2022年6月7日火曜日

Business Marketing Academyプロジェクト振り返り

Class of 2023Y.T.です。前回Y.Y.さんが書かれたStrategic Finance Academyの投稿に続き、私も1年次の春学期に行ったBusiness Marketing Academy(以下、BMA)での企業へのコンサルティングプロジェクトについて振り返りたいと思います。


1. プロジェクト概要

私はアパレル企業のプロジェクトに参加し、使用済製品のリサイクル状況に関する市場調査を行いました。顧客要望に応えるために必要、かつ可能な手段を考え、具体的にはWebリサーチや市場レポートを通じた化学合成品のリサイクル状況(米国内外)の調査を行い、また当該アパレル企業のB2B顧客へESGやリサイクル製品に対し抱く印象を電話でヒアリングし、結果を考察、次のアクション提案につなげるというものです。私以外のメンバーはアメリカ人2名、中国人1名、インド人1名であり、私はアカデミーの担当教官からチームリーダーとなるよう命じられました。


2. プロジェクトスケジュール

1月下旬:担当教官による各プロジェクト紹介、ならびに担当教官へ参加を希望するプロジェクト通知

EcolabEli LillyIntuitといった有名企業からスタートアップまで含めた計9つの会社が選択肢としてあり、企業のプロジェクトごとに新製品開発、マーケットリサーチ、競合分析といったテーマがあります)

2月下旬:顧客とのキックオフミーティング

3月中旬:リサーチ開始(以降、1回/週で顧客へ進捗を報告)

4月末:顧客(役員層)へのプレゼンテーション


3. 困難だった点

(1)チーム内の意識統一

チームリーダーといえど特に権限がない中で、またメンバー間でこのプロジェクトに注力できる時間や懸ける思いが異なる中で、さらには未だに語学力に難がある中でチームを采配するのは難しいものがありました。メンバーの中には就活のため思うようにプロジェクトに参加できない者、また顧客のプロジェクト焦点を狭めていく中で当初の想定と異なるテーマとなった結果モチベーションの低下した者もおり、各自の意識には当初ばらつきがありました。

(2)責任の明確化

阿吽の呼吸は通用しないため、何事にも責任や期限の明確化が必要でした。もともと人への作業依頼が苦手な私としては常に気が重い内容でした。

(3)グローバルスタンダードの見極め

他メンバーとの価値観や業務アプローチの違いが、ビジネス習慣または業務経験値のいずれの違いから来ているのか見極めが必要でした。自分が孤立すると周りの考えがグローバルスタンダードであるかのように思いがちですが、担当教官への相談の結果、周りがビジネス習慣を把握していないだけであると判明したこともあり、正しい判断を行うために広く周囲に相談した方がよい場合があることを痛感しました。


 4. チーム運営で意識した点

上記の難しさを受けていくつかの点を意識しましたが、特に意識の統一、良い雰囲気の醸成という点について特に意識しました。過去、Kelleyに来る前に勤務していた職場の上司から価格交渉における秘訣として、「よほどのことが無い限り、相手の希望を尊重すべき」という教えを受けたことがありました。この教えは交渉のみならず多くの場面で成り立つものと思っており、今回のプロジェクトにおいても筋が通っていると感じた際は基本的に相手の意見を採用することを心掛けました。その他、私はディスカッションで深く貢献できない分、打合せの事前準備(論点の明確化など)やチーム課題の遂行を積極的にこなし、少しでも多くの貢献点を示せるよう努めました。加えて、各チームメンバーとはプロジェクト外でもコミュニケーションを心がけ、可能な限り個々人の置かれた立場の理解に努めるとともに、感謝や労いの言葉は積極的に伝えました。


5. 結果、振り返り

このような心がけの甲斐があってか、positiveかつinclusiveなチームの雰囲気を醸成できたのではと自分では感じています。チームのアウトプットも改善した結果、顧客からも高評価を受け、かつプロジェクト後に行われるメンバーからの評価でもよい結果を受けることができました。当初は語学力の点から私にリーダーを辞めるよう薦めるメンバーもおり、私自身もリーダーを引き受けたことを後悔したこともありましたが、結果としてよい雰囲気でこのプロジェクトを終えられたことは純粋にうれしいです。

これまで私は営業というバックグランドを持つ手前、会計やファイナンスといった明確な強みを持たないことにコンプレックスを感じ、正直今でもその思いはぬぐい切れずにいます。しかし日本にいる際、営業として技術部署等の社内外の多くの関係者と接する機会に恵まれ、それらを通じて習得した人との接し方や業務への姿勢などは、日本のみならず海外においても通じ、ここが私の数少ない強みのひとつなのかもしれないという自信を少しながら得られたように思います。

単にMBAの教科書的知識を得ることは日本でもできますが、チーム課題を通じて様々なバックグランドのメンバーから成るチームを動かしていくことの練習は海外MBAならではのように思います。日本にいた際、なぜわざわざ留学するの?という質問に明確に答えられなかった自分がいましたが、今なら以前より自信をもって回答できる気がしています。残り1年もハード、ソフト双方のスキルを成長させられるよう頑張りたいと思います。