2016年3月5日土曜日

Capstone Week

こんにちは、Class of 2016のS.M.です。Bloomingtonでは三寒四温といった天気が続いています。“寒”では雪が降ったり零下を記録する一方で、“温”では15℃近くなり爽やかな春の日差しを楽しめるといったところで、日々変化が激しいです。さて、今回はSecond yearのまとめに当たるCapstone Weekをご紹介したいと思います。

Capstone Weekは2年生の春学期の中間時点で行われる4日間の集中プログラムで、今年はDesign ThinkingとSimulationの二つのコースに分かれて行われました。プログラムの位置づけとしては、2年間で学んだことを応用して問題解決に取り組もう、というものです。

MBAのスケジュール:
http://kelley.iu.edu/MBA/KelleyAdvantage/HowtheKelleyMBAWorks/page38348.html#

Design Thinking

デザインシンキングのコースでは、身近なデザイン上の課題を特定し、ユーザーの観察やディスカッションを経て解決策を探り、プロトタイピングの繰り返しによる素早い問題解決方法について学び、実践します。ここでいう、“デザイン”とは色・形状・質感といったものに限定されず、あらゆるモノやサービスの特徴を含みます。5人のグループに分かれてそれぞれ課題を特定していくのですが、チームごとに取り組む課題は、デザイン上の課題がある、ということを除いては一例を以下に示すように全く異なっていました。
  • ブリスターパッケージを開けやすくする
  • 子連れでのスーパーマーケットでのショッピング体験を快適にする
  • ゴルフコースを回る際のグループ毎のプレー速度の違いを調整する
  • Kelleyにおけるエレクティブの選択プロセスを分かりやすくする
  • 冷蔵庫に残って腐ってしまう食材を減らす
  • King Dough(Bloomingtonにあるピザ・レストラン)のテイクアウトプロセスを改善する
私たちのチームはリストの最後にある、テイクアウトのプロセス改善をテーマに取り組みました。実際にレストランにいってピザを食べつつテイクアウトするお客さんを観察したり、店の外で入っていくお客さんを観察し、テイクアウトしてきたお客さんにどのような体験をしたかインタビューしました。また、テイクアウトの注文をし、実際に体験しつつ店員に話しかける中で何が根本的な課題なのかということを調査しました。
テイクアウトに課題のあるレストランですが、ピザは美味しいです。
イタリアンミートボールやジェラートも良いのでBloomingtonにお越しの際は是非!

書いてみるととても単純なことなのですが、定量的なデータでは把握しにくい“ピザのテイクアウトが上手くいっていない”という課題を顧客の立場から分析しすることで、“どのような人が、どのような理由で、ピザをテイクアウトし、そのとき何が起きているのか”が明らかになり、原因が把握できます。

テイクアウトとイートインの人数比率、それぞれの典型的な顧客の要求の違い、店員から見たそれぞれの顧客の重要性、問題が調理プロセスなのか・会計にまつわるプロセスなのか・ピザを手渡す部分なのか、など様々な要素をディスカッションしていきます。そして、店内を簡単に再現しロールプレイングによるプロトタイピングを経て明らかになった結論は、“テイクアウトとイートインのプロセスを分けるために店内の表示を改善し、テイクアウト専用の待機場所をサラダバーの付近の未活用スペースに作り、レジスターを移動させる。”というものでした。
人気のお店でいつも人が集まっています。
忙しい中、プロセスがはっきりしていなかったことでテイクアウトのプロセスに混乱が生じたのでしょう。

普段、MBAの授業では定量的、系統的なアプローチを学ぶことが多いため、Design Thinkingは違った視点から問題をとらえる良い練習になりました。身近な課題に顧客視点から素早くアプローチし全体を把握して、“とりあえずの解”を求めることで、次のステップに繋げる。 “情報が不十分”を言い訳をせず、ビジネスを次のステップに素早く進める上で役に立つ方法論を学びました。

Simulation

こちらのプログラムは私自身は参加していないのですが、分かる範囲で紹介します。シミュレーションのプログラムではチームに分かれて仮想の企業を運営しつつ、他のチームと同じ市場に参加して成果を競い合います。通常、事前にプログラムされた環境で行われることの多いシミュレーションとは異なり、競合企業を動かすのが同じMBAの生徒となるため、より実際の環境に近いハードな競争になります。

顧客セグメントの分析による製品仕様の最適化、イノベーションのジレンマへの対応、ゲーム理論に基づく価格設定、財務モデルを構築して資金需要面の問題がないか把握する、などビジネススクールで学ぶ様々な要素を活かして、最適な運営戦略を見つけ出す点が重要になってきます。多様な、かつ、自分と同程度に判断力があるプレーヤーがいる市場では、誰もがDefensiveな戦略となりがちである、といった通常の授業とは違った学びが得られる点が魅力です。以下はシミュレーションのコースに参加した同級生の感想です。
❝このプログラムでは不確定要素(主に競争相手の出方)に大きく左右される市場の中で、限られてた時間でチームのコンセンサスを築いてMarketing、R&D、Operation、Finance等の意思決定をしていくプロセスを学びます。

市場が変遷していく中で当初立てた長期戦略を見直す必要に迫られたときに何度も意見が衝突しましたが、自分の意見をチームメイトに納得させるにあたって合理的な仮説や数字に基づいた議論がちゃんと英語で出来たあたりは、2年間の成長を実感しました。❞
以上、Capstone Weekについてお伝えしました。2年生も4分の3が終わったこの時期になると、卒業要件単位を揃えた人、卒業後の仕事の決まった人とそれぞれそうではない人と、かなり個人の状況に違いがあり、1年生の始めとは違った少しゆったりとした空気が流れているようなところがあります。残りあと少し、有意義なKelley lifeにしていきたいものです。

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