あと2週間でMBA1年目が終わろうとしています。今年は色んな意味で毎日がシゲキテキでした。5月初旬から4ヶ月にわたる夏休み中にこの1年間で学んだことの棚卸でもしてみようかと思っています。
さて、今回はアカデミックなネタを。
このブログで他の在校生がAcademy(CMA、BMA等)について書いていましたが、私が所属するEMA(Entrepreneurial Management Academy)を紹介させて頂きます。
EMAを率いるのはDr. KことDonald Kuratko。
彼の授業(AcademyではなくElective)は朝7時45分からという早朝授業にも関わらず、起業家マインドセットやコーポレート・イノベーションについてアツく語ります。
低血圧気味な私としては朝っぱらからDr. Kのテンションについていくのが困難な時もありましたが、彼の講義、経験豊富な体験談等は非常に興味深い。
そして、彼はどんな日でもジムでトレーニング(ベンチプレス?)を欠かさないらしい(Dr. Kの婦人談)。
そんなDr. K率いるEMAで、昨年末から約3ヶ月間『商業化戦略構築プロジェクト』に携わりました。
このプロジェクトは、4-5人で構成される各チームがIndiana
University Research and Technology Corporation(IURTC)というインキュベーターに持ち込まれた案件(新技術)をアサインされ、商業化戦略を考案し、最終的にIURTCと技術開発者、Dr. Kにプレゼンテーションを行うというものです。
私がアサインされた案件は
『Differential Measurement of Nerve
Fiber-Electrode Distance』
という全く聞いたことのない新技術についてで、
第一印象は、
「ナンデスカ、ソレ。キイタコトモナインデスケド」。
それもそのはず。実はこの技術、まだ特許も取れていない。
まさに、開発されたてホヤホヤのTechnology!
そんなエキセントリックなCaseはCoreでも扱わなかったし、J501(Developing
Strategic Capabilities)でも見たこと無い。
しかし、チームメイト5人寄れば文殊の知恵。
『Differential Measurement of Nerve
Fiber-Electrode Distance』は簡単(?)に言うと『末梢神経間距離を計測する電極及び、神経間電気信号解析アルゴリズム』で、ブレイン・マシン・インターフェイスの親戚と言う事もでき、失われた感覚や運動機能の人工的な再建、人工器官による代償機能の構築のほか、非言語・意識下のコミュニケーション技術、そして神経科学の新しいツールとしての役割が期待されている技術。
ということが判明。
更に、継続的なチームメイトとの議論で多種多様なビジネスプランが出てきたので、実行可能性を細部までチェックし、この技術が商業化に値するものかを判断することになります。
一番想像しやすい『Differential Measurement
of Nerve Fiber-Electrode Distance』が活用されうる製品は義手・義足であり、神経間電気信号で義手等を動かせれば従来の義手よりもスムーズ且つ迅速な動きが可能になるのです。
「スバラシイ! ゼヒ商業化して銭稼ぎましょう!」
「個人的に投資して、私腹を肥やしてイイデスカ?」
しかし、当然ながら疑問が出現。
「そんな義手お高いのでしょう? ホントに売れるのですか? ってか、マーケットは存在するのですか?」
我々は市場規模・医療費用補助率等の観点から米国退役軍人マーケットはターゲットに成りうると判断し、DARPA(The Defense Advanced Research Project
Agency)やThe Veteran Administrationにヒアリングを実施。
結果は好印象。思っていたよりもこの技術に対して前向きに捉えており、マーケットは実在し、製品化されれば収益化できることを確認できて一安心。
残された課題は誰がこの新技術を活用した義手を作れるのかを探ること。
この課題を解決するために様々な分野のエキスパートにヒアリングを実施しました。
① まず、身近なIU内のネットワークを駆使し、各分野(Brain biology、Chemical Physics、Neuroscience等)の教授陣から情報収集。
② 次に、Producerである義手・義足の製造業社(Ottobock、Hanger)、Purchase
sideの医療現場(IU hospitalとチームメイトの個人的な知り合いの医者)、Regulation sideのFDA(US
Food and Drug Administration)・特許庁(US Patent and
Trademark Office)、InvestorであるIURTC 等々多くの外部機関から意見徴収し、細部の実行可能性を検証。
ここまで情報が揃えば、後は『Differential Measurement
of Nerve Fiber-Electrode Distance』の商業化価値を算出し、商業化戦略を策定・プレゼンに向けて駆け抜けるのみ。
情報収集も大変な作業であったが、そこから先のファイナンスデータの算出・戦略策定もまた骨が折れる作業であったが、プレゼン後のフィードバックも良好であったし、何より技術開発者とインキュベーターからFavorなコメントを頂けたので、3ヶ月という短い期間ながらこの案件に対して一程度の貢献はできたのではないかと思っている。
ホントこの3ヶ月間はMBAライフの中で最も忙しく、シビレル体験をさせてもらって良かったわぁ。
やはりCoreやElectiveで学習したことをOut putする機会が豊富なKelleyは良いですね。
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