2018年12月30日日曜日

アメリカのMBAでしか学べないこととは?

Class of 2019のK.I.です。

MBA1年目が終わった時に振り返りの投稿を出来なかったので、1セメスターを残すのみとなった私の留学生活を振り返りたいと思います。受験生の皆様は年末年始もアプリケーションに大忙しだと思いますが、学校選びや今後のMBA生活の何かに参考になれば幸いです。

アメリカのMBAでしか学べないこと

MBA受験時から考え続けることになるテーマとして、「MBAでしか学べないことって何だろう?」ということがあります。受験期間中も含めて約3年間、貴重な時間をMBAのために捧げることにどれだけの価値があるのでしょうか。

2年目の秋学期は、このことをまた考えることがありました。留学生活も残りわずかとなり、今勉強している知識を派遣元企業でどのように活かせるのだろう?ということを考えたことをきっかけにして、「果たして自分は、業務で学ぶ実務的な知識よりも価値のあることをMBAに来て身に付けることが出来ているのだろうか?」ということに思いを巡らせました。

結論から言うと答えは出ませんでした。自分がこの2年間で学んだことや経験をどう活かすかは自分次第ですし、結局はMBAに来てよかったと思える理由を考えて自分を納得させることになるのだと思います。

ただ、MBA2年目にして、自分の成長を実感することはできています。 これは確実に、MBAに来てよかったと思える理由の一つになると思います。以下に具体的に書いていきます。

授業で学ぶスキルセット

まず授業では、MBAに来る前には知らなかったことをたくさん学びました。1年目のコア科目でアカウンティング、統計、クリティカルシンキング、ミクロ経済、ファイナンス、オペレーション、マーケティング、ストラテジーを履修し、選択科目ではファイナンスを専攻としつつ、マーケティングの副専攻もしています。

企業の将来の財務諸表を予想して企業バリュエーションのモデルを作ったり、回帰分析を使って需要の予想や価格弾力性の分析をしたりするなんてことは、MBAに来る前には全くできなかったことです。

ただ、この勉強は日本のMBAでも出来ます。わざわざアメリカに来て勉強することの意味は何なのでしょうか?

私は、「アメリカに来て、よくまとめられた教授の授業を受け、言語の壁に葛藤し、チームメイトと議論しながら勉強した」という経験が、勉強した知識を記憶に残らさせ、定着させることに役立つのではないかと思っています。 確かにMBAで勉強する知識自体は日本の本にも書いてありますが、アメリカで、英語で、苦悩しながら勉強したという情緒的な一面は無視できないと思います。

英語とリーダーシップ

次に英語については、あくまで自己評価ですがかなり上達したと思います。語彙やリスニング力が向上したのも少しはあると思いますが、何より「英語で自分の意見・質問を大勢の前で口にすることへの ハードルが低くなった」ということが私にとってのブレークスルーだったと認識しています。

想像してみてほしいのですが、クラス中に手を挙げると、半円状になっている教室では、クラス内の全員の目がこちらを向き、みんなが私の発言に耳を傾けます。クラス中に発言すること、グループワークで自分の意見を英語で述べ、チームに納得させること、というのは、とても勇気のいることです。そしてこれはチームリーダーシップにつながってきます。私は一番初めのコア期間中、発言する勇気が出ず、リーダーシップを発揮できずに歯がゆい経験をしたことが何度もあります。

Kelleyではコア期間の終わりに、コアを一緒に過ごしたチームメイトからフィードバックのコメントをもらえます。私の思っていた通り、チームメイトからは「もっと意見が聞きたかった」「ミーティングで反対意見があるのなら、もっと強く発言すべきだった」などのフィードバックをもらいました。こうしたコメントを踏まえて、自分の中でコア期間中の自分の行動を反省し、選択科目のチームでは積極的に発言し、ディスカッションをリードしていくことに努めてきました。

具体的には、ミーティングのセッティングを進んで行う、 ミーティング前の準備をしっかりすることでミーティング冒頭から議論をリードする、反対意見を明確に述べる、チームメイトの意見に耳を傾ける、などです。どれも当たり前のように聞こえるのですが、言語が変わり、チームメイトが全くバックグラウンドの違う者に変わった途端に難しくなるのです。

努力の甲斐もあってか、現在は、選択科目でチームを組む際、一緒にチームを組もうと誘われたり、一緒に勉強しないかと誘われることが多くなりました。これまで選択科目で多くのチームを組んできましたが、チームワーク面での努力を評価され、信頼を得られてきた証拠だと自分なりに解釈しています。

また、クラス中も迷いなく手を挙げて発言・質問できるようになりました。秋学期に履修した授業では、質問内容を教授に褒めていただき、周りに座っていたクラスメートから「Good Job!」とほめてもらうことが出来ました。これまで英語で発言する自信の壁と闘ってきた努力が報われたような気がして、とても嬉しかったことを憶えています。

こうしたリーダーシップや自信は、外国でマイノリティとなり、英語も上手に話せないという逆境のなかで、苦悩しながら努力した結果得られたものだと思っています。

MBAに来て良かったか

このように、MBAに来たことで、日本にいたとしたら得られなかったような知識・経験・自信・リーダーシップを身に付けることが出来ていると思います。ただ、前述のとおりそれがどれだけ価値をもつのかはわかりません。日本に戻って派遣元企業でまた働き始めた際には、MBAで学んだことを活かすか殺すかは自分次第でありながら、大きな組織の中で自分が起こすことのできる変化の小ささに葛藤し、模索していくのだと思います。その時に、Kelleyで勉強・経験したことが将来必ず助けてくれると私は信じています。


もうまとめに入ってしまっていますが、Kelleyでの留学生活はまだ残り1学期ありますので、会社に戻った後のキャリアで活かせるかもしれない何かをできるだけ吸収して帰りたいと思います!

