Kelley Japanのホームページが新しくなりました。
今後ともKelley MBA Japanese Student Association をよろしくお願いします。
新HP URL: https://sites.google.com/view/kelleymbajapan
Kelley Japanのホームページが新しくなりました。
今後ともKelley MBA Japanese Student Association をよろしくお願いします。
新HP URL: https://sites.google.com/view/kelleymbajapanClass of 2023のT.O.です。今回はアメリカでのフルタイムの就職活動についてお話しできればと思います。私は幸いにも現地採用のお話を頂き、留学開始当初より希望していたアメリカでの就職を実現することができました。2年間の留学生活を通じて現地就職で重要だと思った観点について書き残しておくことで、将来私費MBA留学からアメリカでの就職を希望している方の参考となれば幸いです。
1. ネットワーキング
アメリカでの就職活動において、ネットワーキングは極めて重要です。これはポジションへの応募時に現役社員からのリファラルを受けているかどうかでその後の書類選考や面接の通過率が大きく変わるという現実があるからです。実際にほとんどの企業のポジションに応募する際にリファラルの有無を確認する項目があり、私自身の経験からもそこで社員の方の名前を記載したケースでは書類選考の通過率は高かったように思います。
この手の話題でよくある勘違いとしてネットワーキングとソーシャルイベントを混同しているケースがあるように思います。MBAではもちろん同級生との飲み会やスポーツイベントも盛んですが、これは単なる遊びの一環であり、ここで申し上げるネットワーキングとは全くの別物になります。ネットワーキングとはあくまで仕事を見つけるためのコネクション作りのことであり、みんなで盛り上がる時間とは異なります。卒業後に自ら起業するのであれば同級生とのつながりが将来の仕事に役に立つことはあるかと思いますが、企業勤めをする場合には横のつながりが将来のキャリアアップにつながるケースも稀なように思いますので、就職活動やキャリアアップという視点のみを考える場合には、この辺を混同せずに時間を有意義に使っていく必要があるように思います。
ではどのようにリファラルを受けるかというとやはりその会社で働いているアルムナイに直接コンタクトを取ることが最も効率の良い方法になります。大学が主催するネットワーキングイベントに参加してつながりを作るという方法が最も一般的だと思いますが、昨今はLinkedInで簡単にアルムナイと繋がれますので、寧ろ自身で積極的にアプローチしていく方が効率は良いかもしれません。アルムナイにコンタクトをとった後は30分程度のチャットの時間を設け、面接時に必要な情報の収集及びリファラルの依頼を行います。希望ポジションで働いている方と一発で繋がれれば良いですが、そうでない場合はその人を経由して当該ポジションで働いている社員を再度紹介してもらうというアプローチも必要となってきます。
社員の方もいくら同じMBAの後輩といってもあまりにも常識を欠いているような人とは一緒に働きたくないと思いますし、確実にリファラルを受けるためには30分という短い時間のなかでしっかりと自分の魅力をアピールすることが大切になってきます。しかしながらアメリカ特有のコミュニケーションに慣れていない留学生はここで躓くケースが多いように思います。純ジャパである私も最初はどのように会話を進めて良いかわからず、今振り返ると内容よりも所作振る舞いで多くの失点をしていたように思います。KelleyではAcademyやキャリアコーチとの個別セッションを通じて自然なコミュニケーションスタイルの学びの時間を設けてくれており、私もこのような機会を通じて徐々に違和感なく30分のチャットをやりきることができるようになってきたように思います。私のように特段の海外経験がない日本人がアメリカのネットワーキングでうまく立ち回ろうとした場合、同様にそれなりの訓練が必要になると思いますので、最初は恥をかくことを承知の上で積極的にネットワーキングイベントに顔を出し、たくさん失敗しながらフィードバックをもらい少しづつアメリカ流のスマートな会話術を身に着けていくことをお勧めします。
2. 求人情報(Job Description)とスキルセットの整合性
日本の中途採用と異なり、アメリカでは求人ごとに業務内容やそのポジションで求められるスキルがJob
