2018年5月9日水曜日

Academyの活動:Strategic Finance Academyの場合②

こんにちは、Class of 2019K.I.です。

今回はKelley特有のプログラムであるAcademyの活動についてレポートします。私はStrategic Finance AcademySFA)という、Corporate FinanceAcademyに所属しております。前回、1年生の秋学期に行われるAcademyの活動について紹介いたしました(https://kelley-mba-japan.blogspot.com/2017/11/academystrategic-finance-academy.htmlが、春学期の内容についてもお伝えしたいと思います。



   企業バリュエーションのケースコンペ

1月〜2月にかけて、SFACapital Market Academyの2アカデミーの混成チームによるケースコンペが行われました。題材はバリュエーションで、Amazon社がTarget社を買収すると仮定した場合の企業価値の算定を行い、Amazon社の株主に対してBuy/Hold/Sellの提案を行うというものでした。

1月の終わり頃に題材が発表され、2月末のコンペまで約1ヶ月の準備期間が用意されましたが、通常の授業と並行しながらの作業となったため苦労しました。この時期は授業の最終試験、GLOBASEのプロジェクトなど色々なことが盛り上がりを見せており、結構な時間の制約がありました。

実際のバリュエーションの作業としては、まず2017年にAmazon社が行ったWhole Foods Marketの買収はOver/Underpricedだったかの評価を行い、Grocery Retailとして同業であるTargetのバリュエーションにおけるベンチマークとしました。また、Target社を買収した際のRevenue & Costにおけるシナジー効果を算出してバリュエーションに反映しました。最終的なPrice Rangeには、チームでDCFモデルで算出した値と、過去の同様の取引などマーケットの情報を利用しました。

こうした作業はKelley入学前にはまっっっったく出来ませんでしたし、する機会もありませんでしたが、授業で学んだ内容やSFAで秋学期に行った外部講師のレクチャーの内容が役に立ちました。(
このセメスターだけでDCFモデルを何度作ったかわからないくらい演習しました・・・。)

プレゼンテーションについても、数字をスライドに落とし込むだけでなく、自分たちがDCFモデルに組み込んだ仮説を説明しながら、ストーリーとして合理性のあるものにするというのは学びの多い経験でした。


  財務モデリングのトレーニング

2日間に渡って行われたこのトレーニングでは、外部講師を招いてExcelで財務モデリングを学びました。DCFモデルのトレーニングだったのですが、ただ単にモデルを組むというだけではなく、Excelの機能をフル活用して、効率的に時間を短縮してモデルを組むことにフォーカスが置かれていました。

冒頭に講師が「このトレーニングの後はExcelでマウスを使うことはなくなるだろう」的なことを言っていましたが、それは現実となりました。

Altキーでこんなに色んなことが出来るなんて!!であったり、Ctrl+1でセルのフォーマットのダイアログが出る!!であったり、驚きと喜びでクラス内にも「Wow」が飛び交っていました。今までマウスでポインタを動かしたり右クリックを押してやってきたことがキーボードで出来るようになり、Excelに費やす時間を短縮できそうです。個人的には、「Excelに費やす時間は最小限にして、そこから得られる洞察を上司や顧客にどう伝えるかに時間を掛けよ」という講師の言葉が印象的でした。

Excelテクニックを手に入れることが出来た私でしたが、このトレーニングを経た後、とあるグループでミーティング中にExcelを操作したところ、「おい、お前どうやってExcel Ninjaになったんだ」とチームメンバーから言われ、新たな称号をも得ることができました。
 

  コンサルティング・プロジェクト

2月の終わりから4月終わりにかけては、企業を対象にしたコンサルティングプロジェクトが行われました。いくつかある候補のなかから自分たちでチームを組み、私は地元Bloomingtonに事務所のあるNPO団体をクライアントとすることが出来ました。

プロジェクトの内容としては、NPOのリーダーシップチームの一人であるCPAの方をメインのカウンターパートとして、

1.     内部統制(特に会計のレポーティング体系)のリスク・アセスメント
2.     成長を志向するこの組織に今後CFOが必要となるかどうかの評価と、もし必要な場合のベスト・プラクティスの定義


2つをタスクとして与えられました。

前半の3週間はこの団体の財務諸表や会計監査報告書を読み込み、CPAに内容確認のインタビューを行ったり、会計担当の事務職のメンバーにもインタビューを行ったりして、改善が必要と考えられる点を洗い出していきました。これまでKelleyでの授業では、上場企業の財務諸表しか見ることがなかったので、未上場の、しかもNPOの財務諸表を読むのは興味深かったです。

後半では、まずこの団体が将来CFOを雇用するとなった場合に求められるCFOの役割について定義するところからはじめました。そのために、団体の他のリーダーシップメンバー達にインタビューをするとともに、Board Memberを務めているKelleyの教授にもインタビューを行い、この団体が今後長期的に目指すべき方向性と現状の戦略的な能力のギャップについて評価しました。次に、同様のサイズの予算を持つNPO団体についてリサーチし、どの程度の規模の団体であれば、CFOの役割が必要になるのか?その背景は?ということについて机上リサーチを行いました。CFOは必要?不要?という視点は新鮮で、小さい組織のクライアントだからこそできるプロジェクトではなかったかと思います。
 
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以上が春学期のSFAの活動でした。私はKelleyでファイナンスを専攻していますが、授業で学んだ内容をこうしたアカデミーのプロジェクトで実践出来るのはKelleyのプログラムの特徴と言えます。また、今まで組んだことのないメンバーで多様なプロジェクトに臨むのも新鮮で面白かったです。
 
他のAcademyの活動にも興味のある方はAcademy関連の過去ブログ記事を是非御覧ください。https://kelley-mba-japan.blogspot.com/search/label/Academy
 


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