2016年5月28日土曜日

1年間のMBA生活を終えて

こんにちは、Class of 2017のK.Hです。5月6日、Kelleyでも卒業式が行われ、3名の2年生が卒業されていきました。また来年度に向けた合格者の方からも何人も質問を受けており、ちょうど入れ替わりの季節になっています。私自身、1年間MBAを終え、少し感じたことや1年間のスケジュールなどを記載したいと思います。

1.年間スケジュール


1年目のサマースクールからカリキュラム終了までのスケジュールは概ね以下のとおりです。

  1. 6月10日-7月末:サマースクール「Intensive English School」
  2. 8月1日-5日:Accounting、Finance、Business Analysis 未修者向けの準備コース「Jump Start」
  3. 8月7日-18日:就職活動準備とリーダーシップ研修「Me, Inc」
  4. 8月22日-12月15日:Fall Semester
  5. 1月9日‐5月5日:Spring Semester 

その後夏休みとなり、2年生はまたFall Semesterから始まって5月初旬に卒業していくことになります。KelleyのMBAは21か月ですが、サマースクールが他校に比べるとかなり早く始まりますし、成績のつかない「Jump Start」や「Me, Inc」もありますので、本格的に第1セメスターが始まるまでの助走期間がだいぶ長く取れます。

私自身、入学当初は周囲がなにを言っているのか分からずにだいぶ落ち込むことも多かったですし、それは最初のFall Semesterが始まっても同じでしたが、それでも長い準備期間を持てることは大きな意味はあったと思います。

2.1年間を終えて


卒業された2年生のみなさんが自問自答されていますし、多くのMBA経験者が語るところでもありますが、「MBAがどういった意味を持つのか」ということは私にとっても大きな問いであります。社費ということもあり「当社での仕事を行う能力は、当社内で働くことで、最も効率的に伸ばすことが出来るのではないか」という仮説は常に頭にあります。MBAで学んだことをそのまま会社のなかで使うような機会は、そんなに多くないのかもしれません。

それでも会社に多額の援助をもらいながら留学している以上、帰国後貢献できるだけの強みを身につけなければなりません。また、そういった危機感や緊張感は、モチベーションの源泉にもなりますので決してネガティブなものではありません。自分の強みや弱みを振り返りつつ、将来のキャリアプランに基づき、ハードスキルやソフトスキルを鍛えていくことの出来るMBAは、やはり非常にやりがいがあります。

3.英語力等について


多くの日本人生徒にとって分かりやすいMBAの恩恵と言えば、英語力があると思います。ですが、「アメリカでMBAで1年間も過ごしていればもう英語はペラペラだよね」なんてことは全くありません。英語力で非常に苦労することは大半の日本人生徒にとって避けられないことだと思いますし、それは渡米前に考えていたよりも大変なものになると思います。さらに言えば思ったよりも英語力は伸びてきません。

Kelleyの場合サマースクールが他校に比べて7週間と長く、渡米前はこれだけアメリカに住んで英語を学べばMBAでもそれなりに使えるくらいのコミュニケーション力がつくだろうと思っていました。しかし実際に蓋を開けてみると、それだけの期間を経てもなお、日常会話でも授業中でもさっぱり分からないことが大半です。特に酷いのがグループでの取組みで、数十分、数時間と周りがなにを言っているのか本当に理解できないまま過ぎていくことがあります。1年たった今でこそ当時ほど酷くはありませんが、今でも会議で置いてけぼりになり惨めな思いをすることなど日常茶飯事です。

MBA卒業後にアメリカ現地で働かれている日本人の卒業生と会う機会が何度かありましたが、その方たちも一様に口を揃えて「英語力では苦労している」と言います。10数年前にMBAを取られた当社の先輩にも相談したところ、「短期でどうにかなるほど英語は甘くない。真摯に取り組み続けて少しずつ伸びるもの」との応えを頂きました。10年20年海外で働かれている別の方が「英語は苦手、会議などは準備していかないと本当にダメ」と今でもおっしゃっていました。1年たって、こうした方たちの言葉がより真実味を持って理解できるようになりました。今ではコミュニケーション力はキャリアをかけて伸ばしていくものだと思っています。

しかしこうした壁を乗り越えて上手くチームを乗り越えて成果を出せたときは本当に気持ち良いものがあります。最初は周りについていくことさえ出来なかったのに、時にはチームをリード出来ることがあります。ネイティブに提案し、議論をオーガナイズし、チームとしての結論を出せる日が来るなんて!こうした成長過程を実感することは本当に日々の苦労が報われた思いがします。

最初の1年間はアッという間に過ぎました。次の1年はもっと早く過ぎ去っていくのだと思います。卒業までもう時間は残されていません。最初の1年に比べ2年目は難易度が下がるのは当然です。今年以上に自分を追い込んで今年以上に成長していける1年にしたいですね。





2016年5月1日日曜日

魔法の杖なんてない、が思いは大切に(本音のWhy MBA?)

