということでした。私自身、復職後のキャリア(=希望部署)を決められてはいないものの、これら各業界の方々からお話を聞きながらキャリアの選択肢を考えるようになりました。BMAから話は少しそれますが、自らのキャリアについて考えを持ったうえで11月下旬のThanksgivingのお休みを利用して自社のアメリカ支店を訪問し、人事部や財務会計部門の方々と話し合いを行いました。その際に自身の考えをその道の先輩方にお伝えしフィードバックをもらえたのですが、自身の考えのどこが甘く、人事部がどういう考え方に基づき留学生の配置を考えているのかといった理解、視点を得ることができ、復職後の自身のキャリアを考え、留学中のアクションを考えるうえで大変参考になりました。留学中は自身の会社のことはきれいさっぱり忘れたいという社費生もいらっしゃると思いますが(笑)、私自身は定期的に会社関係者とキャリア相談を行い、自身の希望と会社の都合がマッチせず復職後に不満が大いに募るという事態を防げるよう今後も努めたいと感じた次第でした。会社との相談をするしないに関わらず、就活をすることの無い自身が復職後のキャリアについて深く考える1つのきっかけをくれたのはBMAであり(同級生との会話も大きなきっかけでした)、おそらくこの気づきは会社で継続して働くのみでは私の場合、気づけなかったように思います。これもひとつMBA留学、そしてBMAが脈々と培ってきた人間関係によるものと思いました。

 もうひとつ、BMAのメンター制度について触れさせてください。メンター制度とは、本Academyが強い関係を持つ企業の役員層と学生が11の関係構築を行い、文字通り「何でも」相談できる制度のことを言います(BMA限定制度)。メンターとのやり取りにおいては学生がすべてテーマを決めることになり、本人に希望が無ければメンターとやり取りする必要はありません。すべては自分次第ということのようです。メンターの選定にあたっては、メンター候補との交流会や彼女ら/彼らからの職歴のプレゼンを踏まえ学生側が選びます。皆が皆、第一希望のメンターとマッチングできるわけではありませんが、基本的には第3希望までの方と組めるよう配慮されています。本年は13社の役員の方々からの選択だったのですが、私はMedtronicという医療機器メーカーでCorporate Strategyを担当されている方がメンターとなりました(第一希望)。この方は元々DeloitteMedtronicで財務会計関連の職務を担当された後に、SalesMarketing部署を経てCorporate Strategyを担当する部署配属となられ、各分野に幅広い造詣を持ちこちらの相談にも応じてもらえるのではないかと考えたため希望しました(プラス、人柄のフィット感も)。私自身は職種軸での選択でしたが、卒業後の希望業界の知識を深めるべく業界軸でメンターを選ぶ同級生も多くいるようでした。11月上旬にメンターが決まり、今後個別のやり取りが開始される予定です。

 以上、BMAに関する簡単なご紹介でした。BMAに限った話ではありませんが、Academyは必修クラスの異なる同級生とも交流できる貴重な機会でもあります。私の場合もAcademyで知り合った友人を自宅に招き日本食パーティをするなどして交友を深めています。キャリア、人間関係双方においてAcademyは貴重な機会を与えてくれていると感じます。秋学期のAcademyは終了しましたが、1年次の春学期にはいよいよ実際の企業へのコンサルプロジェクトが待ち受けています。本プロジェクトがBMAの一つの目玉となりますので、これらもまた半年後?にご報告できればと思います。

2021年10月27日水曜日

Integrated Core(前半)について

 Class of 2023Y.Y.です。今回はKelley1年目の秋学期の必修科目であるIntegrated Coreについてご紹介します。Integrated CoreFinancial Accounting, Quantitative Methods, Economics, Critical Thinking, Business Communication, Strategic Management, Marketing, Finance, Operation Managementの計9科目を一まとめにしたコースです。各科目のパフォーマンスを基に、Integrated Core全体に一つの成績が付与されるというユニークな仕組みになっています。また、すべての科目の課題をMBA Officeからアサインされた51組のチームで行わなければならない点も特徴です。学生のバッググラウンドが重複しないようにチームが構成されるため、互いの得意・不得意な部分を補いながら、各科目のアサインメントを処理しなければなりません。

Kelleyは前半7週間と後半7週間というミニセメスター制を採用しているため、Integrated Coreも前半と後半に科目が分かれています。今回は、Integrated Coreのうち前半7週間に行われた4科目の概要をご紹介します(正確にはBusiness CommunicationStrategic Managementは前後半にまたがっているのですが、今回は説明を省略します)。


       Integrated Coreのスケジュール(2021年)


    Financial Accounting

財務諸表や財務指標の読み方、基本的な仕訳といった財務会計の基礎学びます。Integrated Coreの科目としては珍しく、グループアサインメントはありません。成績は個人アサインメントと中間・期末試験で決まります。内容は基礎的なものなので、会計のバッググラウンドがある方にはやや退屈かもしれません。しかし、担当講師が生徒を飽きさせないよう随所に工夫を凝らした授業を行ってくれるため、最後まで飽きることなく授業を受けることができました。

Quantitative Methods

記述統計、検定、回帰分析といった統計学の基礎を学びます。ビジネスでの応用に重点を置いていることもあり、理論的・数学的な説明はほとんどありません。とにかく、Excelを使って必要最低限の統計処理ができるようになることを目標にしているようです。授業の流れとしては、課題として出されるビデオを授業前に視聴して各テクニックを大まかに理解した後、授業で実践的なデータの取り扱いを学びます。

Critical Thinking

ビジネスの現場において、どのように誤った推論・意思決定が行われてしまうのか、行動経済学の知見を基にディスカッション形式で学んでいく授業です。毎回、授業の前にリーディングアサインメントが課され、授業はディスカッション形式で進められます。成績は、グループアサインメント×3回と期末試験、そして授業への貢献度(発言)で決まります。とにかくリーディングアサインメントの量が多いうえに、ディスカッションへの参加が(英語力的な意味で)難しいこともあり、個人的には前半戦で最も苦労した授業になりました。

Economics 

15回でミクロ経済学の基礎を学びます。前半は市場理論、後半はゲーム理論の基礎を学ぶのですが、とにかく授業進度が早いうえに、最適化理論といったミクロ経済学を学ぶうえで最低限必要な数学の説明も飛ばして進むため、経済学を学んだ経験がない人にとってはかなり厳しい授業だったと思います。成績は、グループアサインメント5回と中間試験・期末試験で決まります。

以上が、Integrated Coreの前半の概要になります。Integrated Coreは各分野の知識がないことを前提に進められるため、いずれの科目も内容は基礎的なものです。私の場合、Financial Accounting, Quantitative Methods, Economicsについてある程度知識があったことが幸いし、授業内容ではそれほど苦戦せずに済みました。一方で苦労したのがチームマネジメントです。基礎的な内容とはいえ、相当な量のアサインメントが出されるため、効率よく仕事を割り振らない限り、期日どおりに課題を終えることはできません。しかし、チーム内の各人の能力にはどうしてもバラつきがあり、協力して仕事を進めるのは想像以上に難しいことでした。そうした意味で、Integrated Coreはチームでの仕事の進め方を学ぶうえで良い経験になっています。

前半戦の反省も活かしつつ、後半戦も頑張っていきたいと思います。Kelleyに関して質問等ございましたら、是非ともKelley在校生までお問い合わせください。

https://kelley.iu.edu/kjsa/contact/

2021年9月13日月曜日

Me, Inc.

こんにちは。Class of 2023のT.Oです。
 早いものでBloomingtonにやってきてから2か月が経ちました。私にとっては初めてのアメリカ生活であり、日々の新鮮な出来事に目を奪われているうちにあっという間に時間が経っていたという感覚です。貴重な日々を無駄にしてはいけないと気を引き締めると同時に、社会人になってからもこんなにドキドキワクワクな毎日を過ごせることに早速MBA生活の醍醐味を実感しております。
 今回の記事ではKelleyの目玉プログラムの一つであるMe, Inc.について紹介させて頂きたいと思います。
 Me, Inc.では、1週間に渡ってMBAプログラムを乗り切るために必要なエッセンスを学びます。前回の投稿で紹介させて頂いたJump Startでは統計や会計の知識といったハードスキルに重点を置いていましたが、Me, Inc.ではキャリアマネジメントや自己分析といったソフトスキル、インタビューやケース面接対策といったテクニック的な側面について学びます。 最初の2日間はオリエンテーションという位置付けで、これから2年間の苦楽を共にするクラスメートとの顔合わせが主な目的です。3日目からは本格的にプログラムが進み、様々なコンテンツが凝縮されております。
 どのコンテンツも非常に学びの多いものでしたが、特に印象的だったものをいくつか紹介したいと思います。

n Life Story Experience & User’s Manual

3日目の午後に行われる本コンテンツでは、自分自身のこれまでの経歴を1分間にまとめてクラスメートにプレゼンします。内容としては決して複雑なものではありませんが、私にとっては初めての英語でのプレゼンテーションということもあり、とても緊張しました。

しかしこのタイミングで自分の過去と向き合う時間を持てたこと、英語に対する緊張感を緩和できたことは、これから始まるMBA生活を有効なものとするに際して非常に有益なものであったと思います。

 

n AAR Debrief

最終日の午前中に行われる本コンテンツでは、51組のチームで早速グループワーク&プレゼンテーションに取り組みます。テーマはMe, Inc.期間中に与えられますが、特に進め方や構成についての具体的な指定も無く、空き時間に自分たちで自由に議論を行いながらグループワークを進めていきます。

ほんの数日前に出会ったばかり&バックグラウンドも全く異なるチームメートとコミュニケーションを取りながら課題に取り組む難しさはありましたが、本格的に授業が始まる前にグループアサインメントに対する取り組み方を理解するうえでとても貴重な経験だったと思います。

また、Me, Inc.後も同じメンバーでグループアサインメントに取り組むことになるので、このグループワークを通じてお互いのことを深く知ってもらうという意図もあるものと思われます。

n Thank-you Exercise

AAA Debriefも終えた最終日の最後に行われる本コンテンツは、1週間を共にしたクラスメート一人一人に感謝の気持ちを付箋に書いて渡すというワークなのですが、私にとってMe, Inc.期間を通じて最も思い出深いクラスでした。

正直なところMe, Inc.期間中は常に戸惑いの連続でした。お世辞にも英語が上手とは言えない私が、どうやってクラスメートに貢献できるのか、クラスにおける自分の価値はいったい何なのか、常に自問自答の日々でした。私なりにできることを精一杯やり切った自身はありましたが、やはり一体どんなフィードバックが来るのか非常に不安に思っていました。

しかしながら、フィードバックはどれも感謝の気持ちに溢れており、心温かいメッセージばかりでした。受け取った付箋を眺めながら、本当に素敵な学校に入ったなと思いました。

 

以上特に思い出深かったコンテンツについて紹介させて頂きました。KelleyにはMe, Inc.だけでなく、IEPJump StartといったプレMBA的な位置付けのコンテンツも含め、学生がスムーズに新しい環境にキャッチアップできるような仕組みが確立されています。Me, Inc.が終わるころには、Kelleyでの2年間で向き合うべき自身の課題や目標が明確になるだけでなく、多くのクラスメートとも顔なじみになることができます。そのような準備を経た上で本格的にプログラムを迎えることで、効率的かつ積極的にプログラムに取り組むことができるのではないかと思います。

たった1週間ではありますが、上記の通り濃密な期間を過ごす中で改めてKelleyの魅力について実感することができました。クラスメートは皆優秀であることはもちろん、人として尊敬できる人ばかりです。自分も彼らに負けずに2年間のMBAライフを全力でやりきろうと決意を新たにしました。

来年入学を目指している方はエッセイ作成等が本格化してくる頃かと思いますが、体調には気を付けてぜひ頑張ってください。何か相談等ありましたらいつでもご連絡ください。

2021年9月5日日曜日

Jump Startについて

Class of 2023のY.Tです。6月にIEPに参加すべく渡米し、はや3か月が経ちました。こちらでの生活には慣れてきたものの、当初から懸念していた英語でのコミュニケーションやリスニングの能力不足が露わになっています。

8/9-13に参加したJump Startにおいてその英語能力不足は顕在化しました。Jump Startとは本格的なMBAがプログラムが始まる直前にKelleyが提供する事前予習授業です。受講要否はOptionalです。今年のJump Startはマスク着用の中、教室での対面授業となり、各授業、約40人の同級生と受講しました。

大まかな学習内容は以下の通りです。

◆ 科目

・ Quantitative 1:
エクセルの基本操作(一度も触れたことが無いような人が対象)。ワークシートの挿入方法やシート名の変更方法、コピペの仕方、ショートカットキーなど。

・ Quantitative 2:
エクセル「名前の定義」、データテーブル、ピボットテーブル、条件付き書式、COUNTIF、VLOOKUP、INDEX関数など。

・ Quantitative 3:
正規分布、二項分布。

・ Accounting:
簿記。貸借対照表や損益計算書、株主資本等変動計算書の概要や、各取引内容が帳簿上で仕訳され、財務諸表に反映されていく流れ。

・ Economics:
需要/供給曲線の考え方や限界利益/コスト、ゲーム理論。

いずれも100ドル/クラスと有料です(Quant 1のみ35ドル)。もし上記に関する基礎的な知識を英語でも理解できるほどに持ち合わせていれば参加の必要はないように思います。現に各クラス、半分程度の同級生は受講していません。

自分の場合はエクセルの統計への適用や経済のゲーム理論、簿記の仕訳作業などはこれまで触れたことが無かったため参考になりました。また、本格的な授業開始にあたって最低限求められそうなエクセルスキルや財務会計のレベルがおおよそ理解できたことも収穫だったように思います。

一方でこのJump Startの受講により見えたのは、冒頭に記載の通り自らの英語力の低さです。もともとリスニング能力に不安を感じてはいましたが、当初講師の説明はほぼ聞き取れず、授業中に同級生と行うディスカッションにおいても、マスクをしていたこともあってかNativeの人たちの会話は泣きたくなるほど頭に入ってきませんでした。こういったディスカッションは普段私が見聞きしてきた英語ニュースやTOEFL英語とは別次元のものであることを今まさに痛感しています。とはいえ予習有無により授業中の理解度が大きく変わることも分かりましたので、予習なく授業についていけるようになるまでは予習は行って授業参加したいと思います。

また、最初は周囲のコミュニケーション能力の高さにも圧倒されました。休憩時間などには同級生同士が会話で盛り上がる中、当初は自分から隣の同級生に話しかけることができず、焦燥感や孤独を感じることもありました。しかしそのような私でも、授業中のディスカッションで同じグループになった同級生や一緒にランチをともにした人、また諸々のイベントに参加して知り合った人など、すれ違えば挨拶や会話を交わせる友人の数も増え、居心地は1週間で少しずつ良くなっているように思います。1学年160人というスモールスクールであるがゆえに、限られた同級生と同じ授業、オリエンテーション、会合に参加する機会が多く、同級生との距離を縮めやすいというのもスモールスクールのメリットの一つであると実感しました。今後も無理はしすぎずに自分なりのペースで周囲との交流を進めていこうと思います。

なかなか恐怖感ばかりが植え付けられた最初の1週間でしたが、それと同時に同級生に優しそうな人が多いことに安堵し、また今後の数か月で自分がどこまで成長できるのか楽しみになった1週間でもありました。次回のブログ更新時に少しでも成長をお示しできるよう、今後頑張りたいと思います!

2021年8月13日金曜日

Intensive English Program について

Class of 2023のY.Y.と申します。今年は、私を含め3人の学生がKelleyに入学することになりました。今後は我々Class of 2023のメンバーから、受験生の皆様に役立つ情報を定期的に発信していきたいと思います。

さて、今回はインディアナ大学が提供する短期英語学習プログラム、IEPについてお話しします。すでに過去のブログで何度か取り上げられておりますので重複する部分もありますが、最新の情報ということで、あらためて参考にしていただければと思います。

■IEPとは
Intensive English Program (IEP)はインディアナ大学のdepartment of second language studiesが提供する留学生向け英語講座です。プログラムはレベルや目的ごとに分かれており、7レベルに分かれた通常コース、MBA、ロースクール向けの特別コースなどが用意されています。

今回私が参加したMBA Prepは、Jump StartやMe, Incが始まる前の6月下旬から7月下旬にかけて開講されるMBA入学生向けのコースです(今年は6月22日~7月30日開催)。参加者はKelleyに入学予定の生徒が中心ですが、入学に制限があるわけではありません。実際、今年も他の大学のMBAやロースクールに入学予定の方が参加されていました。また、今年のMBA Prep参加者の国籍は、日本3人、メキシコ1人、サウジアラビア1人という構成でした。コロナの影響もあり参加者は少なめでしたが、例年は韓国や中国などアジアからの参加者が多くおり、10名以上が参加するようです。

■MBA Prepの内容
MBA PrepはAcademic SkillsとInterpersonal Communicationの二つのクラスから構成されています。

1. Academic Skills(9:10~11:20)
Academic Skillでは、APAスタイル(社会科学系の英語論文で使われるフォーマット)といったアカデミックライティングの基本的な知識、ディスカッションのコツなどを学びます。成績はディスカッション×3回、エッセイ×3回で決まります。ディスカッション、エッセイのテーマは、アメリカの労働力不足、コロナワクチン接種の是非、SNSにおけるフェイクニュース規制の是非など、政治・経済系の固めのものが多いです。

2. Interpersonal Communication (12:50~15:00)
こちらは、ノンネイティブがいかにわかりやすく英語を伝えるかというスピーキング技術に重点を置いたクラスです。発音、センテンスストレスなどをひたすら矯正されます。また、実践の場としてスライドを使った数回のプレゼンテーションが課されます。

■参加することのメリット
IEPの教師は留学生慣れしていることもあり、海外経験がなくとも授業についていけないということはありません。実際、海外旅行経験すらない私でさえ、それほど困ることはありませんでした。ただ、逆に言えば、本格的なネイティブとの会話を学ぶのは難しく、大きな英語力の伸びは期待できないということでもあります。それでも、IEPに参加する意義は大きいと思います。

1. 発音矯正
MBA受験では、スコアの取得に全力投球することもあり、発音に時間を割ける方は少ないと思います。しかし、実際にアメリカに来てみると、発音が英語でのコミュニケーションを行ううえで大きな壁となることに気づくはずです。その点、IEPの教師は留学生が抱える発音の問題を知り尽くしていますので、どのように修正するべきか、事細かに指導してくれます。もちろん、IEP期間中にすべてを矯正するのは不可能なのですが、MBAが始まる前に自分の英語の癖を理解しておくことは、長期的な英語力の伸びにも影響してくるはずです。

2. ディスカッション・プレゼンテーションの予行演習
MBA prepはその名のとおりMBA入学生向けの授業ですので、ディスカッションやプレゼンテーションの機会が多くあります。どのようにして発言の機会を得るのか、どうすれば効率的に内容を伝えられるのか、プレゼンテーションのスピードはどのくらいが適切かなど、MBAの前に学んでおくと得るところは大きいと思います。

3. 米国生活の早期セットアップ
IEPに参加することで、MBAが本格的始まる前に生活のセットアップが完了できる点は大きなメリットです。MBAが始まるのは8月中旬からですが、Me, IncからIntegrated Coreまでの期間は怒涛のように過ぎていきます。そのような多忙ななかで、生活のセットアップを同時にこなすのはかなりのストレスです。その点、IEPに参加していればMBA期間中は生活のセットアップに気を取られることなく、勉強に集中できるはずです。

以上、IEPの概要、MBA Prepの内容、参加することのメリットについて説明させていただきました。もちろん、授業料や滞在費用もそれなりにかかりますので、参加するか否かの判断はなかなか難しいところです。実際、class of 2023の3名のうち、IEPに参加したのは2名でした。とはいえ、特にKelleyに進学される日本人の方にとって、IEPは最適な準備プログラムだと思います。ぜひ、Kelleyを選んでいただけた暁には(そして、Kelley以外の方にも)、IEPへの参加をお勧めします。

Kelleyに関して質問等ございましたら、お気軽にこちらまでお問い合わせください。