Descriptionという形で明記されています。端的に言えばその要求事項をどれだけクリアできるかでそのポジションからオファーをもらえる可能性がだいたい分かります(ビザ等の問題もあるので全ての項目をクリアしたとしても厳しい競争であることは依然変わりませんが)。そのような環境にある以上、MBAを経てアメリカで仕事を見つけようとした場合、何らかの領域で尖った能力を証明する必要があります。海外MBAを目指す方の中にはこれまでの職歴とは全く異なる領域にチャレンジするために留学を志す方もいらっしゃるかもしれませんが、私の印象としてMBA前の職歴は転職市場において極めて重要なように思います。実際に私が受けた面接時の質問の多くは前職に関することであり、書類選考通過の理由もポジションが求めるスキルセットを前職での経験を通じて身に着けていると期待されていることが大きかったように思います。そのためアメリカで就職しようと思った場合、Pre-MBAとPost-MBAの間に何らかの一貫性が重要であり、どうしても新しい仕事に挑戦したい場合はタイトルや年収の大幅な上昇は期待しない方が良いかもしれません。
よくある意見として、MBAの2年間でしっかり勉強すれば特定の分野での専門性が獲得できるので大きなキャリアスイッチが見込めるというものがあるように思いますが、個人的にはこの見解には少しズレがあるように思います。私が思うにMBAでの勉強自体が専門性を高めるのではなく、MBAを経ることでより学びの多い仕事に就く可能性が高まり、そのような仕事を卒業後に数年間経験することで実務レベルの高い専門性が得られるのだと思います。そもそも実務レベルの専門性とは仕事で活かせる知識やスキルのことであり、座学以上に現場での実践経験を通じた学びの方がはるかに価値があると思います。ではなぜ態々現場から離脱してまでMBAに行くのかというと、MBAが提供するリソース(卒業生のネットワーク等)を活用することで今より理想的な仕事に転職できる可能性が高まるからなのだと思います。私もKelleyの学生だと名乗るだけでアメリカの超大手企業のSenior Managementクラスの人とたくさん接点を持つことができました。そのような機会を最大限活用し、今より多くのことが学べるレベルの高い(自分のキャリアプランに近い)職場に転職しそこで数年間の職務経験を得ることで、初めて高い専門性を獲得できるのだと思います。言い換えるとMBA自体はそのような成長の場を得るためのチャネルとしての機能を果たしており、MBAでの勉強は一般的なビジネス概論を理解する手助けくらいの位置付けであり、あまり就活時のアピールポイントにはならないと思います。こういった点からも、現地就職を希望される場合には、Pre-MBAのキャリアと近しい業界や職種を選ばれる方が採用の可能性は高まるように思います。
3. 計画性&一貫性
上記のような点を踏まえると、意外とMBA留学期間中にあれこれと悩んでいる時間は無いのではないかと思います。MBAは本当にバラエティ豊かな成長の機会を与えてくれるので、自身の選択次第でいかようにも可能性を大きくすることができると思います。逆に言えばその豊富な選択肢をどのように取捨選択するのかは自身の判断に委ねられており、その唯一の判断根拠が自身のキャリアプランなのだと思います。前職との関係性や自身のゴールとのつながりを無視して手当たり次第にいろいろなことに時間を割いていると、採用の立場からはあまり競争力のある人材には映らないように思います。ただでさえ外国人ということで言語的な弊害やビザの問題で余計なコストを背負っていること、多くの日本人留学生が30代という即戦力としてのパフォーマンスが期待される年齢であることを鑑みると、やはりネイティブと比べて何かに秀でている必要があるのだろうと思います。
そのような点を踏まえ、現地就職を希望する留学生の方は周りの学生以上に計画的なキャリアプランをもってMBA留学の2年間を過ごす必要があるように思います。もちろんMBA受験は大変で留学期間中のプランは二の次になってしまうことは仕方ないとは思いますが、DAY1から最高のスタートダッシュを切るためにもできればMBAプログラムが開始する前にこれまでのキャリアの棚卸しやPost-MBAで希望するポジションに求められるスキルセットは何かくらいは整理しておいた方が良いと思います。その上で、MBA期間中のアクションプランを極力具体的に計画したうえで留学生活を開始できると良いのかなと思います。
とても良く練られたアクションプランであったとしても、計画の途中でプランが変更になることは公私を問わずよくあることだと思います。MBAにおいても優秀な学生との出会いやリクルーティングイベントを通じて、これまで知らなかったキャリアの可能性に気付くこともあるかと思います。こういった計画外の出来事との出会いも留学期間の醍醐味だとは思いますが、純ジャパで絶対現地就職という考えを持っているのであれば、あまり大幅な計画修正はしないことをお勧めします。