こんにちは、Class of 2016のS. M.です。卒業式まで残り1週間を切っており、今回がMBAの学生としては最後の投稿となります。

同期にあたるM. I.さんがMBAでの留学生としての体験と成長について、S. T.さんがアメリカ/Kelleyで学ぶ意義について、と素晴らしい記事を投稿されているので、ぜひ読んでいただきたいのですが、私としては少しシニカルな視点から留学を終えるにあたり考えていることを書きます(私費留学寄りの話になっています)。

Just a tool

MBAがあれば、あなたは世界を良い方向に変えられるのでしょうか。MBAがあれば、あなたは優秀な経営者になれるでしょうか。…国際的な起業家になれるでしょうか。…仕事で優秀な成績を残せるでしょうか。…未経験の職種に転職できるでしょうか。

キャリア、マネジメント、ゴールにとってMBAは絶対に必要?

もし、受験生の方やビジネススクールへの留学を考え始めた方(あるいは単にMBAって何?という方)で、これらの問いへの答えが”Yes”だと思われるのであれば、一度”MBA”という単語を使わずにこれらのテーマについて考えることをお勧めします。

MBAは人生を豊かに出来るツールの一つですが、人生にとって唯一必須のものではないです。当たり前のことですが、何か目的があったとして、成し遂げる方法は常に複数ありますし、目的そのものを深く考え直すと、より良い他の目的が見つかることもあるものです。そのため、留学するかどうかは、どのような人生にしたいのか、という本人の考え方によるように思います(会社に指示されて…というならば、このツールをどう活かし、帰国後に会社に貢献するのかを考えるのが社員としての立場でしょう。)。

Not a Magic Wand

MBAはどんな問題でも解決してくれる魔法の杖ではありません。英語が話せるようになり、ストラテジー、マネジメントについて外国人とも議論できるようになり、問題を整理して解決するフレームワークをたくさん身に着ける。MBAに通えばこれらの能力自体は磨かれるかもしれませんが、では、これらの能力があれば全ての問題が解決するかといったらそうでもないわけです。

MBAは全てを解決する魔法の杖だろうか?何が出来て何が出来ないのか。

英語が話せたところで十分ではなく、直近では中国でのビジネスには中国語、長期的にはアフリカでのビジネスにはフランス語や他の現地語も話せたほうが良いでしょう。そもそも、英語自体の力で、ネイティブを上回ることはできませんし、言葉が話せるだけで問題が解決するわけでもありません。
ストラテジー、マネジメントについて議論したところで、実際に部下をやる気にさせて目標を上回る成果を挙げるには、個人レベルでのウエットな対応も必要になるでしょう。戦略や経営を語ってみたところで、実行力がないのであれば画餅に帰すわけです。
また、フレームワークというものは便利に見えるものの単なる枠組みに過ぎず、中身であるドメインの知識は自分でさらに学ぶか人を通して知る必要があります。また、フレームワークは適用の限界があり、それを超えて適用すれば企業を滅ぼす原因にもなり得ます。ケース・スタディでフレームワークの適用限界を議論するといっても、そもそもケースというのは理想化された状況であり、学びがそのまま現実社会で活かせるとも限らないです。

Okay, then why MBA?

