2013年4月4日木曜日

七転び八起き


こんにちは。Class of 2013S.Mです。いよいよ今回が最後の投稿なので寂しさが募ります。今日は、自分のMBA生活での大きな二つの失敗を振り返りつつKelleyをご紹介したいと思います。

1. 30代にして半べそで帰宅
なんかいきなり情けない出来事ですが、これが私のMBAのスタートでした。ご存じの方も多いと思いますが、Kelleyではコアが始まる直前にケースコンペがあります。そこでいきなり英語の壁が私に大きく立ちはだかりました。プレゼン前日に一日議論の時間があるのですが、周りの英語が全く分からず、ほぼ意見を発することができなかったのです。最初のうちはチームメートも気を使って話を振ってくれたのですが、歯切れの悪い私に最後は呆れ顔。私も何か言おうという焦りから逆に委縮してしまい、地獄の無限ループ。結局何も貢献できないまま、半べそで帰宅し、あまりの疲労からそのままベッドに直行しました。

この出来事はかなりの衝撃でしたが、今にして思えば本当によい経験でした。なぜなら最初の段階で自分の立ち位置が把握できた(どん底からのスタート)からです。その後はとにかく英語ができないながらも、どうすればチームに貢献できるのかということを常に考え、がむしゃらに事前準備をしてチームミーティングに臨み、徐々に周囲の信頼を獲得することができました。コアの間は同じメンバでチームを組むので、汚名返上のチャンスがたくさんあったのも良かったと思います。そして、学期末のケースコンペのプレゼン練習時に英語で苦戦する私に対し、チームメートが「We trust you!」と勇気づけてくれた時は国や文化を超えて信頼を獲得することができたという達成感を肌で感じた瞬間でした。

海外MBAの醍醐味の一つは、チーム活動を通じて国籍も文化も異なる人々からどうすれば信頼を獲得できるかということを体験的に学べることだと思います。これまで多くの人が投稿しているように、Kelleyでは選択科目に入ってからも全ての科目でチーム活動を課せられるので、その機会には事欠きません。これは個人の志向にもよりますが、私は多様なチームに対する柔軟性を強化したかったので、出来るだけ色々な人(特にネイティブ)とチームを組むことを心がけていました。ある時ふと自分がどれだけの人とチーム活動をしたか数えたところ、のべ76人で重複を除くと実に64人に上りました。チーム活動に際しては、コアの間に身に着けた自分なりのスタイルで臨み、大体どんなメンバとチームを組んでもそのスタイルが通用することが分かり、これは大きな自信となりました。

2. 大企業の重役の前でのプレゼン大失敗
これも失敗談としては外せません。Kelleyにはアカデミー(日本の大学でいうゼミのようなもの)というものがあり、実企業へのコンサルプロジェクト等を行います。私はサプライチェーンアカデミーに所属しており、超大手物流会社のプロジェクトに携わりました。Kelleyはその会社とのパイプが強く、プレゼンの際にはCOOも駆けつけるほどの熱の入りようでした。それだけ一大イベントなので、プレゼンのリハーサルも念入りに行いました。しかし、最終リハーサルの際に、「こんなんじゃ全くあかん!やり直しや(当時の空気を再現しやすいので関西弁にしています)」と叱責され、前日で大幅修正を余儀なくされてしまいました。そして、突貫工事で修正し、当日を迎えることとなり、私のプレゼンは散々でした。COOを含め50人以上の前でプレゼンをしましたが、私が話している間、多くの人が「???」という顔をしていた光景を今でも鮮明に覚えています。

この失敗の後は、とにかくプレゼン力を鍛えようと思い、弁論クラブに積極的に参加して自分の苦手分野の克服に努めました。何度もプレゼンを重ね、ついには学内のスピーチコンテストにも参加し、幸運ながらも準優勝することもできました。その過程で改めて気が付いたのは、事前準備こそがプレゼンの成否の90%以上を占めるということです。特に英語でのプレゼンの場合、なおさらだと思います。

COOの前で大失敗をしたのは苦い思い出ですが、このようなハンズオンの経験こそが今後の財産となるし、そういう意味でアカデミーの存在は非常に大きかったです。また、自分の課題を克服するための機会(授業・クラブ活動等)、さらには支えてくれる仲間がいるというのも非常に助かりました。Kelleyには助け合いの文化が根付いています。例えば、弁論クラブ内で、私が英語のリスニング力が弱いので、英語でQ&Aをするのは不可能と嘆いていたら、すぐに私のプレゼンの後には必ずQ&Aをしてくれるようになりました。初めのうちはたどたどしい回答しかできませんでしたが、仲間が私の発言に一生懸命耳を傾けて、助言をくれるうちに、随分と自信がついたものです。

今回は、私の失敗談を元にKelleyを紹介してきましたが、それは失敗から学ぶことが非常に大きいと思うからです。私は、海外MBAの根本的な意義は「精神修行」だと公言しており、これは渡米前も今も全く変わりません。留学を通じて自分を成長させたいという思いは皆さん同じでしょうが、「いかに自分を追い込み、コンフォートゾーンから抜け出しチャレンジするか」ということなくしてヒトは成長できません。当然チャレンジには失敗がつきものですが、いくら失敗してもそこから這い上がればいいだけだと思います。その一連の経験はきっと今後の人生の大きな糧となるはずです。

最後に、自分はこの二年間色々なことに想いを持ってチャレンジをしてきました。それゆえ、最高の二年間だったと胸を張って言えます。これもひとえにKelleyのプログラム、周りの友人たちや教授陣、そしてBloomingtonという街のおかげです。もし生まれ変わってもう一度MBAにチャレンジすることがあれば、私は迷わずKelleyを選びますし、それだけ魅力的な学校だと皆さんにもおススメすることができます。私の投稿はこれが最後ですが、皆さんに少しでもKelleyの魅力が伝われば幸いです。帰国後にMBAフェア等で皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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