2020年2月22日土曜日

Integrated Coreについてまとめました

はじめまして。Class of 2021T.T.です。Bloomingtonに住みはじめてから早8ヶ月が経ちました。今回は、1年次秋学期に受講する必修授業:コア科目について書きたいと思います。

概要

Kelleyでは、コア(必修)科目として下記9科目を受講します。
 ・Critical Thinking(クリティカルシンキング)
 ・Financial Accounting(会計)
 ・Quantitative Methods(統計学)
 ・Economic Foundations(経済学)
 ・Business Communication(プレゼンテーション)
 ・Strategic Management(経営戦略)
 ・Finance(ファイナンス)
 ・Operations Management(オペレーション戦略)
 ・Marketing(マーケティング)
Class of 2021の履修スケジュールは、下記バーチャートの通りでした。



 コア科目では、1学年約130名の学生が、3つのクラス(40名程度/クラス)に割り当てられ、すべての必修科目はクラス単位で受講します。さらにそのクラスは9つのチーム(4〜5名/チーム)に分けられ、秋季学期を通して同じチームで行動します。授業で出される課題は、個人ワーク又はグループワーク(分量で言うと、個人:グループ=7:3ぐらい?)のいずれかとなりますが、グループワークはすべて固定されたチームで取り組みます。チーム内構成は、ネイティブ生2〜3名+インターナショナル生1〜2名。チームワークを重んじるKelleyの校風を反映し、異なるバックグラウンドや、互いの得手不得手を理解しながら、グループ内で力を合わせて成果を上げることを求められます。

社費留学生である私のコア期間中の1週間のスケジュールを例示しておきます。


9月下旬のスケジュール(T.T.の例)
 月〜木曜日の間、1コマ80分の授業を1日3コマ受講するのが基本です。金曜日はAcademyのセッションが入ります。放課後は学生クラブのイベントに参加したり、チームメンバーとグループ課題に取り組んだりしました。科目によっては補講が開かれることもあります。私費留学生であれば、上記に就職活動イベントが加わります。



Integrated Core


Kelleyのコア科目は”Integrated Core”と呼ばれ、コア科目すべてを「1つのコースとして」受講します。つまり、会計→A、統計学→Bのように科目ごとに成績が出るのではなく、”Integrated CoreA”のようにコア科目の総合成績のみが付けられます。そのため、苦手な統計学の成績を得意なマーケティングの成績でカバーする、ようなことも可能です。

成績評価のみならず、授業内容も”Integrate”されています。
1つ例を挙げるとすれば、””とある飲料メーカーの新商品開発””を取り扱うCase Studyを行いましたが、新商品開発を開始するかどうかの意思決定に際しては、

 ■ 市場にはどれくらいの潜在顧客がいるのか?
 ■ 新商品の流通にあたり、売上予測に対してどの程度在庫を確保すれば
    良いのか?
 ■ 売上やコストを含め、財務諸表にどの程度のインパクトがあり、販売開始
    から何年で投資回収できるのか?

等々、1つのコア科目から学ぶ知識だけでは実は片手落ちで、複数の科目からの学びを融合させて検討する必要があります。
そんなことを教えてくれたのが、KelleyIntegrated Coreです。マーケティング・ファイナンス・オペレーション戦略の3つの授業で同じCaseを取り扱い、さらに複数の教授が共に教壇に立って講義を行ってくれました。このように、「コア科目単体での学び」と「実務への応用イメージ」を繋げられるような工夫がなされていました。


また、”Integrate”された講義運営を可能にする教授の熱心さ、教授同士の連携の良さや、学生目線で考えてくれる学校側のフレキシブルな対応も非常に印象的でした。例えば

[熱心さ]
噂によれば、Kelleyのコア科目教授陣は、その年のコア科目が終了した時から、次年度のコア科目の講義改善検討を始めているとのことです。

[連携の良さ]
また、授業同士の直接的な連携の有無に関わらず、教授陣は他の教授がどのような内容を生徒に教えているか理解しています。

[学校のフレキシブルな対応]
秋学期を通して同じクラスの仲間と授業を受けますが、裏返せば「違うクラスになってしまった人とは接点がない」ということです。学生側からそんな意見を学校に申し出たところ、クラスをシャッフルして受講する日(つまり普段一緒に授業を受けない生徒と授業を受ける機会)を設けることを許可してくれました。
教授側の視点で言えば、出席確認が面倒とか、クラスごとに授業の進度を合わせなければならない等、面倒な部分もあったかと思いますが、学生側の思いを尊重してくれる温かい校風を感じた一面でした。