ではMBA留学を選ぶ本当の意味とは何なのか、本音のWhy MBA?は、というと、人生という一度きりしかない体験をどのように過ごしたいのか、自分がどのような人間なのか、というところに尽きると思うのです。具体的なスキルであれば、何も海外MBAに留学しなくても習得する方法はたくさんあります。しかし、新しいことをしてみたい、違った環境から受ける刺激が好きだ、少数派の自分の存在意義を主張する困難ささえ自分の人生の糧にする、という人で、なおかつ、ビジネスクールの提供するハードスキルやソフトスキルが必要であるというならば、海外MBAに留学することが最高に楽しい2年間になるかと思います。

Kelley School of Businessの校舎。2年前にやってきたときは勝手が分からず右往左往したものです。

私自身、エッセーやインタビューでは、職務経験とキャリアゴールとのギャップを埋めるために必要なスキルはXとYとZで…といった話をしてきており、これ自体は今でも間違いないですが、同時に“MBAに行ってみたい。”と思ったときの新しいことに対する純粋なワクワク感といったものも変わっていません。実際、2年間をKelleyで過ごしてみて、スキルや人格面で鍛えられ、結果としてキャリアの方向性も大きく変えられたというのもあるのですが、新しい環境で困難があっても解決する中で自信がついたということと、学校・日々の生活・インターン・海外プログラム・休み中の旅行など本当に楽しかったということも同じくらい大切です。約4年前の“ビジネススクールに行こう”という気持ちをそのまま放置せずに本当に良かったと思います。

Cheers for all

これから受験準備に入られる方、既に受験勉強中の方、そして今後MBAに進学されるすべての方へ。受験プロセスは何かと大変なことも多いと思いますが、それ自体、自分について考える貴重な経験だと思って取り組んでください。そして合格した暁には、ぜひ最高に楽しい2年間を過ごしてください!
Indiana Universityの正門・サンプルゲート。在校生一同、みなさんをお待ちしています!

Bloomingtonで楽しむエスニック・レストラン5軒

Class of 2016のS. M.です。M. I.さん、S. T.さんとMBAの総まとめといった投稿が続いていますが、2年生としての最後の投稿前に別の話題で投稿します。これまで、Bloomingtonのステーキビールを紹介した記事を投稿したのですが、今回はエスニック・レストランについて書きます。アメリカに来るとバーガー、ステーキといったアメリカ料理、その次はメキシコ料理が目につくのですが、今回はそれら以外の地元のレストランをご紹介します。

Turkuaz Café - トルコ料理

http://www.yelp.com/biz/turkuaz-cafe-bloomington
トルコ料理では、近くにあるAnatoliaが学生には人気のようですが、その少し離れたところにあるこちらのレストランも負けず劣らず美味しいトルコ料理を出してくれます。フランスパンのような形のPidesがお勧めです。カリっと焼き上げた生地に肉汁たっぷりの具材が包まれており、暖かいまま食べると旨みが口中に広がります。また煮込み料理であるpot kebabもシチューともカレーとも違う別の美味しさでお勧めです。

カリッと焼き上げた生地に肉汁たっぷりの具材を包んだPides

Samira Restaurant - アフガニスタン料理

http://www.samirasrestaurant.com/
アフガニスタン料理、と言われると中々、何が出てくるのかイメージし難く敬遠してしまう人も多いと思うのですが、ぜひお勧めしたいのがこちらのレストランです。基本的にはトルコ料理で見られる串焼き料理であるケバブと米を主食としたメニューで、それほど変わったものが出てくるわけではないです。しかし、こちらのケバブは肉に味がしっかりと滲み込んでおり、スパイスの香りが肉のうま味と合わさり絶品です。また、主食の米は優しい味付けで、和食やインド料理で食べる米とは違った美味しさで、ついつい食べ続けてしまう味わい。
しっかり味のしみ込んだケバブと付け合わせのライス

My Thai – タイ料理

http://mythaicafeusa.com/
学生の間でも人気のタイ料理店です。米あるいは米麺を使った料理あるいは炒め物で主に甘辛い味わいに仕上げたものと、スープ類でトムヤンクンのように酸味を利かせたものが食べられます。何度か足を運んでいますが、どれを注文しても美味しく安心して使えるレストランの一つです。人気からか最近は2店舗目もオープンしたようで、新店舗ではなぜか寿司も提供している様子…これからの展開にますます期待のレストランです。

タイ風焼きそば(Pad Thai)は癖になる味わい

ナンは意外と小さいのですが、
薄焼きで美味しく、
カレーを食べていると体が底から熱く

Taste of India - インド料理

http://www.tasteofindiabtown.com/
インド出身の学生に聞くと評価が分かれるようですが、日本人として食べると美味しいと思ったインド料理店がこちら。辛さはインド仕様なのか、普通の辛さで頼むと体の底から熱くなり汗をかくような仕上がりになります。メニューは色々とありますが、バターチキンとオクラの炒め物は食べやすくおいしいのでお勧めです。なお、ランチにはバフェもやっているのですが、料理の質が落ちるので単品をお勧めします。