2018年12月11日火曜日

Kelley卒業生の就職データ

Class of 2019のK.I.です。

マーケティングに強い学校として知られているKelleyですが、Poets & Quantsに最近投稿された記事を見てみると、卒業後、P&Gに代表される消費財メーカーでの職に就く者は全体の15%程度であるとされていて、想像するほど多くはありません。


MBAの機会を利用してアメリカでの転職を考えている方や、米国企業とのコネクションを作りたいと考えている方もいらっしゃると思いますので、今回は2017年のKelley卒業生の就職データについて紹介させていただきます。


まず卒業後の就職先の産業ですが、コンサルティングがトップで25%、次がテクノロジーで24%となっています。年俸の中央値はコンサルティングが一番高くなっています。マーケティングでイメージされがちなB2Cの消費財は前述の通り15%です。

次に職務です(米国企業では、職務に応じて求人を行うことが多いです)。職務については、マーケティング職が一番多く34%、その次がコンサルティング職で32%となっています。やはりマーケティングに強い学校とあってマーケティング職が多いですが、先の表のデータを踏まえると消費財に限らず製造業やテック業界等、他の産業でマーケティング職に就く者も多くいることがわかります。

勤務地については、インディアナ州の学校とあって中西部が圧倒的に多く46%です。その次が西海岸で25%となっておりこれはテック企業への就職者が多いことが理由として挙げられるのではないでしょうか。Kelleyのプログラムの特徴であるAcademyでは、企業訪問を行う機会があるのですが、その対象も中西部の企業が中心となっていました。

最後に全卒業生の平均年俸の過去4年間の統計です。米国の景況が全体として良かったことも影響していると思いますがベース年俸、ボーナスともに順調に上昇しています。日本円に換算すれば年俸+ボーナスで約1500万円。Class of 2017の卒業時の平均年齢は約30歳ですから、30歳でこの年収を得られるとは素晴らしいですね。米国でMBAの学位が高く評価されていることの顕れだと思いますが、一方で米国企業と日本企業との実力の差を見せつけられているような気がします。日本企業、ガンバレ!!

就職先企業の一覧はKelleyのHPで閲覧できますが、以下の企業がTop MBA Hiring Companiesとして例示されています(Topの定義は不明。採用人数でしょうか)。

https://kelley.iu.edu/recruiters-companies/graduate/employment-statistics/recruiting-companies/index.cshtml

  • 3M
  • Abbott Laboratories
  • ConAgra Frozen Foods
  • Cummins, Inc.
  • Deloitte Consulting
  • Dow Chemical
  • Ecolab
  • EY
  • General Motors/OnStar
  • IU Health
  • Johnson & Johnson
  • Nestle
  • Procter & Gamble
  • Target

以上のデータで、Kelley卒業生の就職先や企業との接点について全体的な傾向をつかむことが出来るかと思います。全体な傾向として、例えば東海岸の金融サービスなどの業界に進むものは多くはありません。そういった企業に就職したい・コネクションを作りたいという方は、NYなどの学校に進まれた方が機会は多いと思われます。(KelleyにはCapital Market Academyもありますので、全くないわけではありません)一方で、中西部の製造業・小売業・消費財や、シカゴをベースとするコンサルティング、西海岸のテック企業などは就職者も多く、学校にリクルーティングに来る企業も多いです。そういった業界に興味のある方は、進学先にKelleyも一考されてみてください。

*すべてのデータはKelleyのGraduate Career ServicesのHPから抜粋しました。

2018年11月25日日曜日

KelleyのFinance授業について

こんにちは、Class of 2019のY.Mです。

Kelleyでは、必ず一つMajorを下記科目から選択する必要があります。

Business Analytics
Entrepreneurship and Corporate Innovation
Finance
Management
Marketing
Strategic Analysis of Accounting
Supply Chain and Operations

そして、私はFinanceを専攻しています。恥ずかしながら、私はMBAに来るまでは、Financeの知識は皆無でした。ただ、派遣元でも事業買収・売却や資金調達方法が大きなトピックスとなり、そもそもどうやって適正な事業の買収価格を決めてるの?どの資金調達が最適かどうやって判断してるの?という興味をもっていた為、FinanceをMajorすることにしました。

そこで今回は、私が今まで受講したKelleyのファイナンス系授業の紹介をさせて頂きたいと思います。ただ、授業の中身ばかり書いても何なんで、個性豊かなFinanceの教授陣の紹介も混ぜながら書かせて頂きます。


授業紹介


1) Integrated Core: Finance (Matt Billett教授)
Kelleyに入学すると誰もが受けなければいけないIntegrated Core。勿論、FinanceもCoreの授業の一つに組み込まれています。Time Value of Moneyに始まり、Cost of Capital, DCFやOption Pricing等、ビジネスパーソンとして身に着けていなければいけないFinanceの基礎知識を7週間という限られた時間で習得します。Billett教授は、50を越えているとは思ない程のイケメン教授。PhDから本格的にFinanceを勉強し始め、苦労したとのこと。その為か、初学者が躓きやすいポイントを良く把握している。

2) F540: The Firm in Capital Market(Sreenivas Kamma教授)
WACC Aproachに始まり、APV Approach, EVA, ROIC....、コーポレート・ファイナンスの道に進むのに必須なValuationの手法をケースも交えつつゴリゴリ計算しながら学ぶ授業。Kamma教授は、インド出身で訛りがきつい。でも、次第に慣れていきます。又、教授作成のテキストが非常によくまとまっている。マーケティングやサプライチェーンなどファイナンス以外の道に進む方が受講しても価値ある授業!

