最近のBloomingtonはめっきり涼しくなり、秋色に染まっております。
秋といえば、「読書の秋」でしょう、ということで、日本から山崎豊子の「沈まぬ太陽」(計5冊)を入手し、先週末読みふけっておりました。
久しぶりにサラリーマンの根回し社会を垣間見て、懐かしくなるのと同時に8ヵ月後に迫った社会復帰が恐ろしくなった次第です。
さて、前回の告知通り、今夏、フランスやイタリアを中心としたヨーロッパ滞在中に、フランスのブルゴーニュ地方、イタリアのトスカーナ地方のワイナリー巡りをした際の体験談を書かせていただきます。
【フランス人はやっぱりラテン系。商売っ気は全然なし。】
ブルゴーニュもトスカーナも共通して言えることは、ワイナリーに人がいない、ということ。
昨年のサンクスギビングに行ったNapa Valleyのワイナリーでは常に試飲客対応者が待機しているので、アポなしで訪問しても全く問題ないのですが、こちらのワイナリーは試飲客対応者というものが存在せず、畑仕事が無い時はワイナリーにいて、試飲に来た客を対応するという全く商売っ気の無いスタイル。
確かに、Napa
Valleyでは試飲代として$10-$30ほど必要なのに対して、我々が訪れたワイナリーでは試飲代はタダ! 「Napaのように商売っ気を押し出していけば、もっと繁盛するのではないか」という考えが思いついてしまいますが、それはワイン作りに対するフランス人の考えとアメリカ人の考えの差から来るものでしょうか。
ブルゴーニュでは赤であればピノ・ノワール、白であればシャルドネを100%使用することがワインの呼称に「ブルゴーニュ」を含める為の条件なので、ピノ・ノワールとシャルドネを中心に楽しみましたが、シャルドネはNapa Valleyのシャルドネと全く異なり、私的にはブルゴーニュのシャルドネの方が好み。
ブルゴーニュ内で同じ作り手、同じ製造方法で作られた同じヴィンテージのワインもでも畑が違うことで全く違う味わいで、テロワールのワイン作りにおける重要性を実感しました。
ちなみに、ワインは最早投資対象コモディティと化している様で、中国人がブドウ畑ごと買う動きもあるようです。
(有名なロマネ・コンティのブドウ畑)
【朝からバローロ→昼には胃もたれ事件】
イタリアのトスカーナ地方では妻がイタリア料理修行時代の友人(2人)と一緒にワイナリー巡り。
妻の友人のうちの1人(S氏)が大阪でイタリアン居酒屋を創業・経営している社長を連れてきたので、この方も一緒に同行。
この社長、よくよく話を聞いてみると結構凄い人ということが判明。年齢は30代半ばでまだ若いが、この不景気の中、なんと関西で6店舗も展開しているビジネスオーナー。 自身はピザ職人らしく、ナポリピザ世界選手権で6位入賞したこともあるらしい。「美味しいものを手ごろな値段で」というコンセプトが全身からにじみ出ており、日本に帰国した際は足を運んでみたい店である。
さて、このシャチョウさん。 自分の店で売るワインを仕入れにS氏のつてを頼りにイタリアの片田舎ピエモンテまで遠路はるばる来たとの事。
興味本位で「何本ぐらい買う予定なんですか?」と聞いてみると、
「120本」
という返答が。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「120本!?」
驚愕である。
「す、すごいですね。 赤と白の割合はどんな感じでお考えですか?」
「そりゃ、バローロ(赤)のみよ。」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんですと。
バローロのみを120本ですか。
バローロは長期熟成に耐えるしっかりとした渋みと、深いコクを備えるワインで、日本のイタリアンレストランでバローロをボトルで入れようものなら、一万円はくだらないであろう。
ワイナリーの人もこの社長が120本買うということを知っているので、大判ぶるまいである。
7種類ほど試飲させてもらったが、全て試飲用の量ではなく、普通のグラスワインとして提供される量を皆のグラスに注いでいく。
おつまみも、各種サラミ、チーズ、グリッシーニが盛りだくさん。
ニッポンサラリーマンである(だった)私は、モッタイナイ精神から注がれたワインは全て飲み干すという暴挙に。
社長がいたおかげで、私たちは思いがけず良い思いをしてしまったが、重たいバローロを朝10時から飲みまくった後遺症は意外に重く、夕方近くまで胃の調子が芳しくなく食欲がわかないほどであった。
ヨーロッパの他の地域でも各地域特有のワイン等を楽しんだ結果、私は約50本のワインを購入し、大半のワインをアメリカの我が家へ郵送(一部日本の実家へ)。
今も夏の思い出話と共にワインを楽しんでいますが、全部飲みきるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
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