Mama’s Korean BBQ Restaurant - 韓国料理

小皿料理が色々ついてきて箸休めにぴったり
http://www.yelp.com/biz/mamas-restaurant-bloomington
アメリカでこういうのが出てくるとは、とちょっと驚くようなしっかりした味の漬け込み肉の焼肉と小皿のサイドディッシュ、キムチが揃う本格的な韓国料理店です。ハサミで肉を切り分け、炭火で焼き、サンチュに包んで食べ、美味しいと思って回りを見渡せばお客さんの大半がアジア系留学生。これは流行って当然だなあ、と納得の味でした。




今回は、アメリカ料理、メキシコ料理では、少し珍しい料理を出してくれるレストランを色々と紹介しました。どのレストランも個性的で楽しいですよ。KelleyをVisitしたとき、あるいはこちらに留学した時にはぜひ行ってみてください。

Indiana Universityで楽しむ音楽系のイベント

レストランに続いてもう一件。Class of 2016のS. M.です。Indiana Universityというと、Kelley School of Businessも看板学部の一つなのですが、Jacobs School of Musicは全米でもトップに位置する音楽学部で1,600人の学生とクラシック、ジャズから声楽まで幅広く抱える学部です。そのため、Indiana UniversityおよびBloomingtonでは手軽に音楽に触れられる環境が整っています。この記事では、これまで聞きにいった様々なコンサートとその会場を紹介します。

Bobby McFerrin at BCT

http://info.music.indiana.edu/releases/iub/jacobs/2015/03/IU-Jacobs-School-of-Music-vocal-jazz-ensembles-welcome-vocalist-Bobby-McFerrin-in-their-April-6-concert.shtml

Indiana UniversityのVocal Jazz専攻の学生たちの合唱団が、グラミー賞を10回受賞しているBobby McFerrin(日本では、CMに何度か使われているDon’t Warry Be Happyで有名。)をゲストアーティストに迎えてのVocalのコンサートです。Bloomingtonの古き良き時代の面影を残すBuskirk – Chumley Theaterという小さなホールで行われたのですが、Bobbyの貫禄を見せつけられました。歌い始めは今一つ自信のなさそうだった学生たちが、Bobbyとセッションを進めていくうちに笑顔で力強く歌い出し、会場全体を巻き込んだフィナーレはかなりの盛り上がりでした。
小さな町の古き良き劇場です。規模は小さいですが、雰囲気が素敵です。

Wynton Marsalis at Auditorium

http://www.iuauditorium.com/events/detail/wynton-jlco

こちらは、Indiana Universityのメインの劇場であるAuditoriumで行われたジャズ奏者のWynton Marsalis(こういう渋い人たち(笑))を迎えたコンサート。彼のバンドであるJazz at Lincoln Centerと共にジャズの名曲を次々と色艶のある音でこなしていき、聞いている方はうっとり聞き惚れてしまったものです。Auditoriumは2階席も含めて3,200席の伝統的な雰囲気の劇場は、演奏される音楽とも雰囲気が合い、良いコンサートに仕上がっていました。
IU Auditoriumは伝統的な雰囲気の劇場で、主に秋は音楽、春はミュージカルを楽しめます。

Singing Hoosiers at Auditorium

http://music.indiana.edu/departments/ensembles/singing-hoosiers/index.shtml

IUの音楽学部は音楽学部以外からも学生を募って大規模な合唱団を運営しています。Singing Hoosiersはさまざまな学部からオーディションで選ばれた学生が参加する合唱団で、年に数回、コンサートを行っています。プロを目指す人たちではないものの、音楽学部ではないから…と油断していると驚くような才能の持ち主が次々に登場します。言ってしまえば、大掛かりな学芸会のようなものなのですが、ここまでのレベルになる音楽学部あってのことという仕上がりで、少人数でのアカペラ、大人数での伴奏つきの合唱、入れ替わり立ち代わり歌うメドレーなど演出も凝っていて面白いです。
Singing Hoosiers!