3) F520: Asset Valuation and Strategy (Andrew Ellul教授)
主に効率的市場仮説、ポートフォリオ管理(Sharpe Measure, Treynor Measure等)を学んだ後に、Option Pricing(Binomial, Black Scholes)を学ぶ。イタリア出身のおしゃれなEllul教授は、大のユベントスファン。彼の授業はコールド・コールの嵐。学生への期待値も高く、答えられないと「こんな問題もわからないのか!」と怒られる。しかし、非常に熱心な教授で、遅い時間帯からでもOffice Hourを開ていてくれ、質問に丁寧に答えてくれる。学生からの評価も高い教授。

4) F546: Corporate Financial Strategy (Merih Sevilir教授)
Corporate FinanceでどのようにInvestment, Financing, Payout の判断を下すのかについて学ぶ。トルコ出身のSeilir教授は、INSEADでPhDを取得。Morgan Stanley, Deutsche Bankでの勤務経験も持つ。妹(姉?)はAmazon勤務とのこと。その最強DNA、私にも分けて下さい。笑

5) F548: Corporate Governance and Restructuring(Merih Sevilir教授)
M&Aに特化した授業。Valuation、買収からの防御策、そしてPEやActivistの役割・最近の動向について学ぶ。定量的な側面は勿論、M&Aの定性的な議論も授業では取り扱われる為、非常に面白い。F546と同じくSevilir教授が担当。時折、授業内容に関連する教授の研究内容を授業で教えてくれるのだが、その時の教授のニヤニヤ顔が半端ない。

6) F507: Short Term Financial Management (D.J.Masson教授)
他のFinance授業は、コーポレートレベルの高い視点であるのに対し、F507はTreasuryとして日々の業務レベルで知っておくべき内容(Working Capitalの管理、CCCをどう短縮するか?Floatをどう短縮するか?等)を扱う。Masson教授は、非常に優しいおじいちゃん先生。授業後に復習の為に授業動画も提供される為、英語を聞き逃していまうInternationalの学生にはありがたい。

7) F508: Real Option(Richard Schockley教授)
DCFでとらえていないものは何?それは戦略のFlexibility! Option Pricingの理論を応用して、Flexibilityを加味して事業への投資判断を下すことを可能にするReal Optionの授業。Schockley教授は、Kelleyの有名教授の一人。蝶ネクタイ姿がいつもきまっている。授業スライドも教授が書いた教科書も非常に分かりやすく、面白い!現在履修中であり、最終プロジェクトをStrategic Finance Academy(ファイナンス系アカデミー)のエースのアメリカ人と同期のK.Iさん、Y.Iの日米トリオで取り組み中! (日本人はそもそも二人しかいませんが。笑)


まとめ


Kelleyは、Financeのイメージがあまり無い学校かと思いますが、MS in Financeというファイナンスに特化した新しいプログラムが始まったり、Academy(Strategic Finance Academy, Capital Markets Academy)も2つ用意されていたりと、ファイナンスを深める機会が沢山あります。又、Finance Clubも運営されています。
上記の授業は一部であり、他にも多くのファイナンスの授業が開講されています。受験生の方々も、国際性・個性豊かな教授陣の下、Kelleyでファイナンスを学ぶことも是非ご検討下さい!!



2018年10月21日日曜日

GLOBASE China

Class of 2019K.I.です。大変遅ればせながらではありますが、今回は今年の春学期に履修したGLOBASEの経験についてシェアさせてください。
GLOBASE(グローベース)は、発展途上国の企業・団体を対象に、MBAの学生によるコンサルティングを行うプログラムです。Kelleyが提供するハンズオンプログラムには各種ありますが、GLOBASEは特に他国の比較的規模の小さいクライアントを対象に、課題解決のお手伝いをするというものです。詳しくはKelleyのホームページを御覧ください。

GLOBASE China




GLOBASEの中でもChinaは今年から初めて開設されたプログラムで、私達のクラスが第1期生となりました。私の所属するStrategic Finance AcademyDirectorであるJoeDirectorを務めています。私はこれまで中国を旅行含め訪れたことはありませんでしたが、中国の中でも、雲南省という比較的発展途上の地域で事業を営む企業・団体を対象にしており、今後世界ナンバーワンの経済大国になっていくであろう中国の成長のスピードを体感したく選択しました。


