2013年3月4日月曜日

リサーチプロジェクト、そしてシリコンバレーへ


こんにちは。Class of 2014S.Oです。

今回は、Academy Intensive Week #2 についてご紹介したいと思います。
私の所属するEntrepreneurial Innovation Academyでは、先週、リサーチプロジェクトの最終プレゼンを実施し、その後シリコンバレーへスタディトリップに行ってきました。
社費生としては、会社で出来ない体験をすることもMBA留学の目的の一つと考えていた為、実地的な経験を積めるAcademyは、Kelleyの大きな特徴の一つです。

①リサーチプロジェクト

昨年末から約2か月を掛けて、新技術の商業化戦略をリサーチし、依頼者宛にプレゼンを実施しました。今年は5件のプロジェクトのうち2件が、ロシアで開発された新技術に関する案件で、私もそのうちの1件に携わりアメリカでの商業化の可能性を検討しました。私のチームは当初3人でしたが、うち1人が途中で他学部へ転籍してしまい、アメリカ人と2人でプロジェクトを進めなければならず、リサーチ、プレゼンともに負荷が大きかったですが、その分充実した経験を積むことができました。以下、今回のプロジェクトでの学びについて書こうと思います。

・ 本当にマーケットは存在するのか?
   
まず新技術ですので市場での認知が全くありません。プロジェクトを進める上で最も重要なポイントは、そもそもその技術は使えるのか?どんな市場で、どんな利用を想定できるのか?その市場では今何が起きていて、何が評価されているのか?その上で新技術が持つ特徴は市場でどう受け入れられるのか?という点から出発することにあります。開発者は技術に絶対の自信を持っていますが、その分視野が狭くなっている可能性が高く、またビジネスの視点に欠けていることもあり、開発者とは別の視点で、ビジネスの可能性を見極める必要があります。その上で、ターゲットとする市場を絞り込み、競争環境、市場規模、潜在的なパートナー等をリサーチし、最終的に商業化プロセスとそれに伴う投資について検討します。では、その技術が商業化に足る特徴を持っていない時はどうするのか?それも結論の一つです。商業化できないと判断するならば、きちんと裏付けを行ない、開発者にそのことをフィードバックすることも重要です。

・データよりもマーケットの声

プロジェクトの方向性を検討し裏付けていく中で、多くの情報収集を要することになりますが、やはり一番有効な情報は、「想定される市場」の当事者に直接聞くことです。実際に多くのエンジニアやセールス担当者にヒアリングをしましたが、データや文献になっていない情報も多く、苦労話やユーザーのこだわり、市場参加者の構造など生きた情報を得ることが出来、結果、開発者に対し価値ある分析を提供することが出来ました。と言っても、ホームページを見て飛込みで電話やメールをすることになりますので、無視されたり断られることも多く、短い時間で何を聞き出すか、聞き出す順番をどうするか、他の関係者を紹介してもらえないか等、色々工夫をして取組みました。アメリカで関連の研究を行っている機関にもヒアリングを試み、共同研究の可能性も模索しました。

・限られた情報の中で、どう進めるか?

開発者との間で守秘義務を負っている為、新技術そのものを開示してヒアリングすることができません。また新技術ゆえ、その技術に的を絞ったデータや文献を必ずしも見つけることが出来ません。またロシア案件の苦労する点として、メールや電話を政府から監視されているらしく、ロシア側が情報開示に慎重になっている点です。最初は驚きましたが、国が違えばビジネス環境も違うもの。また情報が乏しい中で、「どうやって進めていけばいいんだよ!!」と投げ出したくもなりましたが、そこはMBA生として、適切な前提条件を置いて判断していかなくてはなりません。限られた情報の中で、自分達の議論に穴は無いだろうか?突っ込まれはしまいか?と常にストレスを感じながらも、議論の形を作って成果を出していくことが重要だと思いました。


②シリコンバレーへ

さて、ストレスの多かったリサーチプロジェクトを終えた後は、アカデミーメンバー全員でお楽しみのスタディトリップです。今年は、初の試みとして、MBA生のみならず、インディアナ大学のIT関連、バイオ関連のPhD学生10名が加わり、学部横断的な内容になりました。場所はカリフォルニア大学バークレー校を拠点とし、起業家、ベンチャーキャピタリスト、サンフランシスコで活躍する卒業生による講演のほか、eBayCiscoDellが昨年買収した会社や起業支援センターを訪問しました。朝早くから夜のディナーまでぎっしりと詰まったスケジュールで、教授の人脈の広さに改めて驚きました。
私は今まで西海岸に行ったことが無かったので、シリコンバレーの環境に触れることが出来たこと、金融出身者としてベンチャーキャピタリストの話を聞けたこと、寝食をともにしたメンバーと今まで以上に仲良くなれたこと、が最大の収穫でした。
また個人的には、MBAに来る前、私の担当する顧客企業がシリコンバレーのベンチャー企業の買収に関心を持っていた為、米国の拠点と連携し案件を探索していた経緯があり、実際の起業環境をこの目で見ることが出来たことは、貴重な経験になりました。

最終日の夜はフリータイム。メンバーと連れ立ってサンフランシスコのダウンタウンに繰り出し、寿司屋で美味しい鮨と日本酒を楽しんできました。
カリフォルニア大学
バークレー校

シリコンバレーの企業訪問
美味しい鮨を堪能








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