Jazz Ensemble at MAC, Ford, Aura or Recital

http://music.indiana.edu/departments/academic/jazz/events.shtml

音楽学部ではJazz専攻の活動が活発で、学生による無料のコンサートが学期中は毎週1回のペースで、Big band Jazz, Latin JazzおよびJazz comboといった形で行われています。さすがにプロのコンサートと比べると、まだまだ、というレベルですが、上手く盛り上がる部分もあり十分に楽しめます。また、学内で行われて無料というのもあり気軽にフラっと行けるので回数を重ねていると上手い下手が分かるようになったり、学生たちが上達しているのが聞こえたり、自分の好きとするジャズのスタイルを探せたり、といった楽しみがあります。音楽学部はMusical Art Center, Ford, Auer, Recitalと複数のホールを持っており、どれも個性的ですので機会があれば一度は足を運ぶことをお勧めします。
Musical Art Center、略称MAC。
メインはバレエの公演ですが、学生によるJazz、Orchestraなど広く活用されています。


色々な音楽を手軽に楽しめるのがBloomingtonの良いところです。音楽に現在は興味がない方でも、留学に合わせて新しい分野にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。また、音楽については当ブログのこの記事でも別のコンサートやBear’s placeを紹介していますのでご覧ください。こんな街でビジネススクールに通ってみたいと思われた方、在校生一同までぜひお気軽にご連絡ください。

2016年4月30日土曜日

アメリカ/Kelleyで学ぶ意義

Class of 2016S.T.です。


前回のM.I.さんの投稿に続き、私も卒業を控えた身としてこの2年間を「アメリカ/Kelleyで学ぶメリット」に焦点を当てて振り返ってみたいと思います。


1.アメリカで学ぶ意義

日本ではなく、わざわざアメリカで勉強するメリットって何でしょう。正直なところ、授業内容の中で「アメリカのMBAでしか学べない知識」はまずありません。やろうと思えば、日本で仕事をしながらでも必要な本を買ったりオンラインプログラムを利用することで得られるものが大半です。また、日本国内でもMBAを提供している学校はあるので、ただ「勉強したい」だけなら30歳前後の貴重な2年間と多大なコストをかけてまでアメリカにくる必要は無い気がします。

では、MBAをアメリカで取得する価値とは何か。個人的には以下の2点が大きいかなと思います。

1) 自分が少数派の環境に身を置くことができる

国籍や価値観、文化が違う人に囲まれ、その中で議論する。これは日本で仕事をしている限りそうそう経験できるものではありません。
MBAを目指される人は相応の能力があり仕事でも認められていると思いますが、アメリカに来るとその能力を発揮する以前に(よほど英語が達者でない限り)言葉の壁にぶつかります。特に私はスピーキングもリスニングも苦手だったので、プログラムが始まって早々に想像以上の言葉の壁これまで築いてきた自信やプライドが粉々に砕かれました。これは結構辛かったですし、その中でチームメイトに認めてもらうために自分の強みを出して貢献していくプロセスは大変でしたが、そのぶん自分をストレッチすることができたと思います。
また、多様性があるといってもアメリカの多くのMBAスクールは半分以上がアメリカ籍なので、言葉の力もありどうしても主導権は彼らが握ることが多いです。その中で自分の意見を通すためには、数字や合理的な仮説などに基づいた論理的な主張が必要になってきます。自分を振り返って完璧にできたとは到底思えませんが、それでも何度もチャレンジする中で気質やスタンスの違うチームメイトを説得する術を身に付けることができたことは、実践的な学びだったと思います。

2) 仕事から一度離れることができる

学生の身分に戻って過ごす2年間は本当に貴重だと思います。
私はKelleyにくるまで同じ仕事を6年間続けていましたが、(その時は気付きませんでしたが)今振り返るとしだいに思考が一方向に向きがちになっていました。会社独自の文化や慣習に浸り続けたことで視野が狭くなっていたように思います。そんな中、いったん会社の外に出ることで一歩引いた立場から客観的にこれまでの仕事を振り返ることができました。私は社費なのでまた同じ会社に戻りますが、この2年間で培われた会社に対する批判的な視点は大事にしていきたいなと思っています。
また、日本で仕事してたときよりもスケジュール調整がしやすいので、自分の自由に使える時間が大幅に増えます。興味のある分野の研究、資格の勉強、旅行、趣味、なんでもいいですが、30歳前後のタイミングで「自分のやりたいこと」や「今しかできないこと」にしっかり時間をかけられることは魅力的ですよね。
加えて、仕事を通さず、利害関係のない友人関係を世界各地から集まった学生仲間と築けたことも、価値あることだったと思います。


