2013年4月15日月曜日

Takeaways



Class of 2013TYです。4月も残り半月となり卒業までついに3週間弱となりました。あと1ヵ月もすると約2年間離れた日本(そして職場)に舞い戻ると思うと不思議な気持ちになります。

なお、卒業式を目前に控えすっかり春めいてきたBloomingtonには今週、Dean’s Council(日本流に言うと、学部長の諮問会議でしょうか) メンバーの伊藤様が日本からブルーミントンに年1回の会議のために来訪されました。この会議は来年以降のKelley School of Businessの大きな運営方針(入学定員、カリキュラム、重点施策など)についてKelleyDeanCouncilがディスカッションする場のようで、いまこのブログを読んでいただいている受験生の方にも大いに影響のある会議です。その公式会議の終了後、伊藤様には在校生の自分たちとも意見交換の場を設けていただきました。伊藤様は、ケリーにてMBAを取得後、派遣元企業(日本の某大手電機メーカー)の米国法人代表まで勤めあげられた方で、同じく社費派遣MBAである自分にとっては卒業後のキャリアとして目標とするべき方の一人だと思うのですが、そのような方がケリーの諮問会議メンバーに参画して、日本とケリーとの架け橋を務めていただいていることに在校生として非常に心強く思いますし、自分自身も卒業後にKelleyとのネットワークを何らかの形で保ち続けていきたいと改めて認識をした次第です。

 意見交換会での記念写真




さて、若干前置きが長くなりましたが、前回の私の本ブログ投稿ではこれからMBAに入学される新入生の方がKelleyMBASurviveできるかという入口の視点で話をしましたので、今回はいま私がまさに立っている出口(卒業時)の視点でケリーで何を得ることができたのかという話をしたいと思います。すでに何人かの同級生がそれぞれの視点でMBAプログラムのTakeawaysを語っていますし、それらは必ずしも一致するものではありませんが、あくまで私なりの意見として読んでいただければ幸いです。

Full-time MBA2年間のTakeaways
前提条件として私のバックグランドを簡単に説明しますと、学士では経営を専攻、入社後10年で社費留学、会社でのキャリアは営業3年、経営企画5年、マーケティング2年という感じなので、ある程度ビジネススクールで学ぶことは留学前に知っている(いた)という状況と考えてください。

·         ビジネスを分析するための引き出しが増える
マーケティングを専攻して感じたのが、日本でマーケティングを大学で学び、実務で取り扱っているときよりも圧倒的に定量的(数的)にマーケティング効果を分析し、施策の絞込みをするための手法を学ぶことができたと思います。日本では調査会社などに任せっぱなしだったマーケット調査結果の分析なども、その分析手法の持つ意味をきちんと理解してより適切な分析ができるようになったと思います。とはいえ、ビジネススクールでは多くの手法を網羅的に学ぶため、ひとつひとつの分析手法への掘り下げは実務とは比べものにならないくらい浅いので、そこは自分なりに実践を通じて深めていく必要があります。それ故に「引き出し」と書かせていただきました。

·         外国人に対するリーダーシップの取り方
そして、アカデミックなこと以上に大きな収穫だったのはやはり、日常的に外国人と英語でコミュニケーション(グループワーク)をし、リーダーシップをとる訓練がたくさんできたことだと思います。詳しくは後述しますが、社会人経験が10年の自分に比較すると周りの同級生はどうしてもビジネス経験が少なめなため、グループワークでも自分が積極的にリーダーシップをとらないといつまでもゴールにたどり着かない(結果、家族と過ごす時間が削られる!)という局面が多々あります。一方で前回のブログの投稿でもコメントしたように、私を含め純ドメスティックな日本人学生は強烈(といっても過言ではない)な英語力のハンディキャップをもっているので、いかに他のチームメイトに自分の意見に共感してもらい、彼らの強みを生かして最終的なアウトプット(プレゼンやレポート)をいいものに仕上げるかということも決して生易しい作業ではありません。自分なりにも少しでも上手くグループワークを進めようと事前準備も含めて試行錯誤を重ねた結果、チームメートの国籍・人種に応じたパーソナリティも把握した上で、上手くリーダーシップを取るテクニックが2年間でだいぶ身についたように思います。このことは、特に社費MBAの場合、卒業後に海外拠点で現地社員をまとめるマネージャーとしてアサインされることもあるかと思うとても重要なスキルではないかと思います。(私の場合はまだ卒業後の職務は分かりませんが。。。)

·         国際的な人的ネットワーク
これに関しては今の時点で「人脈」といえるほど強固なものかは少し疑問ものこりますが、少なくとも卒業後に世界中に散らばった友人から現地の生の情報をゲットできるだけのネットワークは構築できたと思います。これからは、お互いが切磋琢磨してキャリアアップをしていくなかで、そのネットワークが貴重な「人脈」に成長を遂げるのを期待したいと思います。また、今後は実務で困ったことがあった時にKelleyの教授陣にちょっとしたアドバイスをもらうこともできるだろうと思います。

·         外国での暮らし方
タイトルに書くと若干当たり前すぎますが、海外旅行程度しか海外経験のない人間にとってはとても重要なことだと思います。海外MBAに来るまでは、海外赴任といわれたら果たして外国で暮らしていけるか精神的に不安な部分はぬぐえなかったと思いますが、2年間の海外生活でとりあえず、明日、海外で働けといわれても「何とかなる」という自信が身についたと思います。

