2012年12月31日月曜日

Kelleyの真価はチームワークに有り!


こんにちは、Class of 2014S.O.です。

コアプログラムについては、既に直近2回のブログで十分に紹介されているので、自分の書くことはもう無いなと思いつつ、でも苦しくも楽しかったこの4か月間を振り返って自分なりにコアプログラムについて書きたい!!と思い、チームワークに的を絞って書くことにしました。

実は自分がKelleyを志望した動機の一つに、Kelleyがチームワークに重きを置いている点がありました。昨年の12月にAGOSで開催されたKelley卒業生による学校説明会に参加した時に、このことを知りました。「協調的な校風のもとクラスメイトと真剣に議論をしたい」と思ったのがきっかけです。

実際、コアプログラムは「チームワークに始まりチームワークで終わった」と言っていい位、チームへのInvolvementCommitmentが求められました。8月のオリエンテーション、ファーストケースコンペティションに始まり、学期中はほぼ全ての科目でチームによる宿題の提出が求められ、メンバー間のフィードバックミーティングを経て、12月のファイナルケースコンペティションで締め括られました。そしてチームメイトからの評価は各自の成績にも反映される仕組になっています。

それでは各場面で、自分がチームワークを通じて感じたことを書き留めたいと思います。


① オリエンテーションを通じて

自分の場合、最初の野外アスレチックのゲームからチームについて行けませんでした。各チェックポイントを回りその場でゲームのルールが配られチームでクリアしなければならないのですが、時間制約がある中、周りのメンバーは即座に説明書を読んで理解するのですが、自分は読むのが遅くてついて行けない。。。チームメイトに聞いても皆焦っているので早口すぎて理解できない。。。結局ゲームの目的やルールを良く理解できない中メンバーに促されるまま動いて、そのまま時間切れ。自分は、明らかにチームのお荷物だと感じました。責任も感じました。

でもこのオリエンテーションの良かった点は、終了後にAAR(After Action Review)という所謂反省会を開いた点でした。自分達のチームは事前の期待と比べて上手く機能したか?各人はどのようにチームに貢献したか?次回勝つためにはどう改善したらよいか?
自分は正直に「自分の英語力は未熟で、皆について行けなかった。でも出来る限りチームに貢献しようと努力した。各ゲームのルールは理解できなかったけれど次のチェックポイントを探すのに、僕は一生懸命走り続けて誰よりも早く見つけ出したよ。」とコメントしました。まだ出会って数日しか経っていないチームメイトからは「皆頑張ってやっていたけれど、皆がルールや役割を理解できているかもっと確認すべきだった。特にS.O(私のこと)をサポートすべきだった。S.Oも分からなければもっと声を上げるべきだった。当初の役割分担も途中からぐじゃぐじゃになってしまった。時間制約の中で皆が混乱していた。」という話が出ました。私は「チームから見捨てられていなかった」と内心ほっとした反面、全くついて行けなかった自分を情けなく思い、今後どうやってチームに貢献していったらいいのか途方に暮れました。

ここでの私の学びはAARの重要性です。もしAARが無ければ、メンバーは敗北感を感じながら、「果たしてこのチームで今後パフォーマンスを上げていけるのだろうか?チームワークは程々にして個人プレーに走った方が得なのではないか?」と疑念を抱いたのではないかと思います。建設的な反省会を開いたことで、各人がゲーム中どう感じていたか、チームをどうしたいと思っているのか、正直にぶつけることが出来、最終的には皆が「次に向かって頑張ろう」という気持ちになることが出来たと思います。これはもちろんビジネスのチームビルディングでも重要なことだと思いました。


    ファーストケースコンペティション(チーム対抗)を通じて

上記アスレチック活動の翌週に開かれたもので、これも限られた時間内でチームとしてアウトプットを出さなければならないものでした。我がチームは、プレゼン当日の朝3時まで学校に残って資料を仕上げ、プレゼンの練習は朝7時に集まって開始し、朝9時の本番に備えるという始末で、酷いタイムマネジメントでした。議論も混乱を極めました。まだ出会って1週間程度ですから、まずどこから議論を始めるか、何を議論するか、どうやって議論を進めるか、どうやってチームとして結論を導いていくか等、議論の土台となる共通認識がありませんでした、最初のうちは皆好き勝手に意見を言って、思いつくままに議論を広げて全く収集が付きませんでした。単純なことですが、誰も議論の内容をホワイトボードに書き留めないので、自分達が何を議論しているのかさえ分からない迷走ぶりでした。そこで私が議論を整理して書き出し、可視化してそれを土台に次の議論に進める役割を買って出ました。議論は前に進みましたが、当初のスケジュールが押して期限まで時間が無い!!提案内容の詳細についてチーム内でじっくり煮詰め切れないまま、最終的にチームを二つに分けてプレゼン資料作りに取り掛かることにしました。後刻、プレゼン資料を合体させようとすると、想像していた通り問題が起きました。お互い頭に描いていた戦略の内容が少し違っていたのです。つまりそれに合わせて会社の予算や収支計画も整合性が取れなくなってしまいました。

