2013年2月10日日曜日

Can you survive MBA?

Class of 2013TYです。

Class of 2013はあと3ヵ月弱で卒業ということもあり、このブログでも最近はいままでのMBAプログラムの振り返りや何を得たのかといった趣旨の投稿が多いですが、今回私はもっと原点に立ち戻ってみたいと思います。

テーマはずばり、「海外経験のない純ドメ日本人がアメリカのビジネススクールに飛び込んで通用するのだろうか?」です。はじめに結論を言いますと、あくまで私個人の所感なのでKelley以外のビジネススクールを含め一般論で語るのは適切ではないかもしれませんが、Kelleyに限っていうならば「大丈夫なので心配しないでください。」と言って問題ないと思います。

なぜ、こんなことを書こうと思ったかといいますと、最近は時節柄アプリカントの方からいろいろ質問をいただくことが多くなってきたのですが、ふと自分自身のことを振り返ってみて2年前にアプリカントだったときにどんなことを思っていたのかなと振り返ってみると、受験プロセスが進むにつれて「何とか無事にビジネススクールに進学したとして、今の英語力ではたしてやっていけるのだろうか?」という不安面がだんだん大きくなってきたことを思い出したのと、そんな自分の弱みをさらけ出すような率直な質問は直接合否の鍵を握るアドミッションには当然のことながら、合否判断には直接は関係のない日本人在校生に対してもなかなか正直に聞けるものではないなぁという思いが強かったためです。

実際に英語力という観点でお話をしますと、いわゆる「上位校」というカテゴリーに属するビジネススクールではTOEFL-iBT100点というのをMinimum Requirementとしているケースが多いと思いますが、TOEFL100点を超えていたとしても、初対面のネイティブスピーカーが「インターナショナルに対する特段の配慮」をせずに話している英語についていくことは、海外経験の浅い日本人にはまず不可能だと思います。私も含めて日本人は他のノンネイティブスピーカーと比べてもきわめて実用的な英語の運用能力に劣っているケースが多く、残念ながらそのことは実際にビジネススクールにくると痛感させられると思います。(帰国子女で英語圏の生活が長いケースは違うと思いますが。)

また、ビジネススクールに入学した後に英語力が劇的に向上するかというと、もちろん確実に向上はしていくのですが、やはり外国語というのはなかなか短期で劇的には向上しません。その点、子供は非常に吸収が早いので、時に自分の子供の耳としゃべりに嫉妬してしまうことがありますが。(笑)

では、なぜ英語力が十分でなくても何とかなるのか? それには大きく2つの理由が上げられると思います。

<理由その1>英語力は足りなくても、他の能力で十分補える。
日本人の場合はビジネススクールに進学するまでの職務経験が比較的長く、数字に強い(特に英語力の弱い人は、GMAT試験の性質上数理面が強くないとスコアがでないという事情もあり)ケースが多いため、英語でのコミュニケーションには苦労するものの、ビジネスに関する見識やファイナンス/オペレーション/ビジネス統計という数字がもとめられる分野でチームメイトに対して貢献し、コラボレーションすることが可能です。Kelleyの場合はチーム課題がプログラムの大半を占めているので、チームメイトとしっかりコラボレーションできていれば落ちこぼれていくリスクはほぼなく、また自分が苦手な部分はチームメイトが率先してサポートしてくれるようになります。もちろん、少しづつではありますがプログラムが進むにつれて英語力も向上していきますし、そもそも同じ教授/同級生の話を繰り返し聞いていると個々人のしゃべり方の癖もつかめてきますので、聞き取りという面でのコミュニケーションはスムーズになっていきます。加えて、何度かチームワークで他の学生と一緒にやっていると、そうやって仲よくなった同級生は国籍を問わず積極的に次回以降のクラスでチーム作り際にの声をかけてくれるようになります。ですので、英語ができないことを恐れるよりも、自分が持てる武器を生かしていかに仲間に貢献できるかを考えるようにすれば、MBAへの進学当初に感じるほど英語力というのは障害にならなくなってくると思います。
 

<理由その2>そもそもわれわれ自身が他の(特にアメリカ人)学生にとっての重要な教材である。
1年生のコアの時期に非英語圏出身の教授と話をした際、「自分は君たちインターナショナルが英語で苦労していて、クラスでもなかなか上手く発言できないことはよく分かっている。今でこそ自分はビジネススクールで教鞭をとっているけど、自分も昔はそうだった。自分はすでにアメリカに18年間も住んでいるから問題ないけど、本当に英語で不自由しなくなるには相当の時間がかかるし、極端に心配しなくても大丈夫。徐々に分かるようになるから。」といわれたことを今でも覚えています。ビジネススクールはわれわれが思っている以上に、外国人の学生のことをよく理解していて、気にかけてくれていて、その上で受け入れているんだなぁと妙に実感しました。

アメリカのビジネススクール場合、Kelleyを含めて多くのスクールではインターナショナル比率が3割前後で、残り7割がアメリカ人学生なのですが、アメリカは非常に大きな国土/内需を持つ国ということもあり、アメリカ人の学生はわれわれが想像する以上に海外経験が少ない学生が多いです。(そもそも海外旅行をしたことがないなど)

実際にMBAを取ってグローバル企業に就職するとたとえば日本支社にマネージャーとして送られるアメリカ人学生もでてくると思いますが、そのときに彼らがビジネススクールで日本人とチームワークをしたことがあるか、日本人と英語で話をするときにどのように話せば意思疎通がスムーズなのか、日本人のメンタリティはアメリカ人とどう違うのかを実体験として持っているのとないのとでは大違いです。ですので、ビジネススクールとしてもダイバーシティという観点で一定数の外国人はつねに確保をしたいし、特に世界的に大きな経済規模を有しつつもアメリカ人とのコミュニケーションに難がある国(笑)の外国人であればなおさらだと思います。実際にKelleyで学んでいると、最初は何の配慮もなくフルスピードで話しかけていたアメリカ人同級生が、確実に「インターナショナルの学生」に伝わるようにするにはどのように話せばいいか、どういう表現はノンネイティブには伝わらないのかを肌身で感じて、文化的な相違も配慮した上で話をするように変化していくのが実感できます。そうなった時に彼らの将来にとってもいいことなんだなと感じますし、自分が彼らに対しても貢献できる部分があるからこそ、彼らは工夫して自分にコミュニケーションをしてくれているんだと納得できます。

ですので、自分は時々学校で英語のコミュニケーションに躓いたりしたときには、このことを思い出してあまりくよくよしないようにしています。もちろん英語でのビジネス運用能力を磨くのも海外MBAの重要な要素なので、最善の努力をすることは必要なのですが、こんな視点も心の中に入れておくとみずからの存在を肯定的にとらえることができて、少し気が楽になると思いませんか?

今、このブログを読んでいただいている方は何らかの理由により、自分自身に変化をもたらしたいと思いMBAに挑戦しようとしている方が多いかと思います。合否発表を待つだけの時期にさしかかって、何かと不安になることもあるかと思いますがそんな不安に少しでも答えることができていれば幸いです。

最後になりましたが、今年アプライの方は体調には気をつけて、あと少しの間、頑張ってください!(かくいう私は2年前にMBA受験をしているときに、最後の最後でインフルエンザで数日寝込んでしまいましたが。。。)

なお、キャンパスビジットでKelleyにお越しになられる予定がありましたら日本人ホームページを通じてぜひご一報いただければ幸いです。

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