プロジェクト概要

私のチームは、コンサルティング対象企業として、雲南省大理市で営業するホテルチェーン、「ヒルトン大理支店」を選択しました。クライアントのカウンターパートはホテルのマーケティングチームで12月から2月にかけて電話会議を通じてコミュニケーションを取り始め、要望や課題を聞き取っていきました。
私のチームはKelley MBAの生徒4名、そしてSPEA(公共政策大学院)の生徒1名で構成されていました。SPEAの学生は中国の出身で、クライアントとのやりとりでも中心的な役割を果たしてもらいました。カウンターパートのマーケティングマネジャーが不在の場合、英語を話せる担当の方がおらず、テレビ会議やミーティングでは彼女におんぶにだっこでした。
プロジェクトの課題として与えられたのは、「中国のオンライン旅行サイト「Ctrip」(TripadvisorExpedia等の類似ウェブサイト)における顧客レビューを5つ星に近づけるにはどうすればよいか」について提案を行うというものでした。シンプルな課題のようでいて、何にフォーカスすべきかを判断するのが難しい課題でした。ホテルのサービスを向上・維持すると同時に、宿泊客にいかにアプローチして5つ星のレビューを書いてもらうかが鍵であると捉えました。
まず私のチームでは、現在のレビューにおいて1つ星や2つ星のレビューを書いた顧客がどのような要因で批判的なレビューを書いたのかについて、顧客から提供された顧客管理システムのデータをもとに分析していきました。データに目を通す中で分かってきたのは、ホテルでの滞在には満足しているにもかかわらず、なんの理由も無く星3つまたは4つのレビューを残す顧客がとても多いことでした。これらの洞察を踏まえ、初動時点での我々の提案の方向性としては、「サービスを向上して悪いレビューを少なくし、満足度の高い顧客にアプローチして5つ星レビューを増やす」というものになっていきました。

コミュニケーションの障壁

我々が直面したこのプロジェクトにおける障壁は、顧客とのコミュニケーションでした。12月にプロジェクトのキックオフを行った際、2月の中国訪問にかけて毎週ビデオ会議をすることをクライアントと確認したのですが、1月中旬から業務多忙を理由に全く連絡が取れない状態となってしまいました。結果、クライアントから情報や意見を得ることが難しくなったため、自分たちで様々な仮説を立て、提案を練らなくてはならなくなりました。
チーム内で検討した結果、クライアントへの提案については最も宿泊客からの苦情が多いサービスの向上をまずは提案し、残りの提案については現地で考えることになりました。チームだけで仮説を考え提案を練るという作業はあまり効果的な策を考案できるようなものではなく、クライアントからのフィードバックなしには提案が現実とかけ離れたものになりかねないからです。現地に行くまでに、複数の教授や中国人同級生、ホテル業界出身の同級生にアドバイスを求めることで少しでも現実的な提案を持っていけるように努めました。

現地での体験

3月、実際に中国に赴き、1週間現地を訪問しました。現地にて約2ヶ月ぶりにクライアントとのディスカッションを行ったところ、これまで取り組んできた課題とは別に、新たに「従業員のモチベーション向上」そして「宿泊客からの苦情への対応の最適化」という2つの課題を与えられることになりました。現地滞在は1週間であり、時間の制約がある中、新たな課題を分析し解決策を考案するのはかなり取り組み甲斐のあるものでした。しかし、現地で顧客からの要求が増えたことで、チーム内に顧客に対して苛立ちを隠さない者も出てくるなど、チームワーク面でも課題が出てくることになってしまいました。
限りある時間のなかで作る我々の提案が上辺をなぞっただけのものとならないよう、同行したJoeにフィードバックを求め、提案の実現に至るまでの具体的なステップや費用概算を示すことで、クライアントが実際に行動に移せるような提案を作ることを心がけました。例えば「従業員のモチベーション向上」については、「従業員は個人としての表彰よりもチームとしての表彰を与えられた方がパフォーマンスが向上する」という学術調査の結果を示しながら、ホテル内でチームへの表彰制度を用意してはどうかという提案を行い、提案実行に至るまでの具体的なステップを練りました。
クライアントも業務多忙な中、滞在中は毎日1時間のミーティングに付き合ってくれ、我々の意見に対し建設的なフィードバックをもらうことができました。(これを2ヶ月前から電話会議でできていれば・・・!という気持ちがなかったとは言えません)
最終日、我々の提案をホテルの支店長にプレゼンした結果、想像以上に高い評価を得ることが出来ました。支店長からは、来週の幹部ミーティングで早速実行に移すかどうかの意思決定をするとの言葉をいただくことができ、これまでの努力が報われたという達成感を得ることができました。


GLOBASEでの学び

チームへの貢献

私は昨年のコアで、当初はチームでのディスカッションにうまく入っていけなかったり、意見はあるのにうまく英語で表現できないなど、とても歯がゆい経験をしました。GLOBASEはコアの直後に始まったこともあり、コアでの反省を踏まえて積極的にディスカッションに参加し、事前準備をしっかりして意見を表現するように努めました。一方、やはりディスカッションが加熱してくると飛び込んでいくのが難しくなり、アメリカ人の学生にゴリ押しされて結論を導かれてしまうこともありました。
そんな中、チームメンバーの一人(アメリカ人)が、私や中国人のメンバーが議論に入って行けず半ば傍観したような様子でいるときは声をかけてくれ、「君の意見を聞かせてくれ」と投げかけてくれたことが非常に助かりました。彼はとても朗らかでオープンな性格の持ち主で、私の雑談にもとても興味を持って接してくれるような人物でした。彼のこうした行動は彼自身の性格によって自然発生したものなのかもしれません。しかし、彼のこうした行動は、自分の意見をどうにかして言おうということに夢中であった私自身の姿勢に気づかせてくれ、「果たして彼のように他のチームメンバーの言うことに耳を傾け、意見を吸い上げようとする努力をこれまでしてきただろうか?」という疑問を自分に投げかけるきっかけになりました。