レイオフが絶えない昨今の雇用情勢にも関わらず、Kelleyのクラスメートのほとんどは大手企業からの内定を勝ち取っています。しかしながら唯一苦戦しているセグメントは「アメリカでの経験(学歴、職歴)を持たない東アジア人」です。我々日本人を含む東アジアの人々は良くも悪くもアメリカと全く異なる文化の中で育っており、就職活動という点では残念ながらそれが悪い意味で際立っているように思います。ネットワーキングだけを見てもやはり我々のコミュニケーションスタイルは米国で一般的とされているものと大きく違うため、採用側からするとスキルセットが同等のネイティブがいれば違和感なくコミュニケーションがとれる彼らを優先するということはある程度仕方のないことのようにも思います(ビザも不要なので単純に彼らの方がコスパが良いという側面もあると思います)。
そのようなハンデキャップを最初から背負っていることを考えると、私のような米国での勉強も仕事の経験も無い超純ジャパが現地で仕事を見つけることはものすごくハードルの高いチャレンジなのだと思います。であるからこそ、自身のキャリアプランを信じてブレることなく2年間を走りきる一貫性がとても重要になる気がします。残念ながら卒業を目前に控えた現時点でも数名のクラスメートは未だに仕事が見つかっておらず、そのほとんどがアメリカでの学業や仕事の経験を持たない東アジア人です。そのような状況で私が幸いにも仕事を見つけることができたのは、ある程度計画性のあるキャリアプランを持ってそれを軸にブレない2年間を過ごしたからではないかと思っています。否定的(客観的?)に自身の留学期間を振り返ると、あまり人の言うことを聞かず好き勝手に過ごしていたように思います(ElectiveはFinanceとAccountingしか受けなかったですし、よくわからないイベントの誘いは一切無視していました)が、現地就職という大きな目標を達成するためにはある程度の割り切りや妥協、強かさのようなものが求められるのではとも同時に思います。
以上私の拙い経験に基づいてMBA留学→現地採用のために必要と思えるポイントについてお話させて頂きました。若干表現がネガティブすぎるようにも感じるのですが、総じていうと現地就職を目指して過ごした2年間はとても楽しかったです。この歳にもなってこれだけ無邪気に個人的な夢を追い続けられることがとても贅沢なことだと思いますし、改めて留学してよかったなと思います。今回は考え方や心構え的な側面からお話ししましたが、他にもビザを始め手続き的にもとても煩雑で外国人として働くことはとても面倒だなと思います。そのようなコストを鑑みても、もしも海外でチャレンジしたいと考えている方がいるのであれば上記のような点を踏まえてとりあえずやってみるというのも一計ではと思います。私の経験が少しでも皆さんの役に立てば幸いです。
Class of 2023のY.Y.です。今回は、近年人気が高まっているビジネスアナリティクス専攻についてお話をさせていただきたいと思います。ビジネスでのデータ活用が進む一方で、データ分析のスキルを身に着けた人材はまだまだ少なく、希少な存在といえます。そうした事情から、Kelleyでも経験者・未経験者を問わず、多くの学生がビジネスアナリティクス系の授業を履修しています。
■ ビジネスアナリティクス専攻とは
当ブログでも何度かご説明しているとおり、Kelleyにはマーケティング、ファイナンス、マネジメント、アントレプレナーシップ、アカウンティング、サプライチェーンといった専攻領域が設定されており、学生は少なくともどれか一つを選択する必要があります。各領域には必修科目、および選択科目の必要単位数が定められており、それらを満たすことで卒業時にメジャーとして認められる仕組みです。同時に、各領域にはマイナー(副専攻)として認められるための条件も定められているのですが、マイナーの取得は卒業要件には含まれていません。通常はメジャー1つ、マイナー1つという形で卒業することが多いです。
ビジネスアナリティクスはそうした専攻領域の一つになります。簡単にいえば、データ分析に必要となる基本的な統計学・計量経済学の知識とPython,
R, SQLといったデータ分析に必須のプログラミング言語を学ぶ領域だと思っていただければよいかと思います。あくまでもMBAの授業であるため、統計にせよプログラミングにせよ、技術面で深入りすることはありません。その代わりに、マーケティングやファイナンスといった各々が卒業後に進む分野で、いかにデータ分析を活用するかに焦点が当てられています。