「あれ?こういう戦略にしようって話じゃなかったっけ?」
「いや、こちらの方が迫力があって説得力があるから変えるべきだ!」
「変えたなら変えたって早く言えよ!!」
「言おうとしたけど、皆疲れ切って聞く耳持たないから伝えられなかったんだ」・・・
そうです、皆慣れない仲間との長時間の議論と時間制約のプレッシャーで疲弊し、コミュニケーションが十分に取れていなかったのです。

本番が終わって審査員の居る部屋を出た途端、お互いの不満が噴出して反省会が始まりました。皆、自分自身も出来ていなかったのに、そのことを棚に上げて、相手に対し批判ともつかない意見をぶつけるのです。日本人だと「自分も出来てない癖に、そんなこと言う権利があるのかよ」と言いたくなりますが、アメリカ人の意識には「自分が出来ていようが出来ていまいが、相手が出来ていなかったら相手の為にフィードバックをしてあげる」という考え方があるようです。「これが出来ていなかった」、「何であの時こうしたのか理解できない」等々、なかなか建設的な議論になりませんでした。ある程度責め合って疲れてきたところで、あるメンバーが口火を切りました。
「皆、今回の失敗を繰り返したくない気持ちは同じ。皆と上手く協力したい、チームに貢献したい、そして良いパフォーマンスを出したいという気持ちも同じ。次回に向けて何か方策を考えよう。」

ということで、以降我がチームには3つのルールが出来ました。
・「コラボレーションタイム」というチーム内で情報共有する時間を必ず作る
・タイムマネジメント強化の為「ハードストップ」の期限を幾つか作り、それまでに終わらなければ皆で協議して解決する
・自分の手が空いたら、他に手伝えることがないか周りに声を掛ける
これらの教訓は、12月のファイナルケースコンペティションで活かされ、比較にならない位内容の濃い議論をすることが出来ました。

書き出してみると、とても基本的なことばかりで、読んでいて呆れる方もいらっしゃるかもしれません。でも各メンバーがそれぞれ違う文化を持って育ち、お互いキャリアも違って、働いてきた環境も違う者同士が共同作業をする為には、こうしたところから失敗をし、合意形成を創り上げていかなければいけないと強く実感することが出来、自分にとって学びの大きいものになりました。


    学期中のチームアサインメントとファイナルケースコンペティションを通じて

上記のような失敗を繰り返しながら、毎週末のようにチームで集まって宿題に取組むようになると、次第にお互いの気心も知れ、得意不得意が分かるようになり、自然とチームにおける各人の立ち位置も定まってきます。それでもお互いの主張が強いので、チームの議論を舵取りするのは毎回真剣勝負です。

ここで自分が感じたことは、各人各様のリーダーシップの執り方が存在するということです。MBAに来る前は、「グローバルな環境で活躍するリーダーは斯くあるべき」「グローバルリーダーシップとはこういうものだ」みたいな画一的なものが存在して、それを習得したいと考えていましたが、今感じていることは、そういうものは果たして存在するのだろうか?ということです。その時の環境やメンバーや、時期が違えば、リーダーシップの有り方は変わってくるはず。それに各人各様に認めるべき長所というか性格というか人格が存在する中で、画一的なモデルは存在しないのではないかと思うようになりました。

実際チームメイトがそれを証明しています。一人のアメリカ人は少々時間にルーズなところがありますが、常に前向きで、チームが疲弊し議論が行き詰って皆がストレスを感じている時でもメンバーを元気づけてくれました。また最終的な成果物についても納得の行くまでメンバーに計算根拠や前提となる論拠を確認するので成果物の質を担保してくれます。もう一人のアメリカ人(女性)は、几帳面で責任感が強く、皆の議論を率先して書き留めてくれ、皆が気付いていない議論の空白部分などを指摘してくれました。インド人は、負けん気が強く、チームの成果物に対する成績が低いと教授のところに乗込んで抗議したり、また他人の意見にも上手く乗っかって発言をすることで皆にインスピレーションを与え議論をリードしてくれる役割を果たしてくれました。

こうしたチームメイトを見て、リーダーシップの習得は、他人の良い点を学び、自ら試して実践する中でしか育まれないと考えるようになりました。つまり、色々な人とチームを組んで積極的にチームに関与する中で、様々な経験を積んでいくという方法です。そういう意味では、チームワークを重視するKelleyはその為の環境を色々と用意してくれていると実感しています。

ちなみに上記リーダーシップ観は現時点のものです。自分なりにまだ答えを見出せている訳ではありません。今後の学校生活でまだ修正されるかもしれません。でもそうやって少しずつ蓄積して更に磨いていきたいと思っています。今確かに言えることは「自分が深く関わって努力した分だけ、自分の学びも比例して大きい」ということです。

(チームメイトを自宅に招いてお疲れ様会を開催。皆頑張ってお箸を使ってくれました!)

Kelley在校生ブログをご愛読の皆様、在校生一同来年も頑張って生の声をお伝えして参りますので、引続き宜しくお願い申し上げます。それでは皆様、良いお年を。

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