日本でグループワークをする際には当たり前にできていたであろうことが、異なる言語、異なる文化になった途端に難しくなるものだなあと実感し、また周りを見ることができていなかった自分を反省しました。チームでの経験というのは、チームメンバーに大いに左右されるものですが、彼のようにどんなチームにいても自分らしさを忘れず、かつメンバーへの配慮も忘れない姿勢というのはチームにとって大きな資産であると学びました。

 中国のスピード感


クライアントと接する中で、中国のスピード感を感じる場面が多々ありました。前述のとおり、我々の提案について即座に支店長が幹部会議にかけることを判断している姿には驚きましが、さらに驚いたことがありました。最終プレゼン後に幹部の皆さんと一緒にランチを摂りながら歓談している際、我々のチームメイトがインターンシップ先を探していることがわかるとすぐに人事の責任者を電話で呼びつけ、その場で面接が始まってしまいました。さっきまでカニを頬張っていたチームメンバーが真面目な顔をして面接に応じているその切替えの速さにも驚きましたが、すごいスピードで物事が進んでいくことに半ばついていけませんでした。 
支店長はとてもパッションに溢れた女性の方なのですが、過去5年ですでに3回ヘッドハンティングで中国含めアジアのホテルを移り歩きキャリアアップされているとのことで、今も毎週のようにヘッドハンティングの電話がかかってくるそうです。高級ホテル業界が中国で成長していることの証なのでしょうが、私にとってはその成長ポテンシャルやスピードが目まぐるしく、かつ羨ましく感じられました。 

 おわりに

GLOBASEは、海外のクライアントを相手に、情報やコミュニケーションに不確実性がある中でチームワークを行うという、Kelleyのハンズオン・プログラムの中でも目玉の授業だと思います。将来異国のクライアントを相手にビジネスをしたいという方はもちろん、チームメンバーとしての自分を成長させたいという方にも学びの多い機会です。Kelleyをご志望の方にとっても、Why Kelley?のひとつになりうるものでは無いかなと思います。

ご興味のある方はこのブログの過去のポストも参考にされてください。(検索バーからGLOBASEで検索してみてください。)


負荷の高い授業でしたが、学びも多く、チームメンバーとも楽しい時間を過ごすことができました。


以上、長いポストになってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

2018年10月1日月曜日

1年目に感じた課題と2年目への展望

こんにちは、Class of 2019のY.Mです。長い夏休みが終わり、MBA2年目が始まりました。と思ったら、もうFall Semester の1st 7 weekのFinal Examを来週に控えています。(KelleyではSemesterが更に7週ずつで2つに分けられています。)
2年目に向けて(もう始まっていますが、、)、かなり個人的な内容ですが、1年目に感じた課題と2年目への展望を今回は書かせて頂きます!

・やはり感じる英語の壁!! - 1年目 Fall Semester

MBAを始めて、まず初めに感じたのは英語の壁(恐らく、ほとんどの方がそうだと思いますが)。ただでさえ、なかなか聞き取りにくい英語。更に、Kelleyの30~40%程度は、International(大半がインド人)なので、訛りが加わって、何を言っているのか良く分からない。。特に、Coreの初めの頃にチームメートとのインド人と電話で話した時は、絶望でした。全く何を言ってくるのか分からないので、メールで用件を送ってくれと伝えました。笑
ただ、時間を経つと訛りにも少しずつ慣れてきます。英語力が上がるわけではないと思うのですが、自分の低い英語力で生き抜く術を学んでいきます。どうすれば、自分の知っている語彙で簡単に相手に伝えられるか?やどういう事前準備をすれば、グループワークで言いたいことを伝えられるか?など。
ただ、英語力は恐らくずっとついてくる壁なのかなとも感じています。先日もグループワークで私+中国人とアメリカ人2名で意見が割れた際に、結局アメリカ人に上手く言いくるめられてしまいました。私よりも100倍英語が出来る中国人が、「母国語じゃないから上手く細かい機微を伝えられない」と嘆いていました。あなたでそんなことを言うのなら、私はどうしたらいいのでしょうか。残りの1年間、卒業後も英語はコツコツ頑張りたいと思います。

・Team Contributionって何? -1年目 Spring Semester

Integrated Coreが終わると、Electiveの授業、 Academy Project(企業向けのプロジェクト)、GLOBASE(新興国の企業やNGO向けのコンサル)などでグループワークの機会がどんどん増えていきます。それぞれのプロジェクトで違うメンバーとチームを組むのですが、「ん?自分はこのチームに本当に貢献出来ているの?」と感じることが多々ありました。
個人的な考えですが、教育制度の為か、会社の人材育成の方針の為か、日本人は何でもある程度は出来ると思います。(私は、決して出来る人間では無いのですが、)パワポやエクセルといった基本的なパソコン操作もある程度出来ますし、一般的な会計や数学や経営知識などもあるのではないかと思います。なので、私もチームに欠けている力を見つけて、自分がチームに出来ることを探すことにより、何とかチームの中で自分の居場所を見つけていました。Academy Projectでは、全員が不得意だったのでパワポを担当したり、Globaseではファイナンス知識を持っている人がいなかったので簡易なFinancial Modelを作ったりとそれぞれのチームに合わせて何か貢献出来そうな点を見つけていました。
ただ、圧倒的なパソコンの知識を持って、コードを組んでデータを分析したり、Financeの知識を駆使して、Clientの企業も驚くようなFinancial Modelを作ったりしているチームメイトを見て「ん?自分には何か尖った強みが欲しい!」「穴埋めじゃなくて、強みを活かして、チームに貢献出来る様になりたい!」と思うようになりました。
そこで、社費派遣の特権?である夏休みを活かして、US-CPAの勉強を始めました。同級生にはCPAも多くいるので、あまり尖った強みでは無いのですが、Kelleyで学ぶことにプラスした知識を持つことによって、グループワークでももう少し貢献出来る様になるのではないかなと感じています。ただ、夏休みに予定していた計画通り進まなかったので、焦りを感じています。笑

1年目に感じたことを忘れずにMBA 2年目も有意義に過ごしたいと思います!ただ、いまは来週のFinalを乗り越えることが、最大の壁です!