2.Kelleyで学ぶ意義

次に、数あるMBAプログラムの中でKelleyを選ぶポイントについてですが、ここのところアプリカントの皆さんの対応をしていて感じるところを書こうと思います。

Kelleyに限らず、各MBAプログラムは特色をアピールしたり、オリジナリティのあるプログラムを打ち出して差別化を図っており、アプリカントの皆さんもこの部分に関してはしっかりと研究しておられると思います。Kelleyも特色としてCorporative cultureHigh teaching qualityなどが挙げられ、Core programGlobaseなど独自色のあるプログラムを提供しています。

しかしここでは、見落としがちだけど重要なポイントとして、生活環境を挙げたいと思います。かく言う私もアプリカントの時はプログラム内容ばかりに目が行っていましたが、2年間異国の地で生活してきて、住環境は学校選びにおいてプログラム内容に並んでとても大事なポイントだと感じてます。「住めば都」なんてことわざもありますが、やはり進学先を決めるにあたって生活全般も含めて環境が自分やご家族にフィットしているか吟味してもらいたいなと思います。

1) スモールタウン&カレッジタウン

インディアナ大学が立地するブルーミントンはインディアナポリスから車で1時間のローカルタウンです。そのため、街の特色としては安全、安心、自然が多い、物価が安いなどが挙げられます。大都市またはその近隣に立地するMBAスクールが多いなか、こののどかな環境は際立っている気がします。

2) 日本人が少ない

ブルーミントンに住む日本人のほとんどはインディアナ大学関連の留学生や研究者で、日系の進出企業も無いので、日本人は街の人口に比べて非常に少ないです。もちろんその中で日本人コミュニティもありますが、必然的にプライベートでも英語を話したり他国の人と交流する機会が増えます。


3.まとめ

MBAを取得するにあたって学習する内容は、国やスクールが違っても大きな差はないと思います。勉強して新たな知識やスキルを獲得することはもちろん大切ですが、人間性を磨いたり、価値観を広げることに目を向けることがより重要な気がします。
私にとってこのKelley Schoolでの2年間は、学習内容だけでなく、日常生活でも日本で仕事をしていては到底経験できないことに溢れた非常に有意義な時間だったと思います。しかし、これが誰にでも当てはまることでもないと思います。学校選択の際はついついプログラム内容やランキングなどに引っ張られがちですが、一歩引いて、生活全般も含めてどのプログラムが自分に合っているか考えることが、後悔しない学校選びのポイントだと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

2016年4月3日日曜日

MBA生活を振り返って

 こんにちは、Class of 2016 M.I.です。早いもので卒業前最後の投稿ということになってしまいましたので、今日はこれまでのMBAでの生活を振り返ってみるとともに、今後のためになるようなアドバイスを残しておきたいと思います。
 まずは、私のMBA経験を4つの段階に分け綴ってみたいと思います。

1、ショック期
 私は、TOEFL を20回以上受けてようやく100点を超えたので、英語が苦手な事は承知していたはずですが、100点を超えたという安心感で、自分の英語力を完全に過信していました。今思えば非常に甘かったと思っています。Kelleyの入学当初にパソコンなどのセッティングのセッションがあるのですが、IT担当者の英語が全く分からず、本当に困りました。米国に来て初めて、TOEFLのための勉強は所詮受験勉強に過ぎず、生きた英語を学ぶ必要があったということを思い知りました。
 また、授業についても、専門的な知識の無い会計やファイナンスの授業は、英語の分からなさに加えて内容が分からないこともあり、正直ついていくのにかなりしんどい思いをしました。ネイティブの学生がディスカッション系の授業で軽々と発言し、リーディングも素早くこなしている一方で、自分は授業の内容と英語能力の強化ということを同時並行で行わなければならず、コアの期間は大変苦しい思いをしました。また、学校内でも、教授の言葉は何とか理解できるのですが、教授と生徒、生徒同士の会話が全く聞き取れず、特に文化的な背景が必要となる雑談(ビールの銘柄やベースボールのチームの話など)になると、英語も内容も分からずなまじ英語に自信があったために非常にショックを受けました。この時期は暗闇の中をひたすら前に向かって歩いているような状態でした。