こうした事情を反映して、ビジネスアナリティクスは、ほかの専攻と組み合わせて学ぶことを前提とした単位構成になっており、やや異色の領域といえます。具体的には、ビジネスアナリティクス専攻には、①マーケティングトラック、②ファイナンストラック、③サプライチェーンマネジメントトラック、という三つのトラックがあり、いずれか一つを選択します。それぞれのトラックで定められている科目は各々の専攻と重複しており、ビジネスアナリティクスの手法だけではなく、それを活用する領域についても深く学ぶことが前提とされているといえます。こうした特殊な単位構成であることから、ビジネスアナリティクスを専攻する人は、ほかの領域とともにダブルメジャーを選択する人が多いです。
■ 代表的な授業
以下ではビジネスアナリティクス専攻の代表的な授業について、簡単にご紹介いたします。
Intro to Spreadsheet Modeling
エクセルを使ったデータ分析を習得する授業で、最終的には簡単なモンテカルロシミュレーションを手早く組めることを目指します。内容は基礎的ですが、実際のビジネスの現場ではまだまだエクセルだけで分析を済ませてしまうパターンも多いので、幅広い方に役立つ授業だと思います。
Predictive Analytics/Data Mining
ビジネスデータを使った予測モデルの構築に焦点を当てた授業で、簡単な機械学習までカバーします。どちらかといえば、技術面よりも予測モデルを構築するための概念を理解することに重点が置かれています。
Predictive Analytics for Business Strategy I
いわゆる因果推定に焦点を当てた授業で、上記のPredictive
Analysis/Data Miningと対をなしています。因果推定を行ううえで直面する内生性の問題を理解することに重点が置かれていますが、操作変数法、RDD、差の差分析、固定効果モデルといったアプローチとその問題点についても簡単ながら触れられます。分析にはStataが使用されます。
Enterprise Data Management
前半でデータベース管理の考え方とSQLについて、後半ではRとそのパッケージであるtidyverseを用いたデータ分析/ビジュアライゼーションについて学びます。Predictive Analyticsとは異なり、技術的な側面に重きを置いた授業です。
Business Analytics Programming
Pythonの授業です。前半ではPythonプログラミングの基礎、後半ではNumPy,
Pandasを用いた簡単なデータ分析を行います。必修ではないのですが、データ解析に興味があり、かつプログラミングの経験がない/少ないという方にはおすすめの授業です。
以上、ビジネスアナリティクス系の授業について、代表的なものをいくつかご紹介させていただきました。Kelleyでは、ほかにもCloud-based AnalysisというAzure, Power Query, Power BIの授業やAI技術を学ぶ授業なども用意されています。冒頭でも申し上げたとおり、いずれもビジネスでの活用を前提としているので、内容は基礎的なものにとどまります。そのため、そこからどうスキルを高めていくかは、結局は自分次第です。ただ、ファイナンス、マーケティングという自分のコアとなる領域を確立させながら、ビジネスアナリティクス系の授業では統計やプログラミングを学習するきっかけをつくるというアプローチは、理にかなっていると考えます。例えば私の場合、職場や大学で使うのはもっぱらStataとRだったのですが、ビジネスアナリティクスの授業がきっかけでPythonも学習するようになりました。いずれにせよ、統計学やプログラミングの習得には膨大な時間がかかるので、まずは授業を履修して、最初のハードルを下げることが重要なように感じます。
Kelleyに関して質問等ございましたら、お気軽に在校生までお問い合わせください。
https://kelley.iu.edu/kjsa/contact/
Class of 2023のY.Yです。今回はKelleyのExtra Programの一つである、ワシントンキャンパスプログラムについてご紹介したいと思います。
ワシントンキャンパスはビジネススクールや公共政策大学院の学生などを対象に、政治とビジネスとのかかわりについての理解を促進するために1978年に設立された非営利団体です。本拠は議会議事堂にほど近い、ワシントンDCの中心にあります。Kelleyの学生が参加できるMBA向けのプログラムは年に数回、5日間の日程で開催されています。Kelleyの学生であれば参加費は不要(ただし、交通・宿泊は自費です)で、正式なコースとして単位も付与されます。私は、10月17日~21日の回に参加しました。
1.プログラムの概要