朝9時頃の校舎前。朝晩は寒くなりました。


2018年8月27日月曜日

Bloomingtonの夏

こんにちは。Class of 2019でこの秋から2年生になりましたK.I.です。
Kelley日本人在校生は、今年は1年生が2名Kelleyに入学され、今後1年間は1年生2名・2年生2名の4名体制でこのブログを更新してまいります😀

5月初旬から始まった3ヶ月以上に渡る夏休みもとうとう最終日となってしまいました。とはいえ、明日から始まる授業の宿題もすでに課されており、 すでに学校が始まったような気分です😓(教授からアサインメントのメールが来たときは、夏休み気分が吹き飛んでしまい相当萎えました。)

MBA受験生の皆様におかれましてはスコアメイクや出願準備の真っ只中であると思いますが 、我々Kelleyの在校生でなにかお手伝いできることがございましたらいつでもご連絡ください。Kelley在校生への連絡先はこちらです。https://kelley.iu.edu/kjsa/contact/

さて、今回の記事ではBloomingtonで過ごした私の夏について紹介いたします。過去の記事を拝見しますと、日本人在校生の方々はアメリカ中を横断旅行したり、ヨーロッパの大学への夏季留学と併せた欧州旅行など、大移動を伴うご旅行をされた方が多くいらっしゃるようですが、私は休暇中ほとんどの時間をここBloomingtonで過ごしました。私のように社費派遣でインターンシップをすることの無い学生としては、この長〜い休みを(数えてみたら115日間ありました)どう過ごすかということも、MBA留学の楽しみであると思います。

他の学生たちがインターンシップや帰省で街を離れていく中、圧倒的に人口の減った(Bloomingtonは,人口約8万のうち4万人以上が学生です!)街でどのような夏を過ごしたのか、一例としてレポートさせてください。

資格勉強

まず1番に時間を割いたのは資格勉強です。私はChartered Financial Analyst (CFA) Level 1の試験を突破すべく、この夏から勉強をはじめました。私はファイナンスバックグラウンドでも何でもないのですが、Kelleyに来てファイナンスを勉強していくうちに面白いと感じることが出来、Majorもファイナンスにすることに決めました。

私の出身業界である電力業界では、自由化以降、卸電力市場の利用が活発になっていて、電力のデリバティブ取引に関して審議会で議論が取りまとめられているという背景もあり、自分の興味分野と今後業務で活かせそうな知識を満足するのがCFAではないかなあという結論にいたり、金融市場について理解を深めることにしました。日本の資格にチャレンジするという選択肢も考えましたが、アメリカにいる間でなければCFAになど挑戦しないだろうと思い決意しました😅

夏休み期間中だけですべての内容をカバーすることは出来なかったのですが、12月の試験に向け、学校の勉強の合間を見て勉強を継続していきたいと思います。

Bloomingtonのおいしいもの巡り

Bloomingtonは、インディアナ州の南側、アメリカ中西部のど真ん中あたりに位置する小さな街ですが、「な〜んにも無い田舎町」。。。というわけではありません😅 ニューヨークのような大都会ではありませんので、世界中のグルメを楽しめるお店はさすがにありません(特に、日本食・・・)が、美味しいお店は結構あります。

私は小さい子どもがいて普段あまり外食しないのですが、学生が減ってお店が空いているこの夏季休暇中は、これまで訪れていなかったお店に行くことができました。いくつか紹介させてください。

Runcible Spoon

ワッフルやパンケーキを出す店です。早朝から夜遅くまで開店していて、ブランチなどで賑わう人気店です。学生の胃袋に合わせてか、ボリューム感もなかなかのお店でした。スタッフも優しく、雰囲気のいい店です。

Runcible Spoonのエッグベネディクト

Crescent Donut

とても柔らかくて美味しいドーナッツの店です。10年以上前、日本で○リスピークリーム・ドーナツを初めて食べたときの衝撃をゆうに超える美味しさでした。。。代表的メニューのGlazedは噛んだ途端に溶けてしまうような軽くて柔らかいドーナッツです。これならたくさん食べて太ってしまっても仕方がないという美味さでした。
Crescent Donutは1つ1ドル以下という価格と、その飾り気の無い店構えも魅力です。

The Butcher's Smokehouse

The Butcher's Blockという肉屋が経営する、サンドイッチやスペアリブを出す店です。肉屋ならではの肉肉しい肉をシンプルなバンズに挟んだサンドイッチを食べることが出来ます。サンドイッチの「私は高カロリーです」という自己紹介が聞こえてきそうな肉汁(脂)がいい具合でした。
The Butcher's Smokehouseのサンドイッチ。この肉感、野菜を挟んだら失礼にあたりそう。