2、拒絶期
 入学して少し経ってくると、生活自体には馴染んできますが、今度はその内容について十分に留学生活を消化できてきない自分に苛立ちを感じてきました。例えば、ジョークやスラング交じりに話しかけてくるネイティブに対しては、ナイスガイであるとは思うものの、留学生なのだからもう少しきちんとした話し方で話しかけて欲しいなと思ったり、Kelleyの授業に対しても、細かい形式的な事を注意されること(例えばプレゼン時の立ち位置など)や、 転職活動を前提とした自己分析や模擬面接などに苛立ちを感じたりもしていました。また、自分自身に対しても、英語だけではなく中身についてもチームに貢献できないことに苛立ちを感じていました。これらの苛立ちは、後々徐々に消化されていくのですが、この頃は授業の課題に追われ、冷静に考える余裕がなかったように思います。

3、受容期
 コアが終わり少し経つと、ようやく少し余裕が出てきて自分の状況を冷静に見つめることができるようになってきました。特に、夏休みのドイツ・ウィーンの交換留学プログラムに行ってからは、必ずしも英語を話す全ての人がアメリカ人のように英語を話しているわけではないという当たり前のことに気づき、自分もアジア人としてビジネスレベルで使える英語をマスターすればいいという目標ができ、すっと肩の荷が降りました。また、これもよく考えれば当然なのですが、MBAの学生の多くがネイティブの私費の学生である以上、MBAプログラムが受験予備校的性質を帯びているのも事実であり、学校側もそのような学生をメインターゲットにしているので、就職支援に重点化されている意味を理解できるようになってきました。加えて、自分もその波に片足を突っ込むことで、アメリカの就職事情、ビジネスマインド、ビジネスマンに通常必要とされる素養を身につけることができていると実感できるようになりました。また、チームへの貢献については、徐々に勘所が理解できるようになり、英語が拙くても、内容がわからなくても、分からないなりにとりあえず発言をすることが大事であるということと、どんな発言がチームにとって有益かが分かる嗅覚のようなものが備わってきました。また、時には全員賛成の時に自分一人反対のポジションを取ってみて、議論を深めてみるということも合意形成に有益であることを学びました。

4、機能期
 MBA生活が折り返し地点に立った頃になると、次第にcomfortableになると同時に、 改めてMBAで得たかったこと、得られることは何かを意識し始めるようになり、戦略的に授業を取ると同時に、時には他学部の授業を履修したり、シンガポールへの交換留学でアジアにフォーカスした授業を取るなどしながら、将来のキャリアの肥やしになる知識を蓄えるよう心がけました。また、将来のキャリアビジョンを見据え、自分のロールモデルに合う人と会ったり話をしたりすることで、MBAでの生活を有意義なものにすることができました。

 以上が私のMBAの経験の概要です。4つのタームに分けて記載してみましたが、どうやらこのような分け方は、人が新しい環境に出会った時に経験する段階としてはよくある分け方のようですので、恐らくMBA留学という新しいことにチャレンジする方も多かれ少なかれこのような経験をするのだと思います。

 ただ、結果として私のMBA生活は段階を経て非常に有意義なものになったと思えるものの、おそらく初期の苦しい期間をより短縮して、より多くのものを吸収できる段階を増やすことができたかもしれないと思っています。そんな反省もありつつ、自分の経験をもとに、MBA生活について幾つかアドバイスをさせていただきたいと思います。

・まず1つ目はめげないことです。恐らく多くの日本人の場合、就職活動だけでなく英語の勉強も兼ねて留学をするので、クラスについていくのは相当苦しいのではないかと思います。一方で、入学が認められたということは、ポテンシャルはあるはずだということなので、これはめげずに勉強を続けていくしかないと思います。時には余裕がなくて苛立つこともあるかもしれませんが、それも成長の一環だと思って自分を見つめ直す機会と捉えてください。

・2つ目はアメリカの日常会話、文化(スポーツ、飲み)、国際ニュースにも習熟しておくことです。アメリカのMBAcomfortableに生活していくには、やはりどうしてもアメリカ人の会話、振る舞い、思考方法を理解する必要があります。また、日本人なのだから日本のことだけ話せればいいかというとそうでもなく、アメリカのニュースを聞くとともに、世界の情勢にアンテナを張り、自分がいかにアジア的な発想、日本的な発想をしているかということを客観的に見ることが、グローバルなビジネス感覚を身につけるために重要であるように思います。

・3つ目は迷っているならチャレンジしてみよう という心構えです。確かに私もアメリカのMBAの授業料は総じて高いと思いますし、MBAの費用対効果がどうということもありますが、留学しなければ得られないであろうチャンスや価値観を逃す手はないと思います。留学だけでもする価値があると思いますし、それに加えて海外MBAを取り、グローバルスタンダードのビジネスマインドを身につけられるチャンスは他に無いと思います。迷える余地があるのであれば是非チャレンジすべきだと思います。