プログラムの主な目的は、「米国の企業がどのような目的・アプローチでロビー活動を行い、法案・規制に影響を与えているか」を学ぶことにあります。そのために、さまざまな業界のロビー活動担当者、元連邦政府機関の高官、メディア記者などから、政府・規制当局などとのかかわりあいの実態について講義を受けることになります。なお、ワシントンプログラムにはインディアナだけでなく、エモリー、UNC、UCLA、などさまざまなビジネススクールの学生が参加するので、お互いを知る良い機会にもなると思います。
5日間の講義終了後は、レポート2本の提出とチームプレゼンテーションが求められます。チームプレゼンテーションの課題は、特定の企業とその直面する課題を選択したうえで、それらを解決するためにいかに政府、議員、規制当局にアプローチするかを考えるというものでした。私のチームはあるフィンテック企業を題材に、FRB、FDIC、OCCといった機関に対してどのように適切な(互いの利益となるような)業界規制を求めるかを考えました。もともと、米国特有の複雑な金融規制がビジネスとのかかわりあいのなかでどのように決まっているかに関心があったので、このチーム課題は私にとってよい勉強の機会になりました。
2.雑 感
端的にいって、米国における企業のロビー活動の規模の大きさに驚かされました。私が参加した回では金融、情報通信、食品、電子機器製造業など、さまざまな業界の有名企業からゲストスピーカーを招き、講義が行われたのですが、すべての企業がロビー活動のための専門の部署をもっていました。こうした企業は、議事堂の近くにオフィスを構え、定期的に議員やそのスタッフ、あるいは規制当局などに働きかけを行っているようです。さらには、こうしたロビー活動を支援するためのコンサルティング企業も数多く存在しています。
ロビー活動の中身はその企業や業界がおかれている状況によって異なります。しかし、①まずはデータなど使いながら、業界の置かれている現状について関係者の理解を促す、②そのうえで、新たな法案・規制(あるいは規制緩和)を提示し、それらが業界に利するだけでなく、社会全体の厚生を促進するものであることを示す、という点は、どのロビイングでも共通する戦略のようです。特に、あるゲストスピーカーが言っていた「法案、規制の作成を担当する議員、政府スタッフがその対象である業界の専門家であるとは限らない。だからこそ、まずはその業界について理解を促すことが重要である。」という言葉は印象的でした。ロビー活動というと、企業や団体が私的な利益のために政治を誘導するといったネガティブな印象があり、またそうした側面を完全に否定することはできません。しかし、規制する側が業界について誤った認識をもっていれば、それもまた社会にとって不利益になることも事実です。今回のプログラムをつうじて、企業の積極的なロビー活動には、一定の社会的な役割があるのだと考えるようになりました。
3.最後に
以前、官庁に出向していたこともあり、もともと政治には関心があったのですが、ワシントンプログラムは日本とは大きく異なる米国企業のロビー活動の実態を知る良い機会になりました。なお、日本ではビジネスと政治のかかわりあいについて意識的に学ぶ機会は少ないと思うのですが、実際は日本でもビジネスと政治は切っても切れない関係にあります。ワシントンキャンパスはそうしたビジネスと政治との関係を意識的に考え直す良い機会になると思います。留学の際には、ぜひ参加をおすすめします。
Kelleyに関して質問等ございましたら、お気軽に在校生までお問い合わせください。
https://kelley.iu.edu/kjsa/contact/
Class of 2023のY.Tです。今回は7月にY.Y.さんが書かれたKelleyのファイナンス専攻必修科目に続き、マーケティング専攻の必修科目について触れたいと思います。Kelleyの専攻に関するお話についてはY.Y.さんのブログもご参考にしてみてください。https://kelley-mba-japan.blogspot.com/2022/07/kelleymajor.html
■マーケティング専攻必修科目(3単位)
Market Based
Analysis
Marketing
Strategy
■選択科目(9単位)
Pricing ManagementやBrand Asset Management、Digital Marketing等のマーケティング系科目から9単位以上(基本6科目以上)
■その他選択科目(3単位)
マーケティング系以外の科目から3単位以上
マーケティング専攻に必要な科目情報については以下サイトもご参考ください。
https://kelley.iu.edu/programs/full-time-mba/academics/majors-minors/marketing.html