·         バイリンガルな娘、日本語がしゃべれない息子
これは多分にプライベートなTakeawayかと思いますが、5歳になる愛娘がしっかり英語と日本語を理解できるようになったのはとても良かったと思います。卒業後、日本に帰ってもなんとかその力を維持してあげたいものです。(緒先輩の話を聞いているとなかなか難しいみたいですが。とりあえず娘の大好きなディズニー映画は英語縛りかなと妻と話しています。)一方で1歳の渡米時から日本語と英語をどっちつかずに浴び続けた3歳の息子はなかなかしっかりした言葉を話し始めないので若干心配ではありますが。。。

(注意点)海外のビジネススクールに来る前に知っておくべきこと
一方で渡米前にMBAに抱いていた希望と現実にギャップがある部分も少なからずあります。これからMBA留学(特に入社10年前後で社費派遣)を希望する方はぜひご一読いただいて、渡航の是非(!?)を再考していただけると幸いです。

·         日本でも学べること(すでに知っていること)は少なからずある
これは自分自身のバックグランド(経営学)を考慮するといたし方ない部分もあるのですが、MBAそのものが全く経営のバックグランドがない人も卒業後にはマネージャー候補に育て上げることを意図したプログラムであるため、すでに日本で学んで来たこと、実務で使っていた知識などを再度学習するといったロスが少なからずあったという印象です。とはいえ新たに学んだことも沢山ありますし、そもそも英語で学ぶことにより、英語圏の人とビジネスをする際には再学習した知識(英語での用語)が生きると思いますので、完全に無駄な作業というわけではないですが。

·         ビジネススクールの大きな要素は就職活動
当たり前のことですが、ビジネススクールにくる学生の大半(9割方)は私費学生です。故にビジネススクールは就職支援に非常に大きなリソースを割いていますし、他校のことはあまり分かりませんがKelleyでは実際に参加を必須とされる就職関連のアクティビティも少なからずあります。これらのアクテビティは私費の学生にとっては大変すばらしいリソースなのですが、一方で社費の学生にとっては就職活動は縁がない(むしろ数年間、転職を禁止されるケースが大半かと思います)です。また、アクテビティへの参加が免除されるケースもありますが、私費学生の日ごろの大きな関心後とは就職活動なので、彼らの話題の蚊帳の外にいることに居心地の悪さを覚えることが時としてあることも否定できません。

·         社費MBAはキャリアアップの機会ロスにも注意
私費の学生にとってはMBA留学は大きな支出(リスク)がある一方で卒業後に新たなポジションを得る大きなチャンス(リターン)かと思います。一方で社費の学生にとっては仕事が見つからないリスクはないものの、MBA留学をしたからと言って即座にキャリアアップが果たせるわけではないケースが大半ではないかと思います。さらには30歳前後の一番仕事に油が乗った時期にラインから外れて留学をすることは、同じ職場で働き続けていたら得られたかもしれないキャリアアップ(昇進)の機会を逃すことになるかも知れません。しかも、留学候補生に選ばれたタイミングから留学開始までの約1年半についても、テスト勉強・出願エッセイの作成などに忙殺されることになりますので、本来の業務に100%コミットすることはなかなか難しいと考えるとキャリア的には実質3年半の空白が生じる可能性もあります。もちろん、これはそれぞれの会社の社風、ビジネス内容、社内制度、個々人の準備状況によっても状況は異なると思いますが、社費留学を志望する方は社内で過去に留学をされた方などから、ご自身の会社での情報収集を積極的にされたほうがいいと思います。

·         社費MBAは年寄り。。。
私の場合(入社10年)は特になのですが、日本人(+韓国人)社費留学生は総じて他の同級生と比較して年齢が高めです。これは、ある程度職務経験を積んだ人材を留学候補生に選んでいる場合、どうしても避けられないことかも知れませんが、一方でアメリカ人学生には職務経験3年程度という学生がゴロゴロしていますので、いやが応にもジェネレーションギャップを感じることになります(笑)。もちろん、彼らを将来の部下(現地法人に赴任した場合など)に見立ててリーダーシップの取り方を学ぶにはとてもいい教材ともいえるのですが、EMBAなどを選択すればより年齢層の近い(すなわち職務経験が近い)人と刺激を与え合う機会があるようにも思えますので、その点は学校/プログラム選びをする際に考慮してもいいかもしれません。

以上、決していいことばかりではないということも書かせていただきましたが、それでも海外留学の2年間で得られたもの、経験したことはこの先もきっと同じ経験はできない、貴重で、濃密な2年間でした。今後、社費・私費の別を問わず、MBAでの海外留学をお考えの方はぜひ、身近に留学をされた方や、MBAフェアーなどに参加して何が得られるのか、何をあきらめなくてはいけないのかを少しでも多くの方から情報収集することをお勧めします。また、Kelleyに関する質問・キャンパスビジットなどを予定される場合には、Kelley日本人在校生ホームページを通じてコンタクトをしていただければと思います。在校生(私はもうすぐ卒業生ですが)一同、ご連絡をお待ちしております。

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