 最後に、ひと昔前に比べて、MBAの環境は変わりつつある気がします。というよりは常に環境は変化しているというべきかもしれません。アジアのMBAの台頭、 EMBAの充実、オンライン講座の開設など多々変化の要素はあると思います。そのため、MBAをとる意味そのものをもう一度問い直さければならなくなってきているかもしれません。

 嘘か本当かは分かりませんが、数十年前は、日本人が大量に社費派遣でMBA留学をし、日本人同士で固まって授業を受けるような光景が見受けられたという話も教授から聞いたことがあります。一方で、現在は世界における日本のプレゼンスが薄れ、日本人MBA生も減ってきており、MBAの中でも個々人の力が試されるようになってきていると思います。そのため、現在のMBAはグローバルな環境の中で個人のプレゼンスを高める訓練をする絶好の機会なのではないかと感じています。私は、KelleyMBA生活を経験したことで、楽しいことや苦しいこと様々にありましたが、確実に自分が成長できたことを実感しています。また、世界中から集まった優秀な同世代の仲間と日々語り合うことができたのは何よりも有益な時間でした。皆さんも、それぞれのMBAを体験し、それぞれの成長を目指してみては如何でしょうか。その際は是非Kelleyを訪問していただけると幸いです。


 最後までお付き合いいただきありがとうございました。それではまた会う日まで。

写真:入学時オリエンテーションプログラムMe, Inc.にて

2016年3月24日木曜日

配偶者の方向けの無料の英会話スクール

こんにちは。class of 2017のK.Hです。KelleyでもApplication 3rd Roundまでが終わりました。何名もの方からキャンパスビジットを頂いており、在校生一同、大変嬉しく思っております。

私は結局3rdで合格切符をつかむことが出来たのですが、最初にMBA出願をしてからKelleyに最終確定するまで、約4か月かかりました。この4か月は留学準備のなかでも本当に苦しい期間ではありましたが、最後まで粘って粘ってKelleyに決めることが出来たことを、本当に嬉しく思っています。受験は最後は粘りかな、と心から思いました。Kelleyを検討されている方もそうでない方も、後悔のない決断をするため最後まで頑張ってくださいね!

さて、キャンパスビジットやメールなどでよく頂く質問ということもあり、今回は配偶者の方向けの英語学校を紹介したいと思います。


1.Broadview Learning Center

http://www.mccsc.edu/domain/1373

Bloomington南西部にある無料の英会話学校です。基本的に月曜から金曜まで授業があり、クラスはレベル1~5で、レベルによって午前と午後のクラスがあります。一回のクラスは3時間程度で、あるクラスでは、英文法、語法、Reading、Speaking、Writing、Presentationなどの強化を行ったりします(会話はすべて英語ですから必然的にListeningは鍛えられます)。入学時以外にも定期的にレベルチェックが行われ、自分の成長度合いを確認することが出来ます。

2.Monroe County Public LibraryのVital

http://mcpl.info/vital

Bloomington西部に位置する公立図書館で無料の英語のクラスがあり、またマンツーマンのチューターを紹介してもらえる制度もあります。講師はすべてボランティアで構成されています。こちらも基本的に月曜から金曜の間に、Convesation Class(週3回)やReading and Discussion Class(週1回)などがあり、1回のクラスは1時間ほどになります。チューターについては人気が高いのか、事前に予約をしてから、実際に割り振ってもらえるまで2~3か月ほど期間がかかるようです。チューターとは週1回1~2時間でマンツーマンでレッスンを受けることが出来ます。


1、2ともにクラスの人数は最大で二十人程度になり、ブラジル、メキシコ、トルコ、台湾、中国、韓国など多様なバックグラウンドを持つ生徒が集まります。


私の妻も渡米直後は、2.Monroe County Public LibraryのVitalのみで学んでいましたが、その後は1.Broadview Learning Centerにも参加するようになりました。さらに2.Monroe County Public Libraryでのチューターも同時に受けており、英語力を鍛えております。 

家族を伴って渡米を検討されている方にとって、ファミリーフレンドリーな環境は本当に重要な問題だと思いますが、月曜から金曜まで無料で英語が学べるスクールは非常に良い機会になるのでしはないのでしょうか。