以下、マーケティング専攻の必修2科目についてコメントします。
1.Market Based Analysis
データを元にした定量把握、分析ツールの学習と、定性的なマーケティング基礎概念の双方を扱う授業です。定量面では例えば、市場規模算出、MROI(Marketing Return on Investment)およびNMC(Net Marketing Contribution)によるマーケティング費用対効果の算出、回帰分析を用いた需要予測といった分析を扱います。これらに加えて定性面としてもHarvard Business Review記事を踏まえながら、例えばSource of Revenue(既存顧客/シェア奪取/市場成長/新規開拓への区分とそれらへの対処方針、等)、Super Consumerの築き方、組織内で需要予測精度を上げる仕組み作りといったいくつかのトピックについて、教授自身の長いマーケティングコンサル経験(GE、DOW、Eli Lilly、IBM等)を交えて議論しました。この議論に各学生のそれまでの様々な職業経験情報も加わることになるので、それまでB2Bの1つの業界でしか働いたことのなかったB2C、海外市場といった観点から自分にとっては視野が広がる機会となりました。またこの授業はKelleyマーケティング部門の看板教授が担当していますが、大量のCold callならぬWarm callを通じた学生の巻き込み方が秀逸でした。教授による各コメントにはその温かい人柄がにじみ出ており、また生徒の人柄や能力を見て投げかける質問を選びながらInclusiveな雰囲気づくりを心掛けているようです。様々な立場の生徒を嫌な思いを感じさせることなく議論に巻き込んでいくやり方は、授業以外の場であったとしても参考にすべき部分が多々ありました。マーケティングの基礎を広く深く学び、かつ日本における授業との違いを肌で感じることができる良いクラスだったと思います。
2.Marketing Strategy
こちらMarket Based Analysisよりも定性的でストラテジー思考を鍛えることに重きを置いた授業です。各授業の前半で市場選定・自社リソース&ケイパビリティ分析・市場志向性(顧客/競合)・提供価値の判断基準・市場参入時期の決定・マーケティング組織形態・戦略実行・評価の各トピックを順序立てて座学で教わり、各授業後半でそれらトピックを念頭においたケースのディスカッションを行うというものでした。私自身が化学業界という少しニッチな業界からの社費生であるため、B2C業界のケースを通じ果たしてどこまで収穫を得られるか当初不安に感じていた部分はありましたが、授業では各業界の個別性を扱いつつも、事業運営する組織であればその多くに適用できる視点にまで学びが汎用化されており、全ての授業内容が私にとって有用でした。特に戦略はその内容自体よりも実行面で失敗するという点を教授は強調されており、戦略の実行面にも重きを置いている点はこの授業の1つの特徴なのではないかと思います。最終試験の内容は、とあるアメリカのデパートに関するケースを読み、そのデパートがとった戦略そのものの妥当性、戦略実行面の妥当性の評価と、それらを受けた戦略/実行方針提案をミニマム7ページのレポートにまとめて提出するというものでしたが、授業の内容を深く理解していなければ対応できない良問だったと思います。「It depends」、「私は魚を与えるのではなく釣り方を教える」という教授のメッセージの通り明快な正解を提供はしない代わり、各状況に応じ考えるべき視点を提供してくれる、私にとってはKelley在籍1年強の間で最も履修してよかったと感じる授業でした。
これら2つの授業以外にも魅力的な授業が数多くありますので、ご質問等があればkelley_jsa@googlegroups.comまでお問合せいただければと思います。
10/29(土)に日本人在校生によるオンライン説明会を開催します。当日はMBAプログラムの概要説明に加え、在校生から見たKelleyの魅力やBloomingtonでの生活など、様々な視点からKelleyでのMBAライフについてお伝えできればと思っています。今年出願予定の方だけでなく、MBA留学を検討中の方もぜひお気軽にご参加ください。
1.オンライン説明会概要
日時:2022年10月29日(土) 11:00~12:00(日本時間)
開催方式:Zoom
2.申し込み方法
下記リンクから参加申込をお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/11oIk2DnXiy8ArY_GpVNQW4iqszSf5PTf2EsUjKPTd1A/edit
当日の参加方法等に付きましては前日までに別途ご連絡させて頂きます。