2022年7月16日土曜日

Kelleyにおける専攻(major)の概要とファイナンス系科目について

Class of 2023Y.Y.です。今回はKelleyにおける専攻(major)の概要と私が専攻する予定のファイナンスの科目の内容について簡単にご紹介させていただきます。

 

Kelleyにおける専攻の決め方

 

Kelleyではマーケティング、ビジネスアナリティクス、マネージメント、アントレプレナーシップ & コーポレートイノベーション、ファイナンス、アカウンティング、サプライチェーンのなかから少なくとも一つ、専攻を選択する必要があります。それぞれの専攻には必修科目と選択科目が定められており、各要件に従って授業を履修していきます。ただし、事前に専攻を登録申請する必要はないので、授業をとりながら途中で専攻を変えることも可能ですし、人によっては二つ専攻を選択することもあります。

 

例えば私が専攻する予定のファイナンスを例にとると、要件は以下のようになります(年度によって条件は変わる可能性がありますのでご注意ください)。1科目1.5単位です。

 

必修科目(3単位)

Asset Valuation and Strategy(ファイナンス基礎理論)

The Firm in the Capital Market(企業価値評価)

 

選択科目(9単位)

Short-term Financial Managementなどのファイナンス系の科目から9単位以上

 

その他選択科目(3単位)

ファイナンス系以外の科目から3単位以上

 

履修しなければいけない科目の数は専攻によって大きく異なります。ファイナンスの場合は必修科目が少ない一方、選択科目の必要単位がやや多い印象です。なおファイナンス専攻の科目はビジネスアナリティクス専攻の科目と重複が多いため、この二つ同時専攻とする学生が多いです。実務面からみてもファイナンスとビジネスアナリティクスは相性が良いので、おすすめできる組み合わせだと思います。

 

以下ではファイナンス専攻のイメージをお伝えするために、私が1年目の春学期に受講した必修2科目の内容を簡単にご紹介させていただきます。

 

    Asset Valuation and Strategy

 

CAPM、債券価格、デリバティブなど、ファイナンスの基礎となる概念を学ぶ授業です。この授業の特徴は、基本的な概念を表面的になぞるのではなく、ディスカッション形式であらゆる角度から生徒に質問を投げかけることで、深い理解を促すところにあります。例えば、完全効率市場仮説(Efficient Market Hypothesis)だと、「EMHが成り立つとき、ある二つの期間の株式リターンは相関するか?」「持続的に利潤を生み出す企業が存在するという事実は EMHに反するか?」といった質問が次々と投げかけられ、その場で回答を求められます。これらの問いは決して難しいものではないのですが、概念を表面的になぞっただけではなかなか答えられないものです。結果、授業への準備として、各自が概念を掘り下げて考えざるを得ないため、自然とファイナンスの考え方が身についていきます。数式の表面をなぞるだけではなく、その背後にあるロジックをあらゆる角度からディスカッション形式で掘り下げていくというスタイルは、私にとって非常に新鮮でした。個人的には、1年目で最も学びの多い授業でした。

 

    The Firm in the Capital Market

 

企業価値評価の基礎を学ぶ授業です。この授業では基礎的な概念を講義した後、ケーススタディが課され、提出後に解説を行うというサイクルが繰り返されるのですが、講義とケースの接続が本当によくできています。例えば、講義ではWACCの考え方やMM定理について説明を受けるのですが、最初はやや抽象的な印象を受けます。しかし、それに続くケーススタディは、講義で扱った概念をすべて活用しないと解答できないように作られており、自分で手を動かしながら、学んだ概念をケースにどう適用するか、時間をかけて検証しなければなりません。結果として、講義を受けた段階ではやや抽象的だった概念が、レポートを提出するころには、自然と自分のものになっていきます。長年かけて細部まで構築された授業という印象で、ファイナンス専攻でない人にもぜひおすすめしたい授業です。

 

以上、Kelleyにおける専攻の概要とファイナンス専攻の必修2科目の内容をご紹介させていただきました。Kelleyというとマーケティングやアントレプレナーシップが有名だと思うのですが、ファイナンスにも魅力的な教授、授業が揃っていると思います。複数の専攻科目を組み合わせることも可能ですので、ぜひ学校選びの参考にしていただければと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