2014年1月21日火曜日

ケースコンペティション



皆様こんにちは、class of 2015AHです。

渡米して半年、忙しかった最初の秋学期も何とか乗り切り、この調子でアメリカ生活をエンジョイしたいと思っていた矢先に、アメリカ東部を襲った大寒波により、当地ではマイナス25度という驚異の低温を記録しました。私は札幌で生活したことがあり、それなりに寒冷地に慣れていたつもりですが、やはりアンダー20の威力はすさまじく、試しに外出した際には、あまりの寒さに「低体温症」や「凍傷」といったワードが頭をよぎりました。慣れてきた頃にこんなとんでもないアイテムを繰り出してくるとはさすがアメリカ、懐が深いです。

 さて本日は、MBA 1年目 秋学期のハイライトである、ケースコンペティションについてご紹介したいと思います。ケースコンペティションはこれぞMBAといった内容のプログラムで、とある企業の経営課題がお題として出題され、MBAの学生がチームを組んでプレゼンを行うというものです。お題の発表からプレゼンまでは通常数日間というケースが多く、その期間は文字通り朝から晩までチームで議論をしながらプレゼン資料の作成や想定される質疑の練習などを行っていきます。

 今年のお題は部品メーカーの成長戦略に関するもので、成熟した先進国市場と、成長著しい新興国市場における成長戦略を提示するというものでした。プレゼンの評価としては第一ラウンドで教授陣による選考が行われ、第二ラウンドに勝ち進んだチームは、次に当該企業の幹部による選考を受けます。Kelleyの場合はこのケースコンペティションの評価が秋学期の成績に大きく影響することや、秋学期のハイライトということもあり、学生たちは皆テンションが高く、やる気全開で取り組んでいました。

 私のチームでは、成長戦略という、漠としたお題にどのように具体性を持たせるか、付加価値を付けるためにはどのようなデータが必要で、どのようなロジックで伝えるべきか、そもそも何がゴールだっけ?、等々、ともすると出口の見えない議論や試行錯誤を繰り返しつつ、何とか資料を仕上げて練習を何度か繰り返し、いくばくかの達成感と緊張感をもって迎えた当日のプレゼンの結果、見事に文字通り討ち死にしました。

 選考担当の教授の突っ込みの厳しいこと厳しいこと。質問に答えられずしばらく沈黙が支配するあの空気は、ここしばらく感じていなかったものでした。曰く、「で、結局バリューアッドは何なの?」、「全然響かない。何を説明しているの?」、「なんでこれまでクライアント企業はそれをやっていなかったの?」、 「君が説明しているのはそれホントに戦略か?(これは一番ビビリました。)」、 となかなか渋い経験をもってMBA最初の学期が終了したわけですが、この経験を通じて、経営幹部の目線で企業戦略についてのストーリーを語ることの重要さを学んだように思います。これまで企業の一社員(いわゆる下っ端)として仕事をしてきた身としては、やはり細かな計数の積み上げから物事を考えがちですが、実際に企業経営を考える上では、(その視野が下っ端社員に必要かどうかは別として、)もっと大局的な観点が必要だなと痛感しました。一方で、企業戦略の結果の評価はやはり具体的な数値(当期利益など)でなされるわけで、大きなビジョンとしての戦略と、数値への落とし込みを両立させるのは本当に大変だと思います。ということで、企業経営・方針決定の大変さと面白さを感じることのできる貴重な経験だったと思います。上級生や教授からの事後のフィードバックも非常に具体的で大変参考になり、とても貴重な体験でした。

(写真はプレゼン後の打ち上げのランチの際のものです。見事に一次予選敗退ということで、皆変顔でキメています)

0 件のコメント:

コメントを投稿