Bloomington Community Farmer's Market

4月〜11月の毎週土曜日の朝に開かれているファーマーズ・マーケットです。Bloomington近郊の農家や市内のレストランなどが出店していて、毎週賑わいを見せています。ここでは農家が腕をかけて育てた野菜やおいしいパン、ケーキ、ジャム、ハチミツなどが販売されていて、普段いくスーパーでは手に入らないような新鮮なものが調達できます。


なかでも夏のトウモロコシは人気で、行列ができることもあります。下の写真は朝早く行ったので人っ子一人並んでいませんでしたが😂、前回は10分並んで買いました。信じてください。


アメリカ旅行

最後に、私もずっとBloomingtonにいたわけではなく、西海岸や中西部の旅行にもでかけました。家族とのいい思い出を作ることが出来ましたし、Bloomingtonとは全く違う景色に「アメリカって広いな〜」と実感することができたいい旅でした。カリフォルニアでうまい日本食も食べることが出来、大満足の夏休みとなりました。
Orange CountyのLaguna Beach
San DiegoのLa Jolla Cove。アシカがウヨウヨいました!

2018年5月15日火曜日

Analytics系の学びについて

Class of 2018のY.Y.です。春学期後半、最後のハーフセメスターでは、アナリティクス関係の授業を2つ履修しました。これらはいずれも”Experimental Course”(実験的に開講する、新しい授業)で、最先端のトレンドを取り入れた意欲的な授業です。Experimental Courseは過去の評判が参照できないため、授業の良し悪しが事前にわからないのですが、これまでいくつか受講した感想としては、そもそも教授自身が高いモチベーションを持って新しいことに取り組んでいるため、総じて良い授業が多いと感じました。

今回受けた2つの授業も、一部準備不足に感じる部分等はあったものの、やはり教授のモチベーションが非常に高く、また受講する学生側も特にテーマに強く興味を持っている学生が多かったこともあり、極めて満足度の高い授業となりました。

いずれもかなりSpecificなテーマで、マニアックな授業でしたが、アナリティクスに興味がある方には参考になるかもしれないので、以下に報告させて頂きます。アナリティクスにそれほど興味がない方はおそらくあまり面白くないと思いますので、読み飛ばしていただければ幸いです。(一つ目の方はファイナンスに興味がある方の参考にはなるかもしれません。)

2018年5月9日水曜日

Academyの活動:Strategic Finance Academyの場合②

こんにちは、Class of 2019K.I.です。

今回はKelley特有のプログラムであるAcademyの活動についてレポートします。私はStrategic Finance AcademySFA)という、Corporate FinanceAcademyに所属しております。前回、1年生の秋学期に行われるAcademyの活動について紹介いたしました(https://kelley-mba-japan.blogspot.com/2017/11/academystrategic-finance-academy.htmlが、春学期の内容についてもお伝えしたいと思います。



   企業バリュエーションのケースコンペ

1月〜2月にかけて、SFACapital Market Academyの2アカデミーの混成チームによるケースコンペが行われました。題材はバリュエーションで、Amazon社がTarget社を買収すると仮定した場合の企業価値の算定を行い、Amazon社の株主に対してBuy/Hold/Sellの提案を行うというものでした。

1月の終わり頃に題材が発表され、2月末のコンペまで約1ヶ月の準備期間が用意されましたが、通常の授業と並行しながらの作業となったため苦労しました。この時期は授業の最終試験、GLOBASEのプロジェクトなど色々なことが盛り上がりを見せており、結構な時間の制約がありました。

実際のバリュエーションの作業としては、まず2017年にAmazon社が行ったWhole Foods Marketの買収はOver/Underpricedだったかの評価を行い、Grocery Retailとして同業であるTargetのバリュエーションにおけるベンチマークとしました。また、Target社を買収した際のRevenue & Costにおけるシナジー効果を算出してバリュエーションに反映しました。最終的なPrice Rangeには、チームでDCFモデルで算出した値と、過去の同様の取引などマーケットの情報を利用しました。

こうした作業はKelley入学前にはまっっっったく出来ませんでしたし、する機会もありませんでしたが、授業で学んだ内容やSFAで秋学期に行った外部講師のレクチャーの内容が役に立ちました。(
このセメスターだけでDCFモデルを何度作ったかわからないくらい演習しました・・・。)

プレゼンテーションについても、数字をスライドに落とし込むだけでなく、自分たちがDCFモデルに組み込んだ仮説を説明しながら、ストーリーとして合理性のあるものにするというのは学びの多い経験でした。


  財務モデリングのトレーニング

2日間に渡って行われたこのトレーニングでは、外部講師を招いてExcelで財務モデリングを学びました。DCFモデルのトレーニングだったのですが、ただ単にモデルを組むというだけではなく、Excelの機能をフル活用して、効率的に時間を短縮してモデルを組むことにフォーカスが置かれていました。

冒頭に講師が「このトレーニングの後はExcelでマウスを使うことはなくなるだろう」的なことを言っていましたが、それは現実となりました。

Altキーでこんなに色んなことが出来るなんて!!であったり、Ctrl+1でセルのフォーマットのダイアログが出る!!であったり、驚きと喜びでクラス内にも「Wow」が飛び交っていました。今までマウスでポインタを動かしたり右クリックを押してやってきたことがキーボードで出来るようになり、Excelに費やす時間を短縮できそうです。個人的には、「Excelに費やす時間は最小限にして、そこから得られる洞察を上司や顧客にどう伝えるかに時間を掛けよ」という講師の言葉が印象的でした。