秋学期最後の難関:Final Case Competition

9教科のコアを全て終えると、Final Case Competitionに突入します。これは、コアにて組んだチーム対抗の学内コンペです。課題発表時から4日半かけて、
   業界分析・課題分析 → 解決策のアイデア出し → 発表資料作り → 発表練習
を行い、Executiveメンバー役の教授陣に対してプレゼンを行いました。

今年のテーマは、「某米大手映画館チェーンの経営課題を特定し、今後5年間の間に企業価値を高めることができる策を提案せよ」というものでした。
私もコアで学んだ知識と経験を総動員し、チームメンバーと共に戦略を練ってプレゼンに挑みました。結果、教授陣から提案に対する鋭いツッコミ・指摘を受け、戦略の甘さを反省させられましたが、今季の学びの集大成として、非常に良い経験ができたと感じています。

Final Case終了後、チームメイトとの記念の一枚!

コア科目詳細


本投稿の締めくくりとして、全9教科のIntegrated Coreの履修内容詳細をまとめておきます。1年次秋季の学びの具体的なイメージを膨らませるためにご活用ください。
コア科目について、更に深堀りして知りたい方やご質問をお持ちの方は、是非Kelley日本人在校生までお気軽にご連絡ください!

※下記は2019年秋季学期時点でのものです。カリキュラム見直しにより変更される可能性がありますので、最新情報はKelley公式HPにてご確認ください。

[ Critical Thinking ]

 論理的/合理的な意思決定を行うための手法を学ぶクラス。行動経済学、行動倫理、心理学等の知識を交えながら、「なぜヒトは意思決定を誤るのか」「どうすれば正しい意思決定ができるのか」を学びます。
<履修内容詳細>
Dual System Thinking, Prospect Theory, Heuristics & Biases, Rationalization, Social influence & Decision Making

[ Financial Accounting ]

 財務会計の基礎を学びます。仕訳の演習も含まれますが、簿記に経験が無くても教授が丁寧に教えてくれます。
<履修内容詳細>
B/S, P/L, CF (直接法・間接法), 収益認識, FIFO/LIFO, 経営指標、投資、経営統合 等

[ Quantitative Methods ]

 エクセルを活用して統計の基礎知識を学びます。標準偏差や分散、仮説検定等の考え方は、以後履修するコア科目や選択科目においても頻繁に用いられる重要な内容です。
<履修内容詳細>
確率、標準偏差、分散、サンプリング、信頼区間、仮説検定、回帰分析、時系列分析, 各種Case Study

[ Economic Foundations ]

 ミクロ経済学の基礎を学びます。数学の知識が乏しくても授業に付いていけるよう、教授が丁寧に解説してくれます。
<履修内容詳細>
限界分析、相補性、コスト曲線、完全競争市場、独占市場、ゲーム理論、価格決定理論、参入障壁 等

[ Business Communication ]

 少人数クラスで、個人/チームプレゼンテーションとコミュニケーションの演習を行います。一人一人にコールドコールを含めた演習の場が用意されており、個人的に最も緊張しプレッシャーを感じた授業でした。
<履修内容詳細>
Verbal / Non-Verbal Communicationの改善, 実践(スタジオ収録、10分間チームプレゼンテーション) 等

[ Strategic Management ]

 経営戦略論の基礎を学びます。前半はフレームワークを用いた外部/内部分析手法を中心に学び、後半はCase Study方式で経営戦略を深掘りしていきます。
<履修内容詳細>
PEST, 5-force, SWOT, Value-Chain Analysis, VRIO, BCG Matrix, Int’l Strategy, Vertical Integration, 各種Case Study

[ Finance ]

 コーポレートファイナンス基礎の講義を通して、ビジネスのリスクやリターンの定量化や資本構成の妥当性判断等について学びます。
<履修内容詳細>
現在価値、キャッシュフロー、NPV、リスク&リターン、資本コスト、資本構成、オプション、市場の効率性 等

[ Marketing ]

 マーケティングを“Meeting customers’ needs profitably”と定義し、主にB2Cマーケティングの基礎を取り扱います(一部B2Bも含む)。フレームワーク等コンセプトの説明とCase Studyをおおよそ交互に進めていきます。
<履修内容詳細>
5C, STP, マーケティングファネル, 商品開発, ブランド戦略, 市場規模特定, 需要予測, 流通チャネル, プライシング, コミュニケーション戦略, 各種Case Study

[ Operations Management ]

 製品開発〜材料調達〜在庫管理・生産〜流通・販売の設計やマネジメントに関する理論やフレームワークを学びます。
<履修内容詳細>
ボトルネック分析、リーン生産方式、Littleの法則、在庫・生産能力管理、需要予測、品質管理等

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