2022年4月24日日曜日

Strategic Finance Academyプロジェクトについて

Class of 2023Y.Y.です。今回は春学期の後半に行われたStrategic Finance Academy (以下、SFA) のコンサルティングプロジェクトについてお話したいと思います。

 

    概 要

 当ブログでも何度かご紹介しているとおり、Kelleyにはアカデミーと呼ばれるユニークな制度があります。日本の大学におけるゼミのような制度なのですが、さまざまな企業を招いての説明会など、就職活動に関連する活動が多いです。私はコーポレートファイナンスを志望する学生を対象とする、SFAに所属しています。

 今回ご紹介するSFAプロジェクトは、アカデミーに関連する授業の一つです。この授業では、チーム毎に割り当てられた顧客に対して、業界分析、戦略立案、財務分析などを実施し、プレゼンテーションを行うことが求められます。なお、春学期の後半は他のアカデミーでも同様のプロジェクトが実施されます。

 プロジェクトで割り当てられる企業は、大企業からスタートアップ企業までさまざまです。クライアントの要望も一様ではなく、新商品開発についての分析であったり、企業全体の戦略立案・財務分析であったりします。私のチームは、語学のコンサルティングサービスを提供するスタートアップ企業を担当することになりました。顧客の要望は、成長戦略の立案とそれに伴う財務分析です。


    プロジェクトの流れ

 大まかなプロジェクトの流れは以下の通りです。2月の後半に企業が割り当てられ、その後は4月後半のプレゼンテーションに向け、顧客とのミーティングを重ねていきます。ただし、この間には2週間の春休みが含まれており、実際に活動できる期間はそれほど多くありません。そのため、最初に顧客の要望を読み違えたり、スケジュールの設定を間違えたりすると、大変なことになります。幸い、今回はコンサルティング出身のチームメンバーがこうした管理を行ってくれたため、スムーズにプロジェクトを進めることができました。

プロジェクトのスケジュール(一部抜粋)
                  

    プロジェクトから得られた学び

 プロジェクトから得られる学びは、生徒の今後のキャリア目標によっても異なってくると思います。例えば、私費生の立場からみると、当プロジェクトはインターンでのプレゼンテーションに向けた予行演習という側面が強いです。一方、社費生である私の立場からみると、以下のような学びがありました。

 

チームマネジメント

 今回は他の方にリーダーを務めていただいたのですが、そこからチームマネジメントについて学びがありました。MBAの学生は分野ごとの能力・経験値のばらつきが大きいため、チーム全員に均等に仕事を割り振りつつ、一定の品質の成果物を出すのは簡単ではありません。その結果、成果物の質を上げるために能力・経験値が高いメンバーがすべてを担うことになりがちなのですが、チームを機能させるという観点からは当然、良いことではありません。今回のプロジェクトでは、リーダーがチームを機能させることを意識しながらプロジェクトを進行しており、成果物を重視してチームとしての機能を蔑ろにしてしまいがちな私としては、マネジメントの一つの形として学びがありました。

 

日米の起業環境の違い

 私は職場で起業に関する調査・研究に従事しているため、日米の起業環境の違いについて関心があります。特に、日本は米国と比較して起業活動が低迷しているといわれており、起業家教育、起業家への行政支援、資金調達環境など、どういった違いがその差異を生み出すかに関心がありました。

 今回、スタートアップ企業のコンサルティングを担当して改めて感じたのは、本質的な違いは意外と少ないということでした。例えば、今回私は財務分析を担当したのですが、日本の起業家と同じく、米国の起業家も数字の管理には不慣れで(ビジネススクール出身であっても)、困難を抱えています。そうした管理を支援してくれる行政機関があるわけでもなく、すべてが手探り状態です。また、経営実績の少ない起業家が資金調達に苦しむのも、日米共通です。一方で、起業家同士のネットワークの強さや労働市場の流動性には日米で大きな違いがあり、これらが起業活動の差として表れているように感じます。いずれにせよ、こうした日米の起業環境の違いを直に体験できるのは、コンサルティングプロジェクトならではの学びだと思いました。

 

以上、SFAプロジェクトの概要と私見をまとめさせていただきました。Kelleyに関して質問等ございましたら、是非とも在校生までお問い合わせください。

https://kelley.iu.edu/kjsa/contact/

 


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