Excelテクニックを手に入れることが出来た私でしたが、このトレーニングを経た後、とあるグループでミーティング中にExcelを操作したところ、「おい、お前どうやってExcel Ninjaになったんだ」とチームメンバーから言われ、新たな称号をも得ることができました。
 

  コンサルティング・プロジェクト

2月の終わりから4月終わりにかけては、企業を対象にしたコンサルティングプロジェクトが行われました。いくつかある候補のなかから自分たちでチームを組み、私は地元Bloomingtonに事務所のあるNPO団体をクライアントとすることが出来ました。

プロジェクトの内容としては、NPOのリーダーシップチームの一人であるCPAの方をメインのカウンターパートとして、

1.     内部統制(特に会計のレポーティング体系)のリスク・アセスメント
2.     成長を志向するこの組織に今後CFOが必要となるかどうかの評価と、もし必要な場合のベスト・プラクティスの定義


2つをタスクとして与えられました。

前半の3週間はこの団体の財務諸表や会計監査報告書を読み込み、CPAに内容確認のインタビューを行ったり、会計担当の事務職のメンバーにもインタビューを行ったりして、改善が必要と考えられる点を洗い出していきました。これまでKelleyでの授業では、上場企業の財務諸表しか見ることがなかったので、未上場の、しかもNPOの財務諸表を読むのは興味深かったです。

後半では、まずこの団体が将来CFOを雇用するとなった場合に求められるCFOの役割について定義するところからはじめました。そのために、団体の他のリーダーシップメンバー達にインタビューをするとともに、Board Memberを務めているKelleyの教授にもインタビューを行い、この団体が今後長期的に目指すべき方向性と現状の戦略的な能力のギャップについて評価しました。次に、同様のサイズの予算を持つNPO団体についてリサーチし、どの程度の規模の団体であれば、CFOの役割が必要になるのか?その背景は?ということについて机上リサーチを行いました。CFOは必要?不要?という視点は新鮮で、小さい組織のクライアントだからこそできるプロジェクトではなかったかと思います。
 
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以上が春学期のSFAの活動でした。私はKelleyでファイナンスを専攻していますが、授業で学んだ内容をこうしたアカデミーのプロジェクトで実践出来るのはKelleyのプログラムの特徴と言えます。また、今まで組んだことのないメンバーで多様なプロジェクトに臨むのも新鮮で面白かったです。
 
他のAcademyの活動にも興味のある方はAcademy関連の過去ブログ記事を是非御覧ください。https://kelley-mba-japan.blogspot.com/search/label/Academy
 


2018年5月5日土曜日

Kelleyのコーチングについて


こんにちは、Class of 2019Y.Mです。
先日、KelleyVisitされた合格者の方に、Small Schoolの魅力は?と質問を頂きました。今まで、あまりSmall Schoolとしてのメリットを考えたことは無かったのですが、思い浮かんだのが、Kelleyでは学生に合わせた指導を受けられることです。その一つとして、今回はKelleyでのCoachingを紹介させて頂きます。

KelleyでのCoaching
Kelley では入学するとGCS Coach(就職活動のサポート)や2年生のMentorが必ずついて、Coaching を受ける機会が沢山あります。私は、入学以来、CPCCというコーチングの資格を持ったDirector of Student ServicesGaleから毎月コーチングを受けています。
(大変失礼なのですが、、)入学当初は、コーチングって何?そんなものを受けて何の役に立つの?と思っていたのですが、やはりプロと話すと自分の考えを整理し、次の行動に移すのに役立ちます。又、進捗を報告する人がいるとやらざるを得ないので、怠けがちな私にはありがたいです(笑)。簡単に、一例としてこの春学期のコーチングの内容を紹介させて頂きます。

・春学期のCoaching内容
Core最後に3ヶ月間、一緒にチームを組んだメンバーからPeer Evaluationを受けます。その中で、インド人のメンバーから、 ”Don't be afraid to ask for help when you need it - sometimes it’s possible to get overwhelmed with a chunk of the work, and there's no shame in getting assistance from the team”というFeedbackを受けました。彼のFeedbackはかなり的確で、思い当たる節が多くありました。入学前の業務でも自分のキャパを越えているにも関わらずに、上手く周りを巻き込んだり、仕事を振り分けられずに、パンクしてしまい、深残や休日出勤をして乗り切るか、周りに迷惑をかけてしまうことが多かったからです。
春学期の課題として、少しでも自分のスタイルを変えたいと思い、Galeとのコーチングでどう改善していくか相談しました。コーチングでは、なぜ自分で抱え込んでしまうのかを一つずつ一緒に考えていきます。ただ、基本的には考えるステップを助けてもらうのみで、答えを貰えるわけではありません。その中で、自分でどうすれば改善できるかというステップも考え、実行に移していきます。
自分で抱え込んでしまうのはなぜか?一人でやった方がミスコミュニケーションで後戻り作業が発生するのが嫌だから。では、なぜミスコミュニケーションが発生するのか?指示や説明が具体的でないから思いつくことを深掘りしていき、最後にいつまでに、何をやるのか計画を立てます。
これをやるべき!と強制される訳ではなく、自分で考えたことなので、モチベーションも上がりますし、やる気がでるかと思います。私の場合は、春学期に参加するGlobase GuatemalaProject Managerを担当することを次のステップに据えました。

・まとめ
Final Examを終え、あっという間にKelleyでの1年目が過ぎました。時が過ぎるのは、本当に早いです。コーチングも含めてKelleyにあるリソースを上手く使って、残りのMBA生活も有意義にしたいと思います!